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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

寒さに震えながらの自然観察会

2021-10-18 18:31:34 | 環境 & 自然 & 観察会

 昨日(10月17日)は、札幌をはじめ道内各地は今年初の寒波に襲われた。雪こそ降らなかったものの、時折り冷たい風雨に見舞われ寒さに震えながら「前田森林公園」で行われた自然観察会に参加した。深まり行く秋の森林公園の中を探訪した。

   

※ この日最も紅葉が美しかったナナカマドの葉です。(最後に別角度からのもう一枚を掲示した)

 前田森林公園は札幌の西の端、小樽湾に近いところに位置する手稲区の総合公園である。この公園でボラティア活動を展開している「凹凸クラブ(デコボコクラブ)」主催の自然観察会が開催され参加した。

 前田森林公園は人工的に造られた長さ600mに及ぶ直線のカナール(運河)が有名で、私も何度か足を運んだことがあるが、自然観察会に参加するのは初めてだった。

   

※ 前田森林公園内の黄葉した林です。

 観察会は事前申し込みは不要というラフな観察会だったが、それでも関心のある地元の人たちを中心に24~5名の参加者があった。

   

※ 参加者たちは皆関心のある方ばかりのようで、とても熱心に参加されていた。

 午前10時、冷たい風が吹きすさぶ中、クラブのガイド役(石田さんと自己紹介された)に導かれ森の中に入った。ガイド役の石田さんはとても植物に詳しい方だった。分かり易く、噛み砕いて初心者にも丁寧に説明された。時には巧みなユーモアも交えて…。

   

※ この日の説明をしていただいた石田さんという指導員の方です。

 最初に案内されたのが紅葉の代表選手であるカエデ類の林だった。イタヤカエデ、ノルウェーカエデ、ヤマモミジ、トウカエデ、ハウチワカエデ、ネグンドカエデ、と…。途中で石田さんは、木の葉が紅葉、黄葉、褐葉する仕組みについての説明もいただいた。(文章での説明は難しいので省略)

   

※ あまりきれいな紅葉ではないがカエデ類の紅葉です。

   

※ こうしたグラデーションを呈した葉も面白いですね。

   

※ カエデ類の実はプロペラのような形をして、周りに散らばり種を増やします。

   

※ カエデの葉の一部の紅葉が始まっているところです。葉先から始まるんですね。

 石田さんの説明を聞いていて、前田森林公園が自然林を利用した公園でないことが分かった。前田森林公園は前述のカナールのことでも分かるように、何もないところからおよそ10年もかけて新たに作り出した公園だということだ。だから前述のカエデ類もそのほとんどは他から移入、移植をしたものだということだった。ただ開園してすでに34年。鳥たちによって種子が運ばれたりして、当初植えたものが思わぬところで発芽して、成長している木もあるということだった。

 カエデの林から場所を変え、木の実が結実している所へ向かった。真っ赤な赤い実が枝いっぱいに付けている木が目に入った。「アキグミ」という木である。動物たちも好んで食する果実だという。人間が食べても構わないということで口に入れてみると、小さな実ながらけっこう甘い果実で動物たちも好みそうな実だった。

   

※ アキグミの実です。   

 その傍にもう一つ、小さな赤い実を付けた木があったが、こちらは「ニシキギ」というそうだ。こちらの実は硬くて美味とは言えないようだった。ここでこの日唯一の野鳥ヒヨドリを見ることができたが、私の腕ではカメラに収めることは無理だった。

   

※ こちらはニシキギの赤い実です。

 そしてクルミの森へと場所を変えた。クルミの森には、リスたちが食べたクルミの実の殻がたくさん落ちていた。ガイド曰く「リスたちはクルミの実をきれい割って食べるが、ネズミたちは割らずに殻に穴をあけるようにして食べるので直ぐにどちらが食べたか分かる」そうだ。またクルミの葉は小葉といって葉柄のところから何枚も葉を出しているが、葉の数を数える場合はあくまで一つの葉柄から出ているは何枚小葉が出ていても一枚と数えるそうである。う~ん、難しい!

   

※ エゾリスたちがクルミの実を食べた跡です。

   

※ クルミ類の小葉について説明する石田さんです。

   

※ オオウバユリの実が結実した様子です。

        

※ オオウバユリの高さが見事です。2メートルはありそうです。

 最後に秋の味覚キノコを紹介していただいた。コースの中で一つはヒラタケのようだったが、詳しい方がいなかったために特定することはできなかった。ガイドの方が自信をもって紹介していただいたのが毒キノコとして有名なベニテングダケである。また、倒木したシラカバの木から生えたツリガネダケをも紹介してくれたが、こちらは硬くてとても食用には適さない種であることが見て分かった。

   

※ こんな大きなキノコが公園内に残っているのは食用ではない、と想像されます。

   

※ ベニテングダケの赤い色が退化してしまったものだそうです。

   

※ 釣鐘を逆さにしたような形からツリガネダケと命名されたとか…。

 キノコを探すうちにこの日最も鮮やかに紅葉していたナナカマドを見ることができた。離層した後の気温とそれによって生成されたアントシアン(赤色)の変化の割合が理想的だったことから見事な赤色を呈したものと考えられる。

   

※ 見事に赤色に染まったナナカマドの葉です。

 と説明を受けていた時に、大粒の雨というか霙(みぞれ)のようなものが降って来た。林の中で雨を避けたが、これにて観察会を終了することとした。

 私はこの日、寒さを警戒して下はズボン下に、オーバーズボンも身に付け、上は夏山装備の上に羽毛のベスト、その上にアウターを羽織るという重装備だったが、それでも寒さを感じながらの観察会となった。

 しかし、久しぶりの観察会はいろいろと新しい知識を得ることができ楽しい観察会となった。どうしてもこの種の観察会は右から聞いて左から忘れていくことが常であるが、回を重ねることによって少しは身についてくるのではと自分自身に期待している。

 夏の間、コロナ禍で軒並み中止となっていた自然観察会が今月から来月にかけて札幌市内各地で行われるようなので、できるだけ参加できたらと思っている。


北海道神宮境内 de エゾリスを撮る

2021-08-23 16:04:45 | 環境 & 自然 & 観察会

 たくさんの方が北海道神宮の境内でエゾリスを撮った映像をネットで公開している。しかし私はこれまで一度もカメラに収めたことはなかった。今日はエゾリスを撮ることを唯一の目的として北海道神宮に向かった。

 いやいや最初に向かったのは北海道神宮ではなかった。最初に私が向かったのは「円山」である。以前に「円山」に登った時に、登山路の脇の大きなカツラの樹の根元で遊ぶエゾリスを目撃したことがあった。私はそこで簡単に見ることができるだろう軽く考えていた。というのもそのカツラの樹は大木であり老木だった。その根元にはたくさんのウロや穴があり、エゾリスが根城とするには絶好の場所と思えたからだ。

   

 そのカツラの大木は登山口から10分ほど登ったところにあった。久しぶりに対面したカツラの大木だったが、いかにもエゾリスが棲んでいそうな雰囲気があった。

   

   

 カツラの大木を前に私はどっしりと腰を下ろし、エゾリスの登場を待った。当初私は1時間も待てば現われてくれるだろう、と思っていた。雰囲気はあるのに、なかなかエゾリスは現れなかった。10分、20分…、現れない。ここで私の我慢性の無さが顔を出した。1時間待てば…、と思っていたのに30分を経過するとしびれを切らしてしまった。これだから私には野鳥とか、動物たちをカメラに収めることができないのだ。私は30分を経過したところで諦めてしまい、下山してしまった。

 ここで思い出したのが「円山」と隣り合わせにある北海道神宮だった。多くの方が北海道神宮で撮ったエゾリスをネット上にアップしているのを思い出した。そこで北海道神宮境内に転進することにした。

 神宮の入口で警備員に「エゾリスを見ることができますか?」と尋ねてみた。すると「運が良ければいくらでも見ることができますよ」とのことで、「あちこちと歩いてみてください」とアドバイスしてくれた。アドバイスどおりに私はあちこちと歩いてみた。しかし、そうは簡単に現れてくれない。境内を警備していた方にも「エゾリスは昼時は現れないんですかね」と尋ねてみた。すると「そんなことありませんよ。先ほども私は見ましたよ」との力強いアドバイスを受けて、さらに歩きまわった。

 するとついに!松ぼっくりがたくさん転がっているところを忙しそうに走り回るエゾリスに遭遇した!私は夢中でシャッターを押し続けた。

   

 エゾリスが草陰に隠れるようになったころ、件の警備員の方が「後ろにもいるよ」と声をかけてくれた。いるいる!私はより望遠の効くカメラに持ち替えてシャッターを押し続けた。こんなにエゾリスをカメラに収めたことはない。目的地は違ったけれど、ねらったエゾリスをカメラに収めることができて満足、満足である。

 それではその成果を…。

   

   

   

   

   

 それにしても本日の一件で小学校時代の通知表にいつも「落ち着きがない」と書かれたことを思い出した私だった…。                            


水は命の源と実感した…

2021-08-12 14:55:13 | 環境 & 自然 & 観察会

 当たり前と言ってしまえば、至極当たり前のことなのであるが、水が全ての命の源であることを実感した。今夏の札幌は稀にみるほど雨のない日が続いた。そのため我が庭とも見ていた道立近代美術館の芝生は完全に枯れてしまっていた…。

 今夏の札幌の過去の天気を調べてみた。すると7月7日から8月3日までの間一滴も雨が降っていない。およそ一カ月近く全く雨が降っていないのだ。その前も6月21日から7月7日の間に弱い雨がぱらついた日が2日あっただけという極少雨の天気が続いた。そのため私は8月1日に投稿したように、我が管理地の花壇に懸命に水遣りを続けた。そのことで花壇の花たちはなんとか命を繋げたが…。

 しかし、その傍にある道立近代美術館の前庭の芝生は乾きに乾き、無残にも芝生の態をなさぬほどに枯れあがってしまった。

   

※ 8月3日に撮った近代美術館前庭の芝生の様子です。

 札幌に恵みの雨が訪れたのは、東京オリンピックの競歩・マラソン競技が終わった8月4日だった。その後10日から11日にかけてしとしとと雨が降り続き一息ついたというのが実状である。

 さて、枯れあがってしまった道立近代美術館の芝生はどうなったか?芝生の表面は確かに枯れてしまったが、芝生は根の部分で逞しく命を繋いでいた。10日の日に芝生の様子を見に行ってみると、ところどころに緑が蘇っていた。逞しい生命力である。本日も再び芝生の様子を見にいくと、さらに緑が増えているように見えた。ダメージが大きかったために簡単には蘇らないかもしれないが、いずれ全面に緑が還ってくるだろう。水が命の源と実感したシーンだった。

   

※ 8月10日に撮ったものです。

   

※ 本日(8月12日)撮ったものです。10日とあまり変わっていないように見えますが…。

 そしてもう一つ。私たちが管理する花壇にもう一つある。そこには主としてアリッサムという小さな花をつける種を栽培している。そのアリッサムは水不足を感知してか、早々と花を付けて散ってしまい、種子を付けて茎が伸び切っていた。私は花壇を整理するには時期尚早と思い伸びた茎を短く刈り切り、そのうえで水を遣り続けた。花は終わっても葉の緑が鮮やかだった。それが!今朝見てみると再び花を付けているではないか!今夏二度目のアリッサムの小さな花びらを見ることができた。素人考えで「あるいは!?」とは思っていたのだが、その思いが的中して密かに喜びに浸っている。 

    

   ※ アリッサムは見事に今夏2度目の花を付けてくれました。              


札幌市内のラベンダー名所めぐり

2021-07-09 16:49:00 | 環境 & 自然 & 観察会

 ラベンターが見ごろを迎えているとの情報から、札幌市内でラベンターが見られる主なところを巡り歩いた。真駒内霊園の頭大仏、幌見峠、そして西区の街のど真ん中「二十四軒手稲通」の中央分離帯、と…。ところによって咲き具合に違いが見られたものの、一面の紫色は何かを掻き立てられる色である。

 富良野地方ほどのスケール感はないが、札幌にもラベンダーの名所が各地に散在している。昨日、「見ごろでは?」という妻の一言もあって、上記3か所のラベンダー畑を巡り歩いた。

真駒内霊園「頭大仏」

 広大な真駒内霊園はもちろん先代供養を行う霊園なのだが、公園的要素も兼ね備えていることから市民の間で隠れた人気スポットとして知られているところである。(特に33体ものモアイ像が有名)その真駒内霊園に小高い丘がラベンターで埋め尽くされ、その中央部から大仏様の東部がぽっかりと見える「頭大仏」と称するところがある。その丘には札幌市内では最大の15万株のラベンターが植わっている。

 昨日行ったところ、札幌市内よりは標高が高いためだろうか?まだラベンダーは2~3分咲きといった状態だった。最盛期は2週間後くらいか?できればその頃もう一度行ってみたいと思わせるスケール感である。    

    

            ※  写真中央部にぽこんと見えるのが、「頭大仏」です。     

             

          ※  もう少し近寄ってみると、「頭大仏」がはっきりしますね。   

         

                                           

    ※ 真駒内霊園で有名なモアイ像33体です。                  

幌見峠

 幌見峠のラベンダーは最近脚光を浴びてきたスポットである。札幌市内からも近く、曲がりくねった道をドライブして峠に到達する。すると園内には多くの見物客がラベンターを楽しんでいた。市内を一望できるロケーションが人気を呼んでいるようだ。ラベンダー園は入場料は徴収しないが、駐車料が昼間500円、夜間は800円かかる。街からけっこうスリングな細く曲が楽しんでいた。

 ラベンダーは札幌市内を一望できる斜面一面に広がっていたが、種に早生(わせ)と晩生(おくて)があるようで、早生種がちょうど見ごろを迎えていた。全体が満開となるのはもう少し時間が必要のようだった。

    

    

    

    ※ このロケーションが幌見峠の売りなのでしょう。 

    

    

 

二十四軒手稲通の「中央分離帯」

 道路に設けられた中央分離帯に植えられたラベンダーを「名所」とは誰も呼ばないが、意外にもこの分離帯のラベンダーが鮮やかである。マップ上で測ってみると、その長さ約6km。幅2mほどで延々と続くのだから、その総面積も相当なものである。わき見運転は慎まねばならないが、この時期にこの二十四軒手稲通をドライブするのは楽しいものである。この日巡り歩いた中では、最もラベンダーが鮮やかに咲き誇っていた。

    

    

    

    

 

紫色のイメージ

 数ある花の中でラベンダーの紫色というのは花の色としてはかなり特殊な色である。それだけに印象深いラベンダーであるが、いったい紫色にはどのようイメージがあるのか調べてみるとあるは、あるは…。羅列してみる。

 ・エキゾチック  · 感性  · 芸術  · 繊細  · はしたない  · ムード  · 哀れ

 ・意地悪  · 永遠  · 下品  · 華麗  · 古風  · 孤独  · 高貴  · 高級

 ・豪快  · 上品  · 心配  · 神聖  · 神秘  · 粋  · 崇高  · 知的  

 ・中性的  · 二面性  · 不安定  · 不吉  · 不思議  · 複雑  · 魔法  

 ・魅力  · 癒し  · 優雅  · 欲  · 欲求不満

 あなたが抱いたイメージといくつ合致しただろうか?私は10個程度だろうか?私的には濃い紫色よりは、明るい紫色が好ましく思うのだが、色だけはそれぞれ人それぞれなのだろうなぁ……。


大通公園のバラが満開です!

2021-06-17 18:06:43 | 環境 & 自然 & 観察会

「花の女王」とも称される薔薇の花が満開の時を迎えている。北海道内にも各所にバラの名所があるようだが、私にとって最も身近なのが大通公園12丁目の「バラ園」である。「バラ園」では色とりどりバラの花が艶やかさを競っていた。

 本日、都心に所用があったのだが、「大通公園のバラが満開の時を迎えている」と聞いたので途中見物方々所用を済ませようと徒歩で向かった。

   

 大通公園12丁目の「バラ園」には好天も手伝って多くの市民がバラの花を愛でていた。赤、ピンク、橙、白…、多彩な色を呈していて、まるでその艶やかさを競っているかのようであった。

 調べてみると、バラは日本をはじめ西欧、中国など世界各地で古くから愛されており、好事家たちにとっては絶好の栽培種のようである。そうした方々の品種改良などの努力によって、一節では二万種以上のバラの種があるとも言われているそうだ。

 実をいうと私はバラの花があまり得意ではない。というのも、バラの花はあまりにも艶やかすぎて、どこかに気恥ずかしさを感じてしまうのだ。まあ、それだけ私が地味好みということなのかもしれない。

 そのことはどうでも良いことで、美しいものは美しいという真理は変わらない。かくいう私にとっても色とりどりのバラの花を眺めることは目の保養にもなる。札幌市内には以前「地崎バラ園」という名所があったようだが、私は目にする機会がないまま閉園になってしまった。現在、道内では「いわみざわ公園バラ園」や「ローズガーデンちっぷべつ」などが有名のようである。機会があれば訪れてみたいと思っている。

 それでは大通公園の「バラ園」で見て、目に止まった数種のバラの写真を羅列することにします。「バラ園」では一つ一つの種の名称が表示されていた。その中に「作出者」、「作出国」という表示があり、品種改良によって新種を創り出した人及び国が記されていた。そこで本欄では創り出した国の名前も( )内に併記することにした。

◇宴(日本)

    

   

 

◇ジーン バーナー(アメリカ)

   

   

 

◇レモン フィズ(ドイツ)

   

   

 

◇ベティ ブープ(アメリカ)

   

   

 

◇春芳(日本)

   

   

 

◇ハーモニィ(ドイツ)

   

   

 

  ※ 大通公園「バラ園」の全景です。奥に見える建物は札幌資料館(旧札幌控訴院)です。

   


ポプラの綿毛台風(?)襲来!?   

2021-06-13 16:36:57 | 環境 & 自然 & 観察会

  恐れていたポプラの綿毛の襲来がついに始まった。今朝起きて窓の外を見ると、高いポプラの木から雪のように綿毛が舞い落ちていた。この光景は見る人にとっては “幻想的” と映るようだが、私たちにとっては迷惑な綿毛でしかないのだが…。

     

     ※ 道立近代美術館の庭に植わっているポプラの大木です。

 今朝、早起きした妻が「わー、綿毛が舞っている」というのを聞いたので、起きて窓の外を見てみると、ポプラの白い綿毛がまるで雪が静かに降るように舞い落ちていた。毎年恒例のことではあるが、いよいよこの季節が到来した。

 この綿毛は、道立近代美術館の前庭の角に高さ20mはゆうに超えるようなポプラの大木が屹立しているのだが、その木から綿毛が降り落ちてくるのだ。ポプラにはオスとメスの木があるらしいが、綿毛をつけるのはメスだけということだ。木が大木なだけに綿毛も大量に落ちてくる。その綿毛は羽毛のように軽く柔らかい。それが地上に落ち、風が吹くと舞い上がるので始末に悪い。また、草花が植わっているところではその草花にまとわりつくのでやっかいである。

   

   ※ 私たちが清掃活動をしている歩道はご覧のとおりです。

   

   ※ これからもっと酷くなるかもしれません。

   

   ※ 近代美術館の庭の緑の芝生も今はポプラの綿毛で真っ白になっています。

   

   

   ※ 綿毛を近撮するとご覧のように草に絡みついています。

 私たちのボランティアグループ「近美を愛するブリリアの会」ではポプラの木の真下にクサツゲで「ART文字」を描いているのだが、綿毛のために何度も苦い思いをしたので近年は「ART文字」を覆う不織布を購入してこの時期は綿毛から守っている。今年も去る6月6日にその作業を終えていたので、綿毛の被害を受けずに済んだのは幸いだった。

   

   ※ 私たちは毎年、綿毛が降る前に写真のようにART文字を覆います。

 実は拙ブログが2016年6月30日に投稿した「悩まされるポプラの綿毛」と題した投稿が、このところの日別のアクセスランキングで連日のように上位にランクインしていたので、「そろそろかな?」と思っていたところ、今朝本格的に降ってきたというわけである。(2016年の投稿記事はこちら⇒)

 ネット上では、「札幌の初夏の風物詩」とか「幻想的な光景」とかの言葉が躍っているが、地域に住む住民にとっては堪ったものじゃない。しかし、そこにポプラの木があるかぎり、また私たちがここに住み続けるかぎり、ポプラの綿毛と付き合わねばならないのだろう。だとすると、ここは「あゝ、またやってきた」と近代美術館の庭が綿毛で真っ白になる光景を初夏の一時、札幌の “珍百景” の一つとして眺めるのも一興なのかもしれない…。

   


二ホンスズランを見ました!

2021-06-01 17:52:35 | 環境 & 自然 & 観察会

 在来種の二ホンスズランが見ごろを迎えているという新聞記事に接し、手稲区の「富丘西公園」まで足を延ばし、白いベル型の小さな花をまとったスズランは雑草の中でけなげに花を咲かせていた。

 本日の北海道新聞紙上に「漂う甘い香り~在来スズラン手稲で見ごろ」と題した記事が掲載されていた。近くに所用があったので、そのついでに「富丘西公園」まで足を延ばしてみた。

 「富丘西公園」は初めて訪れた公園だったが、住宅地に挟まれてはいるものの面積約5万㎡の緑濃い公園で、小さいながら駐車場も完備していた。(11台駐車可能)

 駐車場のすぐ横に案内板があり、そこには富丘西公園がスズランの群生地であることが表示され、その群生地が駐車場のすぐ近くであることが表示されていた。

   

 天気も良く、新聞に掲載されたことからシニアの方や子どもを連れた若いお母さんの姿が目立った。

 スズランが生育している場所は、スズランの保護のためだと思われるが、木道が敷設されていた。「群生地」と聞いていたので、私はスズランがいたるところに咲き誇っていることを想像していた。しかし、実際には雑草が目立つ中に、ところどころにひっそりと小さな花が咲いている状態だった。

   

 調べてみると、私がイメージしていたのはドイツスズランのようだった。札幌市内でもよく目にするスズランはほとんどがドイツスズランで、二ホンスズランはいまでは「富丘西公園」内でしか生育していないということだった。新聞記事によると、二ホンスズランは宅地開発などによって徐々に姿を消しつつあるという。「富丘西公園」では、地域住民の方々によって保全活動が行われているということだが、「札幌の花」とも云われる二ホンスズランの保全に努めていただきたいと思う。

 ドイツスズランと比べると、花の大きさも一回り小さく、ひっそりと咲いている感じだった。その様子がいかにもけなげで、スズランをイメージする清楚な雰囲気を一層際立たせているようにも思えた。

   

   

   

   

 新聞記事によると、二ホンスズランは宅地開発などによって徐々に姿を消しつつあるそうだ。

なお、スズランには「君影草(きみかげそう)」とか、「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」といった可憐な別名もあるようだが、葉や根、花など全てに毒があることで知られている野草である。


スーパームーンを撮る

2021-05-27 16:30:26 | 環境 & 自然 & 観察会

 昨夜(26日)のスーパームーンを私のデジカメで撮ってみた。天体に対する興味などほとんどない私だが、メディアが姦しく伝えるのに踊らされてマンションのベランダから一枚撮ってみたという話である。

   

 「スーパームーン」とは、いろいろと解説されているが説明が詳しいほど一般人には分かりにくくなる。そこで私なりに解釈すると次のようになる。「月が満月または新月の時、月が地球の周りを周回する楕円軌道において、月が地球に最接近することで、地球から見た月の形が最大に見える状態を指す」と解釈してみたのだが、どうだろうか?

 なお、地球と月との関係では、最接近した時の地球と月の距離は約35万kmだそうだ。最も離れた場合は約40万kmだという。

 さらに昨夜はそのスーパームーンに皆既月食が重なるという実に24年ぶりの珍しい現象が見られるということで天文ファンには特別な日だったようだ。

 この二つが重なることで、皆既月食とはいっても月が完全に見えなくなるのではなく、太陽光が地球の大気の層を通るときに、青い光は散乱して赤い光だけが通って月に反射するために、月が赤銅色に見える現象だという。残念ながら、私のマンションからはその皆既月食による赤銅色の月の様子は観察することができなかった。

  私のところで月が見え始めたのは、午後8時過ぎ、皆既月食が解け始めて月の姿が徐々に見え始める時だった。それから時々観察していたのだが午後9時を過ぎたあたりで満月(スーパームーン)が現れた。

   

   

   

 ブログ開設以来、15年が経過しようとしているが、天文に関する投稿など初めてといっていい珍事である。

 


透明な(?)サンカヨウの花びらを激写!

2021-05-22 18:22:21 | 環境 & 自然 & 観察会

 たった一枚の写真を撮るために「盤渓市民の森」を1時間半にわたって彷徨った。結果、大満足とはいかなかったが、まあそれなりに満足できる一枚(下の写真)を撮ることができた。「盤渓市民の森の春」にこだわり続けてきた私だが、一応本日で打ち止めとしたい。

   

   ※ やや透明に変わったと思われるサンカヨウの花びらです。(下の他のサンカヨウと見比べてみてください)   

 昨日午後から降り続けた雨によって「あるいは!?」との期待をもって「盤渓市民の森」に入った。「あるいは!?」とは、一昨日目撃することができたサンカヨウの花びらが雨に濡れると “透明” になると聞いて、ぜひともその姿を目撃したいと思っていたのだ。

 「何と暇人な!」とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、リタイアした暇なオヤジの与太話として聴いてもらいたい。

 今日も午後からは雨予報で、湿った空気の中での森の散策となった。今日のねらいは「透明なサンカヨウの花びら」だけなので、他のことには目もくれず一目散にサンカヨウが咲いているところを目ざした。「盤渓市民の森」は何度もレポしているようにそれほど大きな森ではないが、それでもけっこうな山坂があり、空気が湿っていたこともあり背中に汗をかきながらの散策となった。

   

   ※ 森の中に大きな変化は見られませんでしたが、クルマバソウが本格的に花を付け始めたようです。

 市民の森の入口から歩き、登り続けること40分。市民の森最奥部のサンカヨウが咲いているところに到達した。一昨日は満開のように咲き誇っていたサンカヨウの花びらが、今日はもうかなりの花びらが散っていた。ということは、一昨日はジャストタイミングだったのか?花の命の短さを思い知らされた。

   

   ※ この写真は一昨日に撮ったサンカヨウの花びらです。   

   

   ※ それが今日はこのように散りかけていました。

 散り残った花びらを子細に観察したが、皆一昨日と同じ白い色を呈していた。「やはり、その時雨が降っていなければ見ることはできないのか…」と悄然となりかけていた時、一つの花びらの色がやや違っているのを確認した。完全な透明とは言い難いが、透明に近い色と云えるのではないか?

 大満足とはいかないが、それなりに透明に近い花びらを見ることができたのでヨシとすることにした。「盤渓市民の森の春」にこだわり続けてきた私だが、今春6度も森に通った。春は一応の打ち止めとして、夏になって思いついたらまた再訪してみたい。

   

   ※ ここの花は完全に散ってしまったようです。(茎だけが残っています)

   

   ※ 本来のサンカヨウの花びらです。

   

   ※ 雨に濡れながらも白い花びらを保っていたサンカヨウです。

   

   ※ こちらは最初に掲載したサンカヨウと同じものです。

   

   ※ こちらは微かに色が変わっていたサンカヨウです。

   

   ※ サンカヨウが咲く森の最奥部ではエンレイソウがまだ元気に花を付けていました。

  


盤渓市民の森の春 Ⅴ サンカヨウ ゲット!

2021-05-20 16:45:24 | 環境 & 自然 & 観察会

 サンカヨウだけを狙いホームゲレンデの「盤渓市民の森」に入った。結果、見事に狙いは的中した!群生するサンカヨウは満開の時を迎えていた。併せてシラネアオイの花も複数輪目にすることができた。

   

   

 前回の「盤渓市民の森」トレッキングから1週間が経った。そのときの様子から、そろそろ花時では?と睨んで「盤渓市民の森」に向かった。今の時期の森はほんとうに清々しい。萌黄色の若葉を通して陽光が森の中に届くさまは今しか見られぬ光景である。

 実は前回のトレッキングの時にレポしなかったが、散策路でヒグマの糞を発見していたことや、出没情報が出ていたことから、ポケットラジオのボリュームを上げて森に入った。

   

 ※ 一週間前に見たのと同じヒグマのものと思われる糞です。一週間経ち、乾いていました。

 森の中は時間の経過とともに少しずつ様相を変えていた。ただ、意外にニリンソウが花の時期を意外に長く保っているなぁ、という印象があった。(これには少々訳がありそうだ。後述する。)その他ではタチツボスミレが群生とまではいかないまでも、あちらこちらにと結構目立って咲いていた。エンレイソウやヒトリシズカは花の季節を終えようとしていた。

   

   

 それでは本日の印象に残った事柄をトピック風に…。

◇サンカヨウ

 私が知るかぎり、札幌でサンカヨウが見られるのは「盤渓市民の森」しか知らない。(サンカヨウが希少種であるかどうかは知らない)それも昨年初めて知った。それ以来、再びこの目で見てみたいと思ってきた。今年になって何度か「盤渓市民の森」を訪れていたが、時期尚早ということで空振りに終わっていた。

 「今日はどうだろうか?」と「盤渓市民の森」の奥深くに入っていった。クマに気を付けながら…。すると森の最奥部に群生するようにサンカヨウの花が咲いていた!白い10片の花びらの中に黄色い花粉が乗っかっている。実はこの白い花びらが雨に打たれると透明な花びらになるらしい。それをいつか見たいと思っているのだが…。

 タイトルで「サンカヨウ ゲット!」と書いたが、別に採集したわけではない。カメラに収めたという意味である。それではサンカヨウのオンパレードです。

   

   

   

   

   

   

   

   

◇シラネアオイ

 昨年はサンカヨウを見る前にシラネアオイを数輪目にすることができた。ところが今回は記憶にあった辺りでは一輪も見つけることができなかった。がっかりしていたのだが、サンカヨウを目撃した後になって1輪だけであるが目にすることができた。しかし、それ以外はまったく見ることができなかった。森の最奥部から、森の中心に戻って歩いたところ、散策路の横に8輪ほどのシラネアオイが咲いているのを目撃することができた。やや紫色が薄いかな?とも思われたが、複数輪のシラネアオイを目撃することができ、満足である。

   ※ 最初の2枚は市民の森の最奥部で見た僅か1輪だけのシラネアオイです。

    

   

   ※ 以下の2枚は、市民の森の中心部に来て8輪ほど見かけたシラネアオイです。   

   

   

◇サンリンソウ

 ニリンソウの花の時期がずいぶん長いなぁと思いながら歩いていた時、ふっと目をやると一本の茎から花が二輪ではなく、三輪出ているのに気付いた。よく見てみるとずいぶんその数が多い。中には四輪、五輪も花を付けているものもあった。「これはおかしい?」と思い、スマホで調べてみるとなんと「サンリンソウ」という種が存在することが判明した。花の形状や葉の形はほとんど変わらないのだが、サンリンソウの場合は茎葉のところに短い葉柄が付いているそうだ。よく見てみると確かに葉柄が付いていた。

   ※ 一つの茎に三輪の花が付いているサンリンソウです。

      

   

   ※ こちらは4輪です。   

   

   

   ※ こちらはなんと5輪です。

   

  ※ よ~く見てください。葉の上に小さな葉柄が付いています。これがサンリンソウです。

   

   ※ ニリンソウにはそれが付いておりません。   

   

   

   ※ ニリンソウか、サンリンソうか判然としませんが見事な白い回廊です。

 そうと分かって見てみると、サンリンソウが咲いているところはほとんど全てがサンリンソウのようだった。そこで先の疑問であるが、あるいはニリンソウとサンリンソウでは花の時期が若干違うのではないか?と思ったのだが、果たして真実はどうなのだろうか?

◇クルマバソウ

 クルマバソウもそろそろ花の時期となるようで、ところどころで小さな花を付けているのに出会った。しかし、花があまりにも小さく群生することによってようやくその存在が分かるくらいなのかもしれない。

   

   ※ まだ花は蕾といった状態です。

   

   ※ きれいに開花したクルマバソウの白い花を見つけることができました。

   

 以上、主だった山野草を見てきたが、この春「盤渓市民の森」には5度も通った。春の森の移り変わりを自分の目で確認することができ、それなりの満足感を味わっている。次は少し時間をおいて初夏の「盤渓市民の森」を見てみようか?