Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

つけまつける

2018-05-19 00:10:00 | コラム
いままで生きてきたなかで、

財布を2度、クレジットカード「のみ」を1度、ケータイを1度、どこかに置き忘れ、そのまま紛失させたことがある。

外出時の、大きな・大事な忘れ物は、この4度だけだと記憶する。

「だけ」といっていのかな、これでも多いかもしれないし、全国民で平均値を測定すれば、少ないほうなのかもしれない。


酔ったときなのか、、、といえば、じつはそうではなく、平時(?)でやらかすことのほうが多く、24時間のあいだで「ふっ、と(意識などが)抜けてしまう時間帯」って誰にも訪れるものだと思う、そのときに忘れたりしてしまうと。

焦るよねぇ、あぁ終わった・・・と絶望するよねぇ。


ラブホテルの清掃バイトをしていたころ、お客さんがチェックアウトしたらすぐに火の元と忘れ物を確認、後者を発見した場合は直ちにフロントに連絡する―というルールがあった。

間に合うからと、自らがお客さんが居る駐車場に走るのはNG、
なぜなら「プレイ」に使った玩具やストッキングを「ゴミ」として置いていった可能性があり、お客さんに恥をかかせてしまうから。


この仕事をして実感したのが、みんなけっこう財布やケータイを忘れるものだな、、、ということ。

気持ちよいことをしたから、「ふっ、と(意識などが)抜けてしまう時間帯」が訪れてしまったのだろうか。

ちがうもの抜いてんだろ! みたいな笑

そんなくだらん冗談なんかいいんじゃ、
基本、どんな落とし物でも連絡しなければならなくて。

1枚だけ残ったポケットティッシュとか、
よそのホテルに置いてあったであろうアメニティグッズとかもね。


ただ、フロントだって忙しい。

新人のうちはナンデモカンデモ連絡していたが、慣れてくると「これは、わざわざ取りにこないだろう」と思われるものは自己判断で処分するようになる。

「取りにこないだろう」という予想は、95%当たる。

100%じゃないところが問題で、もしお客さんが取りにきた場合は正直に「処分してしまいました」と報告し、そのあと支配人に怒られると。

怒られることが分かっていても、「95%に賭けて」ほとんどの作業員が処分してしまっているのが現状でしょう。


ある日、枕に「つけまつげ」が落ちていた。

要らないから置いていったのだろう、と勝手に判断した。

安いものだろうし。

で、ゴミ箱に捨てた。

その2時間後、「大切にしていたつけまつげを忘れてしまった」という女の子がやってきて、心底驚いた。

マジか!? と。
あんなものを!? と。
新しいの買えば済むんじゃね!? と。

フロントに「処分しちゃったんです」と報告すると、

「どうしても探してほしいらしいんです、ゴミ箱のなかということですか?」
「ゴミ箱に入れて、そのあと、燃えるゴミの大きなダストボックスのなかに、ほかのゴミと一緒に」
「…ごめん牧野さん、そのなかを漁れる?」
「自分はいいですけど、たぶん使用済みのコンドームとかと混ざってますよ」
「…う~ん」

フロントさんは、上記の会話を「かなりソフト化して」お客さんに説明、謝罪をして帰ってもらった。


さすがにザーメンまみれのつけまつげなんて、洗っても汚いものねぇ。

その後、当然のように支配人には怒られたが、支配人は怒りつつ、

「なにが大事かなんて、他人には分からないものだね」と驚いていたのであった―。




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『入場はアゲアゲだ。』
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする