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fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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Information

『そこに言葉も浮かんでいた』(新日本出版社)『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~5巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

『かあちゃんにきんメダル!』いどきえり作・おしのともこ絵(国土社)

2022年09月04日 | 本の紹介
          

 きれいなブルーの表紙、優しそうなお母さんと二人の男の子。
 ほのぼのとしたお話なのかな? と思って読み始めました。
 ぼくの家には、ジャガイモやにんじんがころがっている・・ん? 
 その理由がだんだん明かになっていきます。
 ネタバレになるので書きませんが、そうだったんだー。
 じんとなります。そしてやっぱり、ほのぼのとします。

 おしのともこさんは、みちのく童話賞スタッフとして、しょっちゅうオンラインミーティングでお会いしています。これまで雑誌の挿絵は描かれていましたが、単行本としてのお仕事は、初です。デビューといっていいのかな。
 たーっぷり、イラスト入ってます。
 優しい表情、苦悩のある表情、いいです。
 幼年童話の挿絵を書ける方、案外限られているように思います。これからどんどんご活躍されるでしょう! して下さい!

『箱の中のホワイトデイズ』三野誠子作・ao絵(国土社)

2022年09月02日 | 本の紹介


 パステルショートストーリー第3弾と第4弾が出ました。
 きょうは、第3弾・ミルキーホワイト『箱の中のホワイトデイズ』をご紹介します。*画像が小さくて、すみません。

 このシリーズは、一人の作家が色のテーマを決め、短編を編むというもの。
 三野誠子さんが選んだテーマは、ミルキーホワイト・箱でした。箱、いいです。好き!
 箱を開けるときって、わくわくしますよね。まさに、この本を開くときがそうでした。

「石けん箱」
「弁当箱」
「ゆめの箱」
「ティッシュボックス」
「サイコロハウス」
「抽選箱」
「ギフトボックス」

 ファンタジーあり、リアリズムあり、ちょっと変わったテイストの作品もあり、まさに箱の中は、いろいろ。
 私が、特に好きだったのは、「ティッシュボックス」と「ギフトボックス」でした。三野さんは、福島正実SF記念童話賞大賞をご受賞されデビューされた方。なので、リアリズム作品は、このたびが初お披露目です。そしてこの2作は、リアリズムです! ああ、ファンタジーの名手は、リアリズムが書ける! (逆にいうと、リアリズムが書けない人に、ファンタジーは書けない) 改めてそう思いました。
 短編なので内容は、書きません。ぜひぜひ、読んでください。ぐぐっと心をわしづかみにされますよ!
 
「サイコロハウス」も、おもしろかったなあ。他ではなかなか読めない雰囲気の作品です。

 堀米薫さんのオレンジ『夕ぐれどきの不思議』、私おおぎやなぎちかのイエローグリーン『友だちの木』と同じく、aoさんの絵があたたかです。
 明日は、第4弾、森川成美さんのバイオレット『キミョウな人(?)たち』をご紹介します。

『金曜日のヤマアラシ』蓼内明子作・絵(アリス館)

2022年09月01日 | 本の紹介
            

 蓼内明子さんは、数年前にデビューされた方。そのとき確か、長編の賞をダブルでご受賞されてのデビューだったと記憶しています。
 そして、今や安定した児童文学作家です。
 安心して読むことができる。これ、ほめてます。
 そして、単にいい話ではなく、胸のどこかがせつなくなるんです。うまいなあ。いいなあ。
 食べ物を作るシーンが、おいしそう! お料理が好きな方のようです。
 
 やはり作家は、好きなことがたくさんあるといいですね。

 ウタは、お母さんを亡くして、お父さんと二人暮らし。お母さんが亡くなったときのこと、クラスの3人組の中での自分の位置。
 内面にいろいろな葛藤を抱えています。
 そんなウタの隣の席に、転校生の男の子がきました。この子がヤマアラシ。
 魅力的です! 

 本当に、どんな人でも、ひとりひとりにドラマがある。その内面を描く、取り巻く関係を描く。基本だなあとも思いました。

『おはなし ごほん』大川久乃作・本田亮絵(あかね書房)

2022年08月27日 | 本の紹介
           

 かぜで学校を休んだとしくんは、部屋のすみから「ごほん ごほん」とせきが聞こえて驚きました。
 絵本が咳をしていたのです! 
 としくんに読まれなくなって、かぜをひいたというその本とのやりとりが始まります。

 この設定、いいなあ。
 本が、「ごほん」と咳をするというのも! 

 「にじいろスープ」という本なのですが、劇中劇ならぬ、本の中の本というのは、難しいです。
 有名なところでは『果てしない物語』がそうですよね。
 私も絵本テキストで挑戦したことがあるんですが、うまくいかず、お蔵入りになってます・・。

 絵童話という毎ページに絵があるスタイルの本。絵本を読んでもらうスタイルから、自分で読んでもらうようになった子にぴったりです

「こどものとも」年少版『どっさりおやさい』大川久乃文・山本久美子え(福音館書店)

2022年08月26日 | 本の紹介
           

 作者の大川久乃さんは、実際にお子さんといっしょに野菜を育てながら、絵本テキストや幼年童話を書いていらっしゃる方です。
 内容はシンプルですが、子どもの視点で野菜を見る目がしっかり定まっていて、あたたかい気持ちになる絵本です。こういうのは、想像するだけでは、できないんです。おそらく文を書くだけではなく、画家さんといっしょに畑に行ったり、経験をお話したりしているはずです。

 やさいごうという箱に、どんどん野菜を入れていく展開が楽しいです。
 先日は原画展を東京であったようですが、(私はばたばたして行けず)次は京都でもあるみたい。

 福音館書展の「こどものとも」は、何年もかけて、この1冊を作ります。
 私も待機中のものが一冊。お知らせできるのは、いつになるかな? 画家さんが、本描きに入っているのかどうか? ちょっとそれもわかってません。まあ、忘れた頃にご連絡があるのもまた、嬉しいものです。他の作品の種を蒔いて、育てるということをしなくては。そして、どっさりおやさいのように、どっさりではなくても、また絵本を作りたいです。

『図書館に行ってみよう』国土社

2022年08月12日 | 本の紹介
  

 拙著『俳句をつくろう』と『俳句ステップ!』が、『図書館に行ってみよう』という本の中で、ご紹介いただいています。
  
 図書館の利用の仕方、案外、十分知られてないかもしれません。
 図書館にない本でも、リクエストができること、ネットで予約ができること。とても便利です。
 

第1回みちのく童話賞受賞作品集『まほうの天ぷら』

2022年07月30日 | 本の紹介
         
 昨日、東北の作家の底力という言葉を出したついでに宣伝させてください。
 現在、第2回みちのく童話賞の選考を進め、かつ第3回の準備も始まっています。みちのく童話賞。第1回みちのく童話賞受賞作品集『まほうの天ぷら』、電子書籍で読むことができますし、紙の本としてのご購入もできます。
 こちらから 赤文字をクリックすると、通販サイトに飛びます。電子書籍とペーパーブックでは、価格が異なりますので、ご注意ください。こちらは、書店での取り扱いはございません。

 表紙の絵は、銅版画家おのかつこさんの作品です。
 通販サイトを見たら、嬉しい感想もついてました!
 400字詰め原稿用紙7枚の作品で、こんなに多彩な世界が描けるんだなと、勉強している方にとっては刺激、勉強になるし、書き手にとって原点に帰ることができる、そして子ども達が読むにはとても手軽で、すっと入っていける、そんな作品集です。
 ぜひ、お読みください。
 

『みちのく妖怪ツアー バーチャルツアー編』佐々木ひとみ・野泉マヤ・堀米薫作/東京モノノケ絵(新日本出版社)

2022年07月29日 | 本の紹介
       

『みちのく妖怪ツアー』シリーズ、なんと5作目です。
 昨年は、仙台文学館で企画展を催されるほどの人気シリーズ。最初はバスツアー、古民家ステイ、ワークショップ、オンラインゲーム・・もうないんじゃ? と思っていたら、こんどはバーチャルツアーです。なるほど~。
コロナで実際の旅がなかなか難しい今、逆にリアリティがあります。さすがです。
 しかも、読み始めて思いました。このツアー、いいじゃないですか。(いや、怖い部分はさておいてです)だって、最初の作品「天邪鬼」では、山形なんですが、いきなり雪山で樹氷。そして、こんどは夏の山寺。あの大変な石段を登らずに絶景が見られます。そしてお次はクラゲ水族館。ああ、ここ、行きたいと思っているところなんですよ。しかも、ケセランパサランがからんできます。もう、てんこ盛り。季節も関係なく。おきまりのおいしい物も出てきますよ。
 そして、シリーズを読んでる方なら、おわかりでしょうが、ラストは・・・。
 ひいいい。怖いです。

 シリーズ最初の頃は、座敷わらしやあれやこれや、知ってる妖怪が出てましたが、どんどん、お初の妖怪に会えるのも、嬉しい。本当に東北は、というか日本は妖怪の宝庫です。これは、怖いという気持ちは、畏怖、畏敬というものと繋がっているからだと思います。昔からこのような妖怪を自然の中に見いだしてきたわけです。岩手のオデドさま、他でもちょっと読んでみたいぞ。
 妖怪はまだまだいると思います。今度は、どんな驚きを見せてくれるでしょうか。

 佐々木ひとみさん、野泉マヤさん、堀米薫さんとは、みちのく童話賞関連で月に一度はバーチャルでお会いしています(ZOOM会議ね)。こんな作家さん達を生み出した東北の底力、これからも、期待してください。

『99%の小学生は気づいていない!? プログラミングの創造力』佐々木ひとみストーリー構成・執筆(Z-KAI)

2022年07月10日 | 本の紹介
            

 
 仙台在住で、地元に根ざした物語を書き続けている作家佐々木ひとみさんの新境地です。
 今の小学生は、パソコンを使えて当たり前。でも、人に与えられたものをただ、指示通りにやるのと、仕組みをわかってやるのでは雲泥の差。私も実はIT用語が出てくるたびに、頭の中にシャッターがガーーーと下りてきます。カタカナ用語といってしまっている時点でアウト! プログラミング!? ふむふむ。
 おにごっこを子どもが楽しみながら、プログラミングをわかっていくという流れ。なるほどです。
 
 人に何かを頼むときの頼み方。プログラミングを意識すると、わかりやすいかもしれません。相手にとってです。
 私達は一人で仕事をしているわけではありません。チームで仕事をしています。なので、曖昧ではなく、伝えるということが大事。小学生のときから、このような思考の仕方を学ぶと、人との会話がスムーズにいくのではと思いました。
 作家はかなり感覚的な思考をしますが、実はそれだけではだめなんですよね。
 気をつけているのは、
「小さなお地蔵様」 と書いたとき、「小さい」だけで、読者に伝わるかどうか? と考えるようにしていました。これって、案外プログラミング的な思考ではないでしょうか? 手のひらくらいの小ささなのか、本くらいの小ささなのか。でも本にも大きさはいろいろある。教科書くらいと言ったほうが伝わりやすい。ランドセルくらいと言えば、全国の子どもたち誰でも同じ大きさを想像できる、的な。
 今、求められている本は、何なのか。
 そんなことも考えました。

『すこしずつの親友』森埜こみち(講談社)

2022年07月02日 | 本の紹介
 最初このタイトルを見たとき、出会った二人が少しずつ距離を縮めていく話かなあと想像しました。
 違った!


 
 もうね。かなわないや、こりゃって思いました。この一言、書くのは勇気がいります。というのは、競争心があるんだと思われたくないから。でもねえ、こういうの自分が書けたらどんなによかったろう。でも無理。この感覚、わかる方はわかると思う。すごく好きな作品に出会うとそう思うんですよ。

 森埜こみちさんは、詩人です。
 そして、実ははなんと幼稚園のクラスメート。といっても、友だちだったわけではありません。存在、お互い知りませんでした。それが、それぞれ児童文学を書くようになり、そこで出会って、秋田だよねえから、遡り、話しているうちにまさかの幼稚園クラスメートという事実が発覚したのです。

 それで、今回思ったのは、
 私はこみちさんのことを、何も知らない! 
 この物語は、創作なはず。でも、こみちさんそのものなんじゃないかな! って思わせられるんですよ。
 
 物語は、伯母さんのところに行った少女と伯母さんとの会話で成り立っています。
 少女も伯母さんも、こみちさん! たぶん。
 伯母さんは、どうも自由人です。いろんなところに旅をし、出会いをしています。たぶん、こういう出会いは誰にだってあるはず。でも、その出会いの瞬間を捕まえることができるかどうか・・。できる人がこうして、言葉でそれを表現できるようにもなれるんです。たぶん、これを読んだ人は、自分がその瞬間を逃していたかもって思うんじゃないかな。あ、もちろん全員じゃあないです。ちゃんとつかんでいる方もいるでしょう。
 そして、こうして、その出会いの瞬間を捕まえることができたら、人生は豊かになるんだろう。
 ああ、これからでも遅くない。そう思わせてくれる本。
 この本との出会いもまたしかり。
 
 いま友人との関係に疲れている子どもに、人と合わせるのが苦手と感じている子どもに、どうかこの本が届きますように。

 だいたい、「森埜こみち」っていうペンネームからして、かなわんよ。

『はじめましてのダンネバード』工藤純子作・マコカワイ絵(くもん出版)

2022年06月24日 | 本の紹介
             

『リトル☆バレリーナ』のようなキラキラ世界を描く一方、学校が舞台の問題作を発表していらっしゃる工藤純子さんの新作です。
 二学期、主人公蒼太のクラスに転入してきたのは、エリサ・ビソカルマちゃんというネパールから来た女の子。エルサちゃんは、最初の挨拶のかたこと日本語で笑われてしまいます。それは悪意のある笑いではなかったのですが・・・。
 先生はタブレットの翻訳機能で、エリサちゃんとコミュニケーションをとります。でも、人と人とのコミュニケーションは、やはりそういうものではありません。エリサちゃんは、次第に学校に来なくなります。
 やがて、「弟子入り体験」といういわば「職場体験」の時期になり、蒼太と幼なじみのゆうりは、「モモ」というレストランに決まりました。そこは、なんとエリサちゃんのお父さんがやっているネパール料理のお店でした。

 今、この本に登場するエリサちゃんのような子、そして日本語をうまく話すことができない子を迎える、日本の子ども達というシチュエーション、多いのではないでしょうか。
 ダンネバードとは? それは、是非読んでみてください! 
 日本人同士でも、意思疎通って難しい。まして言葉が通じなければ・・なんて思いがちだけど、違う。それは相手をわかろうとする気持ちがあるかどうかなんですね。
 ネパール料理を食べてみたくなります。

 児童文学の主人公は子ども達なのに、学校を舞台に書くというのは、実は難しいんです。それを今もっともしっかりと取り組んでいるのが、工藤さんなのでは? と思います。
 たくさんの方に読んでもらいたい本です。
 

俳句講座③ 句を読む・出会う~句集『すみれそよぐ』神野紗希(朔出版)

2022年06月02日 | 本の紹介
           

 好きな俳人、神野紗希さんの第3句集です。
 純粋に俳句を「いいな」と思って読みたい気持ちになり、購入しました。よかったです!
 
 すみれそよぐ生後0日目の寝息

 お子さんを出産後30分で詠まれた句とのこと。
 結婚、妊娠、出産を通して、繊細な感覚で、でも俳句としてしっかり詠まれていらっしゃる。決して日記ではないけれど、おそらく一句一句にいろんな気持ちが凝縮され、とぎすまされているのだろうと感じました。私がこのくらいの時期に、これほど感覚をとぎすませていられたかどうか・・。

 俳句の上達(?)に必要なのは、ああ、この句いいなあ。こういう句を自分も作りたいなあと思う句に出会うこと。ところが、世の中ものすごい量の俳句が作られ、新聞に出ているし、句集は自主出版されてます。アトランダムに手にしても、感動(というのともちょっと違うか?)できないかも。俳句雑誌しかりです。有名な先生の句がたくさん載ってるけど・・・・。そう、てんてんてんてん、なのです。
 この句集は、お勧めです。
 句集は、ほぼ書店に配本はされませんから、ご注文するか、図書館にリクエストするか、アマゾンで購入するか、です。

『ハッピー・クローバー!』高田由紀子作・ゆうこ絵(あかね書房)

2022年05月13日 | 本の紹介
           

 高田由紀子さんの新刊です。
 
表紙には5人の子どもが描かれています。女の子は3人。真ん中にいるのが主人公のあおば。クローバーを手にしています。寝そべっている子は、風花ちゃん。横にいる実里のお姉ちゃんです。風花ちゃんが手にしているのは、四つ葉のクローバーです。
 タイトルにもあるとおり、このクローバーが物語を象徴しています。
 四つ葉のクローバーは見つかるとラッキーといわれていますが、それは逆にいうとふつうではないということ。
 風花ちゃんは、ダウン症という障がいを持っています。つまり、クローバーでいうと、四つ葉のような存在なのです。

 物語はあおば視点で、初めて出会うダウン症の子の様子、その家族のことを丁寧に描いています。そこにはあおばの心の変化、後ろにいる男の子たちの反応もしっかりとあり、目を背けていません。
 ノンフィクションではなく物語として、障がいを描くのは、勇気がいることです。ただ調べるだけでは、薄っぺらくなってしまいます。その子にしっかりと寄り添わなくては。高田さん、がんばってらっしゃるなあ。
 高田さんは、とてもわかりやすく、物語を書ける方。きっとたくさんの子に読まれる本になると思います。いえ、なってほしいです。

 

『夕ぐれ時のふしぎ』堀米薫作・ao絵

2022年04月29日 | 本の紹介
         

 パステルショートストーリーシリーズ、堀米薫さんのテーマカラーは、オレンジ。夕暮れの色です。
 夕ぐれ時に起こる不思議を、子ども達が体験します。
 河北新報のものがたり欄に連載していたとき、私は拝読していました。そのときは、大人が主人公のものもあったのですが、今回書籍化するにあたり、子どもが主人公のものだけに絞ってらっしゃいます。子ども達は不思議が大好き。この本を読むと、夕ぐれ時にきっと「気配」を感じるのでは? と思います。
 一番好きなのは、「たそがれ」です。桜の木の下に立っている男の子から、舞はある物を託されます。それは女の子の張り子人形でした。カズオというその幽霊が人形を渡したかった「あの子」とは・・。
 改めて読み返し、短い中に過不足なく、しかも情緒豊かに物語が収まっていて、さすがだと思いました。
 
「裏後光」は、この言葉を教えてくれました。ぜひ、読んでみてください。
 短い作品で公募に挑戦している方には、とても勉強になると思います。書き写してみるのも一つだと思いますよ(私だったら、やる)。
 
 

米田木綿句集『平江帯』(ひごたい)

2022年04月07日 | 本の紹介
            

 平江帯とは、この表紙にある紫の葱坊主のような植物なのだそうです。瑠璃玉薊に似た高山植物ですが、今はもうめったに見られないとのこと。
 木綿さんはこの花が見られる由布岳近くの温泉つきの家に住んでらっしゃいます。
 その木綿(ゆふ)さんの第二句集です。

 山の湯や平江帯に霧おりてきし  木綿

 万緑の今日の景色をしかと見よ   木綿

 まわりで次々と第二句集を出されています。
 生きている証です。
 私も生きている証として、作品を発表し続けたいです。