Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

分かるものですか? えぇ、はっきり分かります。

2019-02-03 00:10:00 | コラム
初対面のひとが自分の経験談で、強い興味を抱いてくれることはふたつ。

ひとつが40kgちかい減量、
そしてもうひとつが、私服保安員つまり万引きGメンの話。

きょうは、ふたつめがテーマ。


いくつかのオドロキエピソードについて話したあと、ほぼ100%聞かれることがある。

「万引きとか盗撮って、一目で分かるもの? あぁコイツはやるなとか」
「えぇ分かります、はっきりと分かります」


それは、たとえばバッグの間口が開いているとか、キョロキョロまわりを見ているとか、そういうのとはちがう。

所属してすぐに受ける講習マニュアルにはそう記してあるけれど、そういう感じのひとは実際にやらない。

また、誰がどう見たって怪しい人物―逮捕されたばかりの茨城・神栖市の女子大生殺人事件の犯人とか―は、いちおうマークはするものの、こういうヤツも意外とやらなかったりする。

決まっていう「魔が差した」というのはイイワケに過ぎず、やるヤツは店内に入る前から「きょうは、やる」と意気込んでくるのが常であって、

つまり、独特の負のオーラをまとっている。

それでいて、平静を装う。

だから、ほかの「無害なひとびと」と差異が生じる。

緊張してるんだな、分かり易くいうと。

だってふつうショッピングで緊張しないでしょう、みんな。


その緊張感がはっきり出るのが、目。

だから持ち物や動きではなく、私服保安員は相手の目を観察する。

目で「やるか、やらないか」を判断し、「コイツだ」と思った人物を観察する。

そりゃ外れることもあるけれど、7割くらいで予想が的中しますよと。


嘘を見抜くときのポイントになるのも目だしね、目だけは真実を物語るということかもしれない。


「やっぱりセンスが問われる職業なのかな」
「どうなんでしょうね、経験を積めばそこそこカバーは出来ますけど、自分を教えてくれた先輩は入社してすぐにその能力を発揮して、連日のように複数を逮捕していたので・・・自分はセンスないと思いますけど、やっぱり少しは絡んでくるのかと」
「でも牧野さんも、そこそこ逮捕したんでしょ」
「自分の場合はアレです、不良とかのヤンチャじゃなくて、ひとりでコソコソ悪いことする地味なワルガキだったので、昔の自分のような雰囲気のヤツを探すだけっていう、ずるい方法を取っていたんです」
「ずるいって(笑う)」
「ともかく、センスとはちがうと思いますよ」


そんなわけなので。


これから悪いことしようとするひとへ。

「よし、目だな。これから目を気をつけよう」

じゃなく、悪いことなんかするものじゃないよ!!


以上、元ワルガキより。


※「目」というより、「瞳」と書いたほうが適切かな。
映画のなかの「瞳」で最も印象的だったのは、『フェイク』(97)のジョニー・デップ。

彼(潜入捜査官)の行為は正義にちがいないが、しかし瞳は絶望を表現していた。


「お前がイヌだとしたら、俺は笑いものだ」

そう発するアル・パチーノの枯れた演技も素晴らしかった。



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明日のコラムは・・・

『まっき~写真館@45歳』
コメント (3)
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