中国人の間に北海道観光ブームを巻き起こしたという中国映画「狙った恋の落とし方」を観た。しかし、どこが彼らにビビッときたのだろう?良くは分からなかったのだが…。
最近、北海道の経済のことについて話を聴く機会が何度かあり、北海道経済の起爆剤は「観光」であるとして、この映画のことに触れつつ中国人の間では今北海道が憧れの地だというので興味深く映画館(スガイシネプレックス札幌劇場)に向かった。
映画は中国々内で史上最大級のヒットとなったそうである。
映画自体はラブコメディーという軽い感じの肩の凝らない映画であった。コメディーといっても強引に笑いを誘うような映画ではなく、クスッと笑わせる上品さのあるコメディーである。私も何ヶ所か思わず笑ってしまう映画だった。
中国においてもこうした軽い感じの映画が一般大衆から受け容れられ、支持されているということは興味深かった。
そして映画には、中国の今が見えるさまざまな人たちが登場する。『婚活』に励む人、株にはまっている人、同性愛者、お墓のセールスなどなど…。中国の現在の社会現象の一つだそうである。
さて、肝心の北海道のことだが、ストーリーの後半に主人公の男女二人が道東地方を巡りながら恋物語が進展するという内容である。映画館のロビーに掲示してあったロケ地を急いでメモした。
それによると登場順に①網走市・北浜駅、②厚岸町・国泰寺、③釧路市・阿寒湖、④釧路市・阿寒湖温泉・あかん鶴雅別荘「雛の座」、⑤釧路市・阿寒湖温泉・炉ばた「浜っ子」、⑥斜里町・キリスト兄弟団斜里教会、⑦斜里町・知床野営場、⑧斜里町・岩尾別温泉、⑨網走市・能取岬、⑩斜里町・知床グランドホテル「北こぶし」、⑪大空町女満別・町道朝日南10線 以上であるが、少し前まで道東がホームグランドだった私には見覚えのある景色ばかりである。(未知の所は「厚岸町・国泰寺」だけ)
画面の景色が取り立てて素晴らしいわけではなく、日本人監督ならもっと鮮やかな画面に仕上げるのではなどと思いながら、私にとっては当たり前の景色を眺めていた。
ところが、中国人には憧れの景色に見えるらしい。中国では見ることのできない景色ということであろうか…。
どうやら、そこらへんがヒントらしい。
地元の人間にとっては何でもない当たり前のものでも、外国人にとっては異国情緒あふれる「観光」資源になりうるということなのだ。
今、札幌の街を歩いているといたるところで中国人の観光客を目にする。統計でも中国人観光客の数はうなぎ上がりだという。
しかし、受け入れる側の整備はまだまだ遅れているとも聞く。また私たち道民の彼らに対するホスピタリティーもまったくといっていいほど育ってはいない。彼らの熱が冷めぬうちに、という関係者の焦る声が伝わってくるのだが…。
果たして北海道は狙った中国人を落とせるのか!?