ちょこっと本音

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七月大歌舞伎

2011年07月03日 | 観劇徒然草

昨日は大好きな福助さまを観に新橋演舞場へ。
劇場が近づくとこれから観る観客のざわざわと熱気が感じられるのだけど、昨日はちょっと違う。
劇場前はこんな感じになっていた。



インタビューをうける人や

カメラを引くと取材陣が陣取っている。

そうか、今日、海老蔵の復帰(東京)初日だった。
あの数分で売り切れたチケット。
なんで私がもっていたのか?
偶然だけど、頼んだ日が7月2日だったというだけ。
でもラッキー!

午前の部最初は義経千本桜・鳥居前。
静御前と義経の別れの場面。
義経は市川門之助、静御前は市川笑也、佐藤忠信(実は狐)を市川右近の澤瀉屋チーム。
澤瀉屋さんの芸はパキパキと歯切れがよい。

そしてお待ちかね、歌舞伎十八番・勧進帳。
この十八番とは七世團十郎が芸を選定するに決めた数字。
天保3年(1832年)に市村座で「助六」を演じた際に「市川海老蔵寿狂言十八番之内」と銘記したところから市川家の芸と公表されたそうだ。
その一つ勧進帳は義経が奥州へ向かう際にとおる安宅の関での、有名な弁慶と富樫左衛門の問答だ。
この富樫左衛門に海老蔵が扮し、弁慶を團十郎が演じた。
富樫左衛門が出てきたときに、「待ってました!」「成田屋!」と掛け声が飛ぶ。
私自身、海老蔵はそんなにひいきではないけれど、少しやせたのか、すーっとしてさすがに美しかった。

お待ちかね(私が)三番目は大佛次郎作「楊貴妃」。
歌舞伎には珍しく中国ものだ。
そのため化粧も衣装もいつもと違う。
まるで宝塚を見ているようだった。
物語は静かに暮らしていた天真(後の楊貴妃:福助様)が玄宗皇帝に見初められ宮中にあがり、寵愛をうけるが反乱がおき殺されるまで。
実は天真には想い人がいたのだ。
それは高力士(海老蔵)といい玄宗皇帝に使えるもの。しかし高力士は実は宦官だったのだ。
かなわぬ恋をあきらめた天真は、高力士を見下し、威厳をもって宮中へと輿入れをする。
その後、戦乱の世となる。
それは玄宗皇帝が楊貴妃を寵愛するがため、楊一族が権勢をふるったからだといい、楊貴妃を敵側に引き渡すように言われる。
楊貴妃は自分のために天下が傾いたことを誉に思うと敵側に自ら行こうとする。
が、高力士は玄宗皇帝自ら手をくだすのが情けだという。
玄宗皇帝は楊貴妃殺害を高力士に命じる。
高力士は彼女の命を自分の手で断つことができる悦びに浸る。
逃げる楊貴妃を捕まえ、抱きしめ、最後はかんざしを抜いて急所を刺し絶命させる。
その亡骸を、宦官だというだけで見下された復讐をとげ冷たい目で見つめるのだった。

というのがあらすじだが、最後の楊貴妃と高力士の愛撫とも思えるしぐさ。
本心では二人は愛し合っていたのではないか・・・というのが私の解釈。
それを身分、名誉が邪魔をしていたのだろう。
楊貴妃と高力士の絡み合いがなんとも悩ましく、逃げているのか追いかけているのか、微妙な型が美しい。

昨日はつかれたけれど、目の保養、心の安らぎになった一日だった。

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