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コミュニティ・ビジネスとは?

2016-09-05 19:26:37 | 講演・講義・フォーラム等
 最近、コミュニティ・ビジネスという言葉を見聞きするようになった。いったいそれはどのようなこと?という疑問が沸き、公的機関が主催するセミナーに参加してみた。セミナー名は厳めしかったが、なかなか興味深い内容だった。 

 9月1日、2日の両日、北海道生涯学習推進センターが主催する「課題対応型学習活性化セミナー」なる講座に参加した。セミナーのテーマは「学んだ成果を活用する仕組みの構築~高齢者が活躍するコミュニティ・ビジネスを考える~」というものだった。

            
            ※ セミナーは高齢者ばかりでなく、公的機関の若い職員の参加も目立ちました。

 セミナーの構成は、「基調講演」、「インタビュー・ダイアローグ」、そして参加者同士による「ワークショップ」という構成で2日間にわたって行われたのだが、今回は前記二つのことについてレポしたい。
 基調講演は、有限会社コミュニティビジネス総合研究所代表取締役所長の細内信孝氏「コミュニティ・ビジネスによる地域の元気づくり ~高齢者の社会参加~」と題する基調講演を行った。

 細内氏によると、コミュニティ・ビジネスとは、簡潔にまとめるとボランティアと利益追求を目的とする商店・企業などとの中間に位置する存在ということだ。つまり、利益追求が第一の目的ではないが、活動に対する対価を得てビジネスとして成り立たせるとともに、地域の活性化に資する活動がコミュニティ・ビジネスである、ということだ。それは、高齢者が社会参加する手段として適しているのではないか、という趣旨だった。
 そして細内氏は全国各地で展開されているコミュニティ・ビジネスの成功例を紹介してくれた。

            
            ※ 基調講演をする細内信孝氏です。            

 私としては、私自身がこれからコミュニティ・ビジネスを起ち上げるという意欲は年齢的にも正直言って難しいと思うが、私の後輩たちが現職をリタイアした後の生き方の一つとしてアイデアを提供する、という立場からは面白い話だと受け止めた。

 続いて行われた「インタビュー・ダイアローグ」だが、この言葉は私には耳新しかった。
 調べてみると、ダイアローグとは、創造的なコミュニケーション活動ということらしいが、インタビュアーである細内氏の質問に応えて、二人の実践者の報告を聞くという形だった。
 その中で、私が非常に興味をもったのが、NPO法人グランドワーク西神楽の理事である谷川良一氏の実践報告だった。

 グランドワーク西神楽は、実に多彩な活動を行いながら、利潤もあげ高齢者の雇用確保にも資しているということだ。
 旭川市の西神楽地区は、1,621世帯、3,348人が在住しているということだが、地域住民が主体となって、地域おこしに取り組んでいるということだ。その活動は実に多彩で、次の七つの専門委員会を設置して地域おこしをしているという。
 ◇地域の環境と景観を考える専門委員会
 ◇農業の未来を考える専門委員会
 ◇地域の歴史と遺産を考える専門委員会
 ◇子供たちの健全な育成を考える専門委員会
 ◇NPOの事業を考える専門委員会
 ◇西神楽さと川パークゴルフ場運営管理専門委員会
 ◇地域の高齢者福祉を考える専門委員会

                 
          ※ NPOグランドワークでは、このような通信を発行し、会員間の凝集力を高めているようです。

 こうした専門委員会が例えば、パークゴルフ場の運営管理事業をしたり、ディサービス事業を行ったり、ふるさとサロンを経営したりと、多角的な事業を展開して、今や年間で総額1億円以上の売り上げ実績を誇り、40名もの雇用を産み出しているということだ。
 こうなると、NPOの核となって活動している谷川氏はもちろんのこと、関わっている人たちは大いなる生きがいを感じながら活動に従事されているのではないだろうか?

            
            ※ 報告で最も顕著な成功例としてパークゴルフ場の維持管理、経営活動を挙げられていました。
 
 いざビジネスを起こそうということになると、立ちはだかるハードルが数多くあるのでは、と想像される。しかし、そのハードルを乗り越え、高齢期を生き生きと生きていくための手段としてコミュニティ・ビジネスは有力な手段の一つではないかと思えた。
 これから第一線を離れてリタイアする後輩たちに一つの生き方として提示してみたいと思った今回のセミナーだった。

 明日は、実際にコミュニティ・ビジネスの起業を考えるワークショップの様子をレポしたい。