Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん女優列伝(98)岸本加世子

2019-02-09 00:10:00 | コラム
60年12月29日生まれ・58歳。
静岡出身。

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北野武の、自作における女優さん選びって独特だと思います。

菅野美穂を起用したとき「ふつうかよ!」とツッコんでしまったほど、ふだん? は独特です。

たとえば『キッズ・リターン』(96)でデビューして以降、何度も起用しつづけた大家由祐子。



彼女のことを悪くいうつもりはないですが、どのあたりが気に入ってレギュラー出演させていたのでしょうか?
(充分悪くいってますかね苦笑)

『ソナチネ』(93)のヒロイン・国舞亜矢もそうでしたし、『BROTHER』(2001)の冨樫真にいたっては、寺島進に「ブスなんだか美人なんだか分からねぇな」といわせているくらい「ふつうの美人」を使いません。

という前置きで岸本加世子(きしもと・かよこ)さんを取り上げるのは失礼ですかね、さすがに。


いや、少々キツめの顔つきではありますが、岸本さんは美人です。

ただやはり、正統派ではないという。

しかし(?)北野武は女優としての岸本さんをいたく気に入り、何度か自作にヒロインとして起用しています。

面白いよなぁ、、、と思います率直にいって。


ただ「ありがとう…ごめんね」の台詞を上手にいえる同世代の女優さんがほかに居るのかと問われると、すぐには返せないのですよね。



<経歴>

西城秀樹の大ファンで、コンサート中に異様に目立っていた岸本さんを、西城のマネージャーが気に入った・・・のが、芸能界入りのきっかけだったとか笑

77年、女優として・・・というより、まずはアイドルとしてデビュー。




映画俳優デビュー作は、79年の『夢一族 ザ・らいばる』。

テレビ演出で知られた久世光彦が初めて映画に挑戦した作品で、岸本さんがユニークなのは「RG風」にいうと・・・

♪ 有名人の「初監督作」に出演「しがち」 ♪ 

なところ。

島田紳助の『風、スローダウン』(91)、柄本明の『空がこんなに青いわけがない』(93)とかですね。


『悪霊島』(81)、『男はつらいよ 寅次郎紙風船』(81)、『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、『新サラリーマン専科』(97)。

北野作品以前にも映画出演はいくつかあったわけですが、正直パッとしませんでした。

このころの岸本さんって、CMタレント(富士フィルムやオリエントファイナンス)としてのイメージが強かったですもの。


98年、北野武の『HANA-BI』で主人公(たけし)の妻を好演。

最後の台詞のために、ほぼ無言の演技を通しました。

以降、『菊次郎の夏』(99)、『Dolls』(2002)、『TAKESHIS’』(2005)、『監督・ばんざい!』(2007)の計5作品の北野映画に出演。

ただ『HANA-BI』の妻を超すインパクトは残せませんでした。


その他の出演作に・・・

『秘密』(99)、『化粧師 KEWAISHI』(2001)、『昭和歌謡大全集』(2003)、『転がれ!たま子』(2006)、
『星守る犬』(2011)、『おかえり、はやぶさ』(2012)、『おしん』(2013)、『先生と迷い猫』(2015)など。

最新作は、去年末に公開された佳作『鈴木家の嘘』(2018)。


ほかのメディアでも充分に活躍されているひとですが、もっともっと映画の代表作が増えるといいですね。

ヤクザ3部作を撮り終えた北野武が、再び起用するかもしれません。


次回のにっぽん女優列伝は、北川景子さんから。

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明日のコラムは・・・

『都下の酔いどれ天使』
コメント (2)
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