Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(220)

2017-09-10 00:10:00 | コラム
てぃーんえい「じ」→「じ」いさん

きのうのつづきのように、世代の話。

20代のころは「はやく、じいさんと呼ばれるような年齢になりたい」と思っていたが、チューネンになった現在は「いまの感じが、ちょうどいいかな」と、やや弱気になっている笑

すでに体力的な衰えを感じていることが大きく、これ以上に弱っても困るなと。

食欲と性欲は20代と同じなんだけれどもね、酒と煙草が響いているのだろう、けっこうすぐ疲れる。


森鴎外の短編に『じいさんばあさん』というのがあり・・・

※青空文庫より

http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/43030_17421.html

鴎外の作品にしては柔らかいので、『舞姫』や『山椒大夫』に比べると読み易いと思う。


映画も小説もそうだが、人気が高い「じいさんキャラクター」というのは、たぶん可愛らしい感じがするタイプだろう。

癇癪持ちだとか、異様な佇まいのじいさんはもれなく嫌われる。

ドラマのなかでは、じつは過去にいろいろあって「そういう風になった」と描かれる場合が多いが、個人的な趣味をいうと、そんな背景は要らない。

ただただ怖い、近寄り難い、そんなキャラクターのほうが面白い。


以下、自分が印象に残っている「映画のなかのじいさん」10人。


(1)『生きものの記録』(55…トップ画像)

反核というメッセージを強く打ち出した、黒澤映画最大の異色作。

当時35歳の三船が、70歳のじいさんを力演。

(2)『ストレイト・ストーリー』(99)

トラクターを駆使した、映画史上最も「のんびりした」ロードムービー。



(3)『グラン・トリノ』(2008)

圧倒的、イーストウッド。




(4)『東京物語』(53)

たぶん、一般アンケートではダントツで笠智衆でしょう。



(5)『ゴッドファーザー』(72)

笠智衆のあとを追うのは、子どもをあやしているうちに死んだ、ドン・コルレオーネか。

(6)『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)

アニメーションの代表として。

切なくて、いとおしい。

(7)『ハリーとトント』(74)

じいさんと、ネコと、車。

映画通からの人気、高し。




(8)『砂の器』(74)

「おら、知らねー」・・・って、まさか和賀英良の父親が生きていたとは!!

(9)『ハスラー2』(86)

やっぱり、じいさんは「若いもんには負けん!」という意地がないと。



(10)『ライムライト』(52)

と同時に、老いと向き合い、自身に失望するじいさんというのも、リアリティがあって好きだ。


次回のしりとりは・・・
じい「さん」→「さん」きゅー。

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明日のコラムは・・・

『すべすべ、つるつる』
コメント (2)
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