詩の現場

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秋風が吹く日

2015-10-15 | フリー Poem
生きることは寂しいことである
だから灯りをともそうとするのだけれど
誰かと歩こうとするのだけれど

生まれてくるときに
神さまの門を出た途端に
神さまと交わした約束
神さまのお出しになった宿題を
どうやら忘れてしまったのだと
気がついた

何を探しに行けばいいのか
何に出会ってくればいいのか
出題も答えもわからなくて

だから毎日夢中で歩いていくのだね
時々
誰かに声をかけたりしてね

風が吹くたびに
胸が痛くなるのはどうしてだろう
とても懐かしい匂いがしてきて
もう少しで
思い出せそうなのだけれど

やはり何も
思い出せなくて

早く早くと促すように
風は吹き
風は吹き
さらに
私たちは
寂しい気持ちになっていく

そんな時
神さまはきっと雲の上で
笑っていらっしゃる
ほら、そこにあるでしょ、と
見つけたいものが
目の前にあるよ、と

風の声に
誰かの戸口をノックして
聞いてみたくなるのだけれど

神さまの問題…
きっと私たちは
自分一人では到底解けない
答えの
片一方ずつを持っていて
もう一方の答えを持っている誰かを
呼びあっては
みんな
歩いているのだろうね

秋風が吹く日は
神さまが笑っている日



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