Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(15)是枝裕和

2018-05-21 00:10:00 | コラム
~是枝裕和のキャリア10傑~

『万引き家族』パルムドール受賞記念ということで、急遽、是枝監督の10傑を展開。

コンスタントに良作を発表しつづける才人は、映画監督デビュー作でいきなりヴェネチア映画祭の「金のオゼッラ賞」を受賞、
しかし北野武と同様に、国内における評価は「後追い」っぽいところがあった。

カンヌにおいて「定まった評価を得た」2000年代後半以降にメディアがこぞって取り上げ、興行的にも結果を残すようになる。
尤もこの現象は、是枝監督の「観てもらわないことには始まらないから、興行面にも目を配った創り」を心がけるようになった「変化」も影響しているのでしょう。

ほぼハズレなし、というキャリアも素晴らしいけれど、もうひとつ、このひとには西川美和という弟子を育て上げたという功績もあって。


現在55歳、映画監督して絶頂期かもしれない。

受賞した今回の作品だけではなく、次回作も、その次も、そのまた次の作品も、ぜひ注目しましょう。


(1)『空気人形』(2009)

いわゆるラブドール(ダッチワイフ)をめぐる、男と女の物語。

味わい深い業田良家の原作漫画が、もっと味わい深くなってたいへん驚いた。

残念なのは、ヒロイン役をペ・ドゥナという韓国の女優さんが演じなければならなかったこと。

彼女は好演しているが、つまり、この役を演じることが出来る日本の女優さんが居なかったということなんだもの。



(2)『誰も知らない』(2004)

柳楽優弥がカンヌで主演男優賞を受賞。


主題歌、大好きなので。



(3)『海街diary』(2015)

人気若手女優を複数起用して、その話題だけに終わらせなかった映画って、じつは稀だと思う。

そして、映像美!!

(4)『ワンダフルライフ』(99)

初期に放った傑作。

死者たちの、想い出についての物語。

(5)『万引き家族』(2018)

すでに観ているが、まもなく公開されるので余計なことはいいません。



(6)『そして父になる』(2013)

長いことやっている福山くんを、初めて俳優さんと認識出来た。



(7)『DISTANCE』(2001)

カルト教団による無差別殺人事件を、加害者側の視点で見つめた異色作。

評価は二分したが、その野心は素晴らしいと思った。

(8)『幻の光』(95)

宮本輝の小説を映画化した、劇場デビュー作。

江角マキコの女優デビュー作でもあり、これ観ると、やっぱり引退はもったいないと思ってしまう。



(9)『奇跡』(2011)

両親の離婚により、離れ離れに暮らす兄弟の願いとは―。

そう、是枝監督が見つめつづけるのは、家族のありかたなんです。

(10)『歩いても 歩いても』(2008)

兄の命日に帰省した主人公を取り巻く環境をユーモアたっぷりに描きつつ、やがてしんみりさせる演出はさすが。

現時点における、阿部寛の最高作かもしれない。

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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(262)』
コメント (1)
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