田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

鈴木北大名誉教授 ノーベル賞受賞記念講演会

2011-03-07 14:40:31 | 講演・講義・フォーラム等
 予想外だった。テレビの画面から伝わる鈴木名誉教授の印象は謹厳な研究者という印象だった。きっとお話の内容も硬い内容に違いない。そう思い込んでいたのだが、聴衆を意識してか平易な言葉で、時にはユーモアを交え楽しく語ってくれた。

          
          ※ 鈴木教授の講演会を伝えるパンフレットです。            

 同じくノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏から遅れること約2カ月、北海道民にとってはこちらが主役の鈴木章北大名誉教授のお話をとうとう伺うことができた。
 2月28日(月)、札幌市民ホールでノーベル賞受賞記念の市民講演会が開催されたのだ。

 その時の様子については、昨6日(日)の北海道新聞に大きく2頁にわたって詳しく紹介されているので二番煎じは避けて私の印象をレポートすることに留めたい。

        
        ※ 講師が登場する前のステージです。

 まず、鈴木氏は80歳という高齢にもかかわらず立ったままで話されたのには驚かされた。またその立ち姿が美しく、言葉も明晰であったことも印象的だった。おそらく日常の体調管理をしっかりされていること、意識を高く保つことによって、このようなことも可能になるということを教えられた思いがした。

 また、意外にユーモアのある方だと思えたことは直接お話を伺うことによって知りえた一面だった。
 例えば、講演後に鈴木氏は本物のノーベル賞メダルを手に持って披露されました。レプリカも2個作成してもらったとのことでしたが、(その1個が北大博物館に展示されている)スウェーデンではメダルを象ったチョコレートが販売されていて購入したのですが「これはまずいですよ」と言って聴衆を笑わせるなど、話の随所で笑いを誘っていた。

 そして今なお学術論文に目を通し、時には学会へも出席されたり、講演をされたりとエネルギッシュに生きられている姿には教えられるところがあった。

          
          ※ ノーベル賞メダルの公開展示を伝えるパンフレットです。

 講演は「今日は化学の話はできるだけしないように心がける」としながら、ご自身の来し方を話されたが、才能に恵まれた人が相当な努力と精進の末に発見された「鈴木カップリング」について淡々と話されたところに、やはり凡人とは違う一面を見た思いだった。
 私たち凡人にとって鈴木氏の話はどこか雲の上の人の話のように聞こえたが、これから人生を切り開こうとしている学生や若い人たちには多くの示唆と刺激を与えてくれた一夜だったに違いない。