Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

screenplay10選

2018-05-31 00:10:00 | コラム
「そこそこ映画を観る」という、20代前半の女子と知り合いになった。

「ここ数年でいちばんの脚本」と評価出来る『スリー・ビルボード』が公開直後だったということもあり、この作品を強く薦めると、

彼女は「ふつうに観ていて、脚本のすごさって気づくものなんでしょうか」と問うてきた。

(彼女にかぎらず)みんなが疑問に持つことのようで、同じような質問は何度も受けてきた。

「あなたは脚本の勉強をしてきたからそういう視点で捉えるけれど、ふつうのひとは…」ってやつだ。


そこで自分は、彼女に以下の10本を薦めた。

「ふつうに観ていても、脚本すげー! と思っちゃう映画10選」。


好き嫌いはあると思うが、映画好きの同志たち、すげー! と認めざるを得ない傑作群だよね?


※きょうのタイトル「screenplay」とは、英語で脚本のことを指す。


(1)『生きる』(52)



脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄

自分の能力を過信していなかった黒澤は、脚本を複数で手がけていた。

その結果、主人公が居ないという驚くべき後半が生まれたのでしょう。

(2)『太陽を盗んだ男』(79)

脚本:レナード・シュレイダー

発想の勝利。

ひとりで原爆作っちゃう男の話なんて、狂人でなければ考えつかないよ。

(3)『クライング・ゲーム』(92)

脚本:ニール・ジョーダン



巧みなストーリーテリングとは、こういう映画のことをいう。

(4)『切腹』(62)



脚本:橋本忍

誰も想像出来ない展開も素晴らしいが、時代劇に批評性というものを宿らせた野心を称えたい。

(5)『ロッキー』(76)

脚本:シルベスター・スタローン

頭の悪いキャラクターを演じることが多いスライ(失礼!)だが、じつはキレ者なんだよ。

キャラクターの描き分けかたは、教材級だと思う。

(6)『ユージュアル・サスペクツ』(95)

脚本:クリストファー・マッカリー



みんなオチのことしか言及しないけど、そうじゃないということは何遍もいっている。

(7)『天国と地獄』(63)

脚本:黒澤明、菊島隆三、久板栄二郎、小国英雄

全文を書き写してみた脚本は、後にも先にもこれ1本だけ。

(8)『狼たちの午後』(75)



脚本:フランク・ピアソン

室内劇の教科書のような作品。

(9)『スティング』(73)

脚本:デヴィッド・S・ウォード

騙された観客自身が、笑顔で「やられた!」と思ってしまうほど巧妙。

(10)『パルプ・フィクション』(94)

脚本:クエンティン・タランティーノ

基本的にQTの脚本は「演出がプラスされてこそ」だとは思うが、この映画にかぎっては「脚本オンリー」でも読み物として楽しめる完成度かと。

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明日のコラムは・・・

『いうほど降らない + 05月コラムの目次』
コメント (1)
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