Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

読めんものは読めんよ

2018-05-14 00:10:00 | コラム
映画の廉価版ビデオテープが発売され始めたのは、昭和が「もうすぐ終わる」ころ。

すでに映画好きだった自分は、お小遣いやらをそれに注ぎ込み、少しずつコレクションを増やしていった。

そのなかのひとつが、『誰が為に鐘は鳴る』(43)。

ゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマンが共演、「キスをするとき鼻はどうするの」の台詞で知られるが、個人的評価をいえば映画作品としては「まあまあ」で、ヘミングウェイによる原作小説のほうが圧倒的に質が高い。


「きょうね、これ買ってきたんだよ」

夕食時、家族にビデオパッケージを見せると父親はニヤリと笑い、

「なんて読む?」と聞いてきた。

ほんとうの読みかたを知らぬ自分は、大きな声で「だれがためにかねはなる」といった。

父親は「為」が読めるかどうか、テストしているのだろう・・・そう思ったわけ。

「たがためにかねはなる」と読むことを知ったとき、正直腹が立った。

日本語のヤツ、なんだバカヤロー! ってね。

それ反則じゃないんだべか、と。


こうした「あるある。」の代表格は未だ「月極駐車場」なのだろうが、つくづく日本語って難解だ。


若かったころは無知で誤魔化せるが、この歳になると・・・

自分で発したことばの読みがちがっていて、他者に指摘されるのは恥ずかしい。
逆に、間違いを指摘するのも「立場上」難しいときもあって。


以下、印象に残る「指摘した/された、あるいは、そういうのを見た・聞いた」エピソード。


(1)映画の同志と会話をしていたとき、「場末」を「じょうまつ」といった自分に対し、同志は自分のプライドを傷つけないよう、合いの手みたいな感じで「うん、ばすえ」と訂正してくれた。

(2)かーちゃんがテレビに映った「一期一会」を、声に出して「いっきいっかい」と読んだ。
すぐさま、とーちゃんが「いちごいちえだよ」と訂正、かーちゃんは恥かいたかもしれないが、それでこの四字熟語を正しく読めるようになった。

(3)有吉弘行が自身のラジオ番組で「造詣が深い」を「ぞうしがふかい」と発する。
誤りかたとしては「あるある。」で、おぉ有吉ちゃんでもこういうミスをすることがあるのか、、、と不思議に親近感を抱いた。

(4)仲の良かったバイト仲間が「御用達」を「ごようたつ」といっていて、一般的には「ごようたし」だが、「ごようたつ」でも間違いではなく、ツッコむほどではないなぁとスルーした。

「どっちも正解」、こういうケースがあるところが日本語をより難しくしているのだろうね。

(5)元SMAPの中居くんが「この度は」を「このどは」とそのまま読み、石橋貴明に「このたびは、だよ!」と激しくツッコまれる。

音読み・訓読みの話ではあるけれど、激しいツッコみが出来る関係性が、ちょいと羨ましく思ったのであった―。




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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(247)』
コメント (3)
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