マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

子どもの「好ましくない行為」を前に流れる「効果音」に気づく、過去でも未来でもない今のその子に向き合うために

2017年03月04日 | 思慮あるしつけ(discipline)

子どもの「好ましくない行為」を前にすると、

様々な思いや感情が湧きあがります。

 

怒りやイライラ、不安や心配。

 

そして時にそうした思いは、過去へ未来へと、果てしなく広がっていきます。

「またしてる!この前もあの時も・・・」(過去)

「このままだとこれからも・・・、もし~になってしまったら・・・」(未来)

 

我が家も、5人毎日いろいろやらかしてくれますから、

日々、こうした、過去、未来へと旅立つ機会に溢れています。

 

 

昨日あげた次男の例でも、

ベストセラー「しつけ本」著者ダン・シーゲル氏がスッキリまとめる「この社会で生き生きと力を発揮できる『ひといちばい敏感な子』」を育む鍵

今では、「必ず、楽になりますよ」ときっぱり言えるわけですが、

 

渦中はもう、

「ああ、まただ!この前もああしてたしこうしてたし・・・」

と過去の出来事を芋ずる式に思い出し、

 

「ああこのままでこの子は一体どうなっちゃうんだろう、

もし外へ一歩も出られない人になってしまったら・・・」

と押し寄せる未来への不安や心配に呑み込まれていたものです。

 

 

 

 どんな「効果音」を聞いていますか?

こうした親の内面状態が、

『No Drama Discipline』に、

とても分かりやすく描かれています。

 

例えば、

森を通って海にたどりつく光景をスクリーンに観ているとします。

 

・穏やかでピースフルな音楽が背景に流れる場合。

← ああ、気持ちのいい散歩道、あら、海がみえてきた。きらきらしてるう、きれいだわあ。

 

一方、

・ホラー映画のような効果音や音楽が流れる場合。

← き、木の間から何か出てくる?、あ、う、海・・・、何あの光具合、いやだ、サ、サメでも出てくるのー!

 

同じ光景を観ていても、

背景の「効果音」によって、

光景のとらえ方が、全く違ってきます。

 

 

 

 

そこで、著者のシーゲル氏とブライソン氏は

自分が今、どんな「効果音」を聞いているのかに、気づきましょう、

と言います。

 

芋づる式に思い出す過去のうまくいかなかった出来事や

未来への不安や心配は、

「ホラー映画の効果音」のようなもの。

 

目の前の、「今の現実」をゆがませ、

現実的な解決策を考え行動することを妨げてしまいます。

 

 

 

テストで落第点を取った5年生の女の子の例 

例えば著書には、

5年生の娘ちゃんが、

テストで落第点を取ってきたケースがあげられています。

 

前の週に体調を崩し、

ちょうど授業を休んでしまい理解できていない箇所が、

テストでは問われたようです。

 

具体的な解決策としては、

休んでいた期間の学習内容を見直すこと。

先生に連絡をする必要もあるかもしれません。

 

ところが、中学生のお兄ちゃんが、

よく宿題を忘れ、数学の基本的な部分でつまづいている、

という「効果音」が流れ始めます。

 

この娘も、このまま兄のようになってしまう。

このままでは、高校の成績にも響くだろうし、

大学進学審査だってパスできないかもしれない、

果ては、就職も見つからず・・・、

 

過去へ未来へ、思いは果てしなく広がり、

結果、目の前の娘ちゃんに対して

「何て点をとってきたの!」と言い放ち、

他のアクティビティーを減らすなど、

全く解決にもならない「過度の反応」をしてしまいます。

 

 

 

今、目の前の「あるがままの子ども」に向き合う大切さ

“今、どんな「効果音」を聞いているのかに気づくこと。

目の前の出来事に当てはまらない過去の体験や未来への不安に基づいて

子供に向き合うのを止めましょうよ“

と著者はいいます。

 

本当に、そうですね。

 

この、目の前の子どもから離れ、過去へ未来へと果てしなく広がっていくというの、 

特に、考え感じ「過ぎる」傾向にあるHSP系の親にも、

よくありがちだと思いませんか?

 

過去の関連する出来事や未来への不安や恐れというのは、

現状を改善するためにとても役立つ材料でありサインです。

 

それでも、「過ぎない」よう、

自ら調整していきたいですよね。

それらは、活用するものであって、呑み込まれるものではないわけですから。

 

まずは、自分が「何を反芻し始めて」いるのか、

「効果音」に気づいていきたいです。

 

 

 

自らに合った「気持ちを切りかえる方法」を見出す

 

”「効果音」に気づいたら、気持ちを切りかえましょう。

それには、自分に合った気持ちの切りかえ方を見つけておくといいですよ、”

とシーゲル氏とブラインソン氏。

 

例えば、

深呼吸したり、

子供について愛することを3つ書き出したり、

気持ちを言葉にしてみる

など。

 

他にも散歩や運動やストレッチやマインドマップやマインドフルトレーニングやと、

あ、この「効果音」・・・、と気づいたら用いられるよう、

自分に合ったものをスタンバイしておきたいですね。

 

 

それではみなさん、楽しい週末をお過ごしください!


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
元気になりました! (ルイ)
2017-03-05 08:43:34
はじめてコメントします。
4歳の息子がいるワーキングマザーです。
息子は3歳の時に「暫定で小学三年生以上の言語能力がある」と専門家から言われ、保育園では浮いています。手も出てしまうし、言葉が強く年長のお兄さんをも泣かしてしまう。一部のお母さん方から総スカンを受け私も参っていました。たまたまこのサイトを知り毎日通勤時間に拝見していましたが、今日の記事で自分の霧が吹っ飛んだのでお礼を伝えたくコメントしました。
わたしはHSPだったのかもしれない。効果音。あーそーか、といった気分です。
これからも楽しみにしています。
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ルイさんへ、コメントありがとうございます! (マイコー)
2017-03-08 02:36:00
ルイさん、はじめまして!

言語能力がこれほど高いと、やはり周りとのやり取りにも難しい面が出てくるでしょうね。子どもの間だけでなく、お母さん方との関係にも影響が出、それはルイさんも参りますよね。

そうした状況で、目の前の息子君の一挙一動に、これまでの上手くいかなかったことが芋づる式に想起され、「このままでは!」といったこれからへの心配も浮かび、「効果音」ががんがんと激しくなるのもとても自然なことだと思います。

私自身、「気づく」ことで、随分と変わってきたと実感しています。目の前の行為に、より「現実的な解決策」も見えるようになってきます。

息子君が、ギフトを育み、将来存分に発揮できますように!
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