HSPやHSCといったコンセプトを提唱した心理学者エレイン・アーロン氏は、
「喜び溢れるハイリーセンシティブチャイルド(joyous HSC)」を育てるための「鍵」として、
「以下の4つ」をあげています:
1.自己肯定感を高める
2.恥の意識を減らす
3.思慮のあるしつけ(discipline)
4. 敏感さについてどう話し合うかを知る
(『The Highly Sensitive Child』by Elaine Aron P. 113-149より)
それで、一昨日もこちらの記事
(兄弟姉妹間、親子間、そして自分に対しても気をつけたい「人格批判」→「恥の意識」→「改善困難」)
で言及した、「2」の「恥の意識を減らす」についてもう少し。
恥の意識について、
以前こちらにまとめましたが:
ハイリーセンシティブチャイルドが「恥」の感情にがんじがらめにならないためにできる6つのこと
ハイリーセンシティブチャイルドに対して避けたい「~したら恥ずかしいでしょ!」
「敏感な子」は、
自らの足りなさも極端までに感じ取りますから、
まさしくアーロン氏の言うように、
周りが「人格批判」や「~したら恥ずかしいでしょ!」といった
「恥を修正のメソッドとして用いるのは、
画びょうを大きなハンマーで打ち付けるようなもの」なんですよね。
そして、周りがこうして気をつけていくこともですが、
「敏感な子」や「完璧主義な子」が
「自分が自分に対して」どう向き合っているか、も大きな課題だと感じています。
「敏感な子」や「完璧主義な子」って、
以下のような「認知のゆがみ」を持ちやすいと思いませんか?
ひとつの行為の間違い → 自分はダメダメ最低
少しのミス → 一巻の終わり
周りが「行為批判」したとしても、
その場の雰囲気や相手の仕草や表情などの微妙なニュアンスから、
自ら「人格批判」に変換してしまったりする。
あらゆることを強烈に感じるからこそ、
極端にも傾きやすいんでしょうね。
ということで、
ある程度大きくなったら、
本人に、これらの「認知のゆがみ」を気づかせていくことも
効果的だと感じています。
以前こちら、
「認知のゆがみ」に気づくことが心を軽くする、子供にも分かり易い言葉&図の紹介
で紹介した「ユガミン」たち:
(「悩みは、がまんするしかないのかな?」こころの健康副読本編集委員会 3ページ目より)
「敏感な子」や「完璧主義」な子の頭の中には、
この「ユガミン」たちが出没しやすい。
そこで、
「あ、ユガミン出てきてるよね、フィルタン?」
なんてことを言い合って、
自らの「考え方の癖」に気づき、調整していけるといいんですよね。
最後に、再び「喜び溢れるHSCを育てるための4つの鍵」について:
・「1」の「自己肯定感を高める」については、
私自身は、同時に「自己への思いやり」が大切だなと実感しています。
「自己肯定感」と「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」との比較研究紹介
「自己肯定感」は効果的、けれど高めようとする方法によっては弊害を生み出す
自己肯定感というと、
「自分はこんなにできる!自分っていい!」といったセルフイメージ。
「自己への思いやり(セルフコンパッション)」とは、
できない自分、欠けている自分、足りない自分を、包み込んでいく姿勢。
両方、培ってやりたいですね。
・「3」の「思慮あるしつけ」についてですが、
以前もちらりと紹介したこちらの本が、とてもおススメめです。
『子どもの脳を伸ばす「しつけ」 ~怒る前に何をするか--「考える子」が育つ親の行動パターン~』
この著書の根幹のメッセージは、
「まずはコネクト、そしてリディレクト(感情的な繋がりを築いてから、導く)」です。
そのための、具体的な方法がまとめてあり、米国でベストセラーになった著書です。
原本『No-Drama Discipline: The Whole-Brain Way to Calm the Chaos and Nurture Your Child's Developing Mind』
私自身、しっかり読んだのは最近なんですが、
これまで17年間を通して感覚的にこうかなとようやくたどりついたことが、
まさしく具体的に説明してある!とかなり同意&納得した本でした。
「ほとんどの親が、叫んだり、結果を思い知らせたり、罰を与えるといった方法でしつけをしてきたわけですが、
これだと、脳の発達という面からも、協力し合うという面からも、逆効果なんです。
しつけが必要な場面というのは、実は最も子供が感情的なつながりを必要としている時」
とはいえ、何をしても放任というわけではなく、
きちんと境界を設け、自ら感情や自分を導く術を身につけさせていく。
この著書の言葉を借りて、またまとめていきたいです。
(邦訳は目を通していないので、ニュアンス的に違うこともあると思いますが)
・「4」の「敏感さについてどう話し合うかを知る」については、
敏感さのポジティブ面について話していくこと。
「シャイ」や「内気」といったラベル貼りをしない。
あと、私自身は、HSPやHSCといった分類も、本人達の前ではあまり用いないようにしてます。
過去、長女が自己診断しましたが、実はその後はほとんど話してません。枠組みにはまりこんでしまわないように。
「敏感さは、確かにきつい部分もあるのだけれど、こんなにいい面もあるね」、今はそれで十分かな、そう感じてます。
・「敏感な子」が自らの特性とうまく付き合うために本人に伝えるストーリー
昨日は、長女と次女を海に囲まれた友人宅での2泊3日に降ろし、
今朝は長男をロボティック、その後レスリング。
三女と次男とガールスカウトクッキーを売り歩いたり、
図書館でのエンジニア・アクティビティーの予定です。
それではみなさん、今年もあと数日、楽しい年末を!