新聞をとり始めて3か月。
朝、とりに行くたびになんだか嬉しい。
母が亡くなってから、ひとりになって、新聞を読む暇が本当にないんだなと思った。
読まないうちに毎日届けられる。
朝刊、夕刊、土曜日は特別版。
それがどんどんたまる。
家へ帰るのが遅いので、食事をして、少しTVを観てぼんやりしているともう寝る時間。
朝はTV番組と漫画をチラ見してでかける。
そんな状態だったから、引っ越しを機に、新聞をとるのを止めた。
ニュースはネットのニュース配信とテレビで十分。
と思って、不自由なこともなく2年が過ぎた。
しかしある日、新聞のない生活は、なんだか文化的なことから、取り残されている気がした。
そこで朝刊だけとることにした。
今はネットで注文できる。
簡単にネットで必要事項を入力したら、近くの販売店からすぐ電話がきて、その日のうちに契約書を持ってきた。
たくさんの景品をもって。
私の暮らす地域は新聞激戦区だそうだ。
だから、友人は景品欲しさに、ころころと新聞を変えている。
本当にトイレットペーパーどっさり、洗剤どっさり、そのうえカタログギフトまで。
最初に新聞が来た日は、隅から隅までじっくり読んだ。
なんだか文化人になった気分だった。
でもそのうち日が経つにつれ、やはり時間がなくて読む暇がないことに気付いた。
それでも毎日新聞を広げる。
見出しだけでもニュースはわかる。
興味のあるのだけ、ゆっくりと読む。
今は漱石の「門」が100年ぶりに連載小説として載っている。
これが面白い。
言葉使い、文体、漢字等は今とずいぶん違うが、毎日必ず読んでいる。
また、気づいたのは1面広告が、興味を引くのだ。
広告と書いてあるが、なかなか面白い。
でもやはり全部は読み切れない。
土曜版はまとめて、連休の日に読んでいる。
それでもやはり、新聞のある生活はなんとなく、心が豊かになった気分になる。
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