学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

学習機会の減少

2007-11-12 | 教育
学力低下が問題視され,
授業時間の増加などが検討されているようだが,
そのようなことでは解決しない
構造的な問題が発生している。

学校段階にもよるが,
子どもの主体性を尊重した活動や体験の重視,
知識よりも問題解決能力やコミュニケーション力,
さらに表現力重視,
指導よりも支援の流れの中で,
知識そのものの教授の重要性が
中心的課題にならなくなっている。

学校選択制の導入などにより,
子どもと保護者のニーズに答えることが要求され,
児童生徒に圧力をかけて有無を言わさず勉強させることが
できにくくなっている。

高校や大学の入試が多様化したことと,
少子化の影響で,
学力判定の基準が相対的に甘くなっている。
学力そのものを問わない入試形態も多く存在する。

にもかかわらず,
高校はかつて持っていたような教養主義的側面を失い,
受験科目に特化したような,その意味では合理的な
負担感の少ない授業科目選択を許している。

大学は,
少子化の影響と競争環境の激化によって,
学生のニーズにあわせて
入りやすく出やすい状態になっている。
また,学問そのものよりも,
資格取得やスキルアップなどの
実用的な側面が重視されてきている。

そして,各学校段階において,
絶対評価の普及により,
評価のインフレーションが起こっている。

というわけで,
よっぽど自立的に勉強を続ける強固な意志がある者以外にとっては,
結局,真剣に学習するように仕向けられる機会は,
全ての学校段階を通じて失われてきているのである。

という考えは的外れだろうか?






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2 Comments

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同感です (ほり)
2007-11-17 10:52:13
こんにちは。
全く、おっしゃるとおりだと思います。
二極化も、それ故と思います。
返信する
Unknown (madographos)
2007-11-18 18:39:12
>ほり様。コメントありがとうございます。カリキュラムの内容そのものの希薄化によって,さらに二極化は進行しているような気がします。
返信する

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