くるくるしんぶんの279号(1985.9)より
ナナカマド
おいしげったナナカマドよ
おまえが芽を出したのはいつ?
おおきくきくなったのはいつ?
わたしは春に芽を出して
夏におおきくなりました
夜明けがきたら花咲かせ
おひさまのおかげで実がうれた
(ロシアのわらべうた)
ロシアでリャビーナとよばれるナナカマドは初夏枝先に小さな白い花の花序をつけ、
秋が近づくと緑だった実を赤く染めます。ロシアの田舎ではもちろん、街中の庭、
街路にごくふつうに見られます。
ロシアで一年間ご家族で暮らしたTさんがロシア人宅を訪問されたとき、団地の
すぐそばでナナカマドが実をつけていて、訪問先の女の方は「これでジャムをつくる」
といっていたそうです。種や皮の入った、口当たりのよいとはいえないジャムだそうです。
ロシアの人びとは自分で摘んできて、自分でつくったジャムが「最高!」らしいのです。
私たち日本人にくらべてまだまだ自然近くに暮らしているということでしょうか。
ジャムの作り方にはそれぞれの家のやり方があるのでしょうが、ここではロシア家事
百科にあったナナカマドのジャムの作り方を紹介します。
ナナカマドの実のジャムの作り方
苦味のなくなる最初のマロースのあと実を採る。
実はオーブンに入れ、低温で1~2時間加熱。
そのあと煮えたぎる湯に5分間入れる。
シロップをつくる。(1キロのナナカマドに対して)粉砂糖1.5キロ、水3カップを
合わせて、煮る。
ナナカマドの実をそのシロップに6~8時間浸してから、また煮る。
煮えたら火から下して、冷ます。
これを4~5回繰り返す。こうするとナナカマドの実に砂糖が浸み込む。
その後1、2時間おいておく。
別のなべにシロップを注ぎ出し、実を入れずに少し煮つめる。
実をびんに入れ、上から煮つめたシロップを流し込む。
これで出来上がりです。
ナナカマドの実はふつう苦いそうです。それで不幸な女のイメージで詩をよまれることも
あります。でもなかには甘いというか苦味の少ない実をつける木もあるのだそうです。
実の甘いナナカマドとしてもっとも有名なのが「ネヴェージノのナナカマド」です。
この実からつくられたリキュール「ネージンのナナカマド酒」は有名でしたが、
今でもあるかしら?
そういえば、ナナカマドはカレリアの叙事詩『カレヴァラ』でこううたわれています。
庭のナナカマドを心して大事に
守り育てるがいい
その木は神聖である
その枝も神聖
枝の葉も神聖
その実はさらに神聖である
札幌の同級生Sくんにこれを教えてあげたら、庭でじゃまになったから伐ろうと思っていたけれど
止めたとのこと。
ナナカマド
おいしげったナナカマドよ
おまえが芽を出したのはいつ?
おおきくきくなったのはいつ?
わたしは春に芽を出して
夏におおきくなりました
夜明けがきたら花咲かせ
おひさまのおかげで実がうれた
(ロシアのわらべうた)
ロシアでリャビーナとよばれるナナカマドは初夏枝先に小さな白い花の花序をつけ、
秋が近づくと緑だった実を赤く染めます。ロシアの田舎ではもちろん、街中の庭、
街路にごくふつうに見られます。
ロシアで一年間ご家族で暮らしたTさんがロシア人宅を訪問されたとき、団地の
すぐそばでナナカマドが実をつけていて、訪問先の女の方は「これでジャムをつくる」
といっていたそうです。種や皮の入った、口当たりのよいとはいえないジャムだそうです。
ロシアの人びとは自分で摘んできて、自分でつくったジャムが「最高!」らしいのです。
私たち日本人にくらべてまだまだ自然近くに暮らしているということでしょうか。
ジャムの作り方にはそれぞれの家のやり方があるのでしょうが、ここではロシア家事
百科にあったナナカマドのジャムの作り方を紹介します。
ナナカマドの実のジャムの作り方
苦味のなくなる最初のマロースのあと実を採る。
実はオーブンに入れ、低温で1~2時間加熱。
そのあと煮えたぎる湯に5分間入れる。
シロップをつくる。(1キロのナナカマドに対して)粉砂糖1.5キロ、水3カップを
合わせて、煮る。
ナナカマドの実をそのシロップに6~8時間浸してから、また煮る。
煮えたら火から下して、冷ます。
これを4~5回繰り返す。こうするとナナカマドの実に砂糖が浸み込む。
その後1、2時間おいておく。
別のなべにシロップを注ぎ出し、実を入れずに少し煮つめる。
実をびんに入れ、上から煮つめたシロップを流し込む。
これで出来上がりです。
ナナカマドの実はふつう苦いそうです。それで不幸な女のイメージで詩をよまれることも
あります。でもなかには甘いというか苦味の少ない実をつける木もあるのだそうです。
実の甘いナナカマドとしてもっとも有名なのが「ネヴェージノのナナカマド」です。
この実からつくられたリキュール「ネージンのナナカマド酒」は有名でしたが、
今でもあるかしら?
そういえば、ナナカマドはカレリアの叙事詩『カレヴァラ』でこううたわれています。
庭のナナカマドを心して大事に
守り育てるがいい
その木は神聖である
その枝も神聖
枝の葉も神聖
その実はさらに神聖である
札幌の同級生Sくんにこれを教えてあげたら、庭でじゃまになったから伐ろうと思っていたけれど
止めたとのこと。