Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(247)

2018-05-15 00:10:00 | コラム
すい「ぶん」→「ぶん」かつ(分割)

スクリーンという大きなキャンバスを「わざわざ分割させ」「複数の映像」を映し出す表現のことを、スプリットスクリーン(Split Screen)という。

なぜそんなことをするのかというと、理由の9割が「同時進行を表現する」ためであり、
まぁそれが理由のすべてといっていいのだけれども、もしべつの理由があるとすれば、それは「目に楽しいから」でしょう。

技術としてはそれほど難しいものではなく、20世紀に入った直後から野心的な映画監督が取り入れていた。
逆にいうと古臭い技術であり、目に楽しいといっても「目立ち過ぎる表現」であるからして、現代映画で多用するひとは「ひとりを除き」居ない。

そう、たったひとり、この技術が大好きで多用している映画監督が居る。
スプリットスクリーンが代名詞みたいになっているひと、それがブライアン・デ・パルマなのだった。


名人芸、とくとご覧あれ




デ・パルマはヒッチコッキアン(ヒッチコック信奉者)を公言しており、ヒッチコック映画の物語だけでなく、映像や編集テクニックを真似ることで知られる。

スプリットスクリーンもその例に漏れず、
あれ、ヒッチコックの映画でスプリットスクリーンなんかあったかな・・・? と思うひとが居るかもしれないが、

『裏窓』(54)のこのショットは、各窓を小さなスクリーンと見立てることが出来るので、変則的なスプリットスクリーンといっていいと思う。



やることがお洒落だなぁ!!


そのほか、スプリットスクリーンが出てくる映画で印象的なものをいくつか。

『グラン・プリ』(66)

F1グランプリを描く。
競技とスプリットスクリーンの相性は抜群、コマ送りや心臓の鼓動音などの効果も素晴らしい。




『キル・ビル Vol.1』(2003)

眠るユマ・サーマンと、ユマを殺害しようとするダリル・ハンナ。




『ヴァージン・スーサイズ』(99)

男の子と女の子たちの部屋を、つないでみせる。


※これはPVだが、現代的なスプリットスクリーンはこんな感じ




あすのしりとりは・・・

ぶんか「つ」→「つ」ばさ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(248)』
コメント (1)
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