Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

監督は、いつだって本気だ

2017-09-12 00:10:00 | コラム
WOWOWで放送中の『ツイン・ピークス』新シーズンが、どえらいことになっている。

「第8話」で革命的なことが起こる―ということだけは知っていたが、
そこから出来るかぎり情報をシャットアウト、頭のなかでいろいろ想像していたのに、さすがは鬼才リンチ、凡人が想像するトンデモ展開の、はるか先をいくエピソードを用意していた。

「真面目に観ていたのがバカバカしくなった」と観ることをやめるひとも居るそうだが、リンチはもちろんふざけているわけじゃあない。
自分が信じていることを映像化したに過ぎず、、、というか、リンチだけの話ではない、賛否両論が起こる作品すべてにいえることだろう、監督はいつだって本気なのだ。

まだWOWOWのみの先行放送であり、ほかのメディアで視聴可能になるまでは・・・というひとも多いだろうから、ネタバレ的なことは記さない。

ただひとつ、いえるのは、ケーブル/ネット配信とはいえ、米国ゴールデンタイムでこれほど実験的なドラマを創り、流してしまえるというところに、リンチの真の強みを見た気がして、ただただ感動を覚えるのであった。


そんなわけできょうは、「比較的」「ポピュラー」とされている作品のなかから、観るもののドギモを抜いた「トンデモ展開」が待つ映画の5傑を展開してみよう。

これは『ツイン・ピークス』とちがって時間が経過しているものだから、ネタバレあり、、、でいってみる。


(1)『バーディ』(84)

ベトナムで精神をやられた青年が、自分を「鳥」だと思い込む物語。

ラスト30秒前までは「ほぼ100%」のクオリティ、さすがはアラン・パーカー監督だ! と感心していたら、



屋上から飛び降りてしまう主人公は、べつに自死したわけでも、本気で飛ぼうとしたわけでもなく、単に「一段低い、向こうの屋根」に飛び移っただけ、、、だったのだ!!

(2)『アイズ ワイド シャット』(99)

犬も食わぬ夫婦間のアレヤコレヤに散々付き合わされた挙句、妻の「ファックしましょ」で幕を閉じる。

初見時は「ぽかーん」となったが、キューブリックの人間性が初めて「見えた」気がして、今となっては傑作だと思える。

(3)『3-4X10月』(90)

禁じ手とされる「夢オチ」みたいなものなのだけれども、北野武の才気が爆発しており、作品全体のトーンを考えると「それも、あり。」と思えてしまう。 




(4)『マグノリア』(99)

カエルの雨が降ってくる。



けれども冒頭から天候のクレジットを頻繁に表示させ、カエルの雨を見た少年に「これは、あり得る」といわせたり、トンデモというには親切に過ぎるかもしれないが。。。

(5)『バタリアン』(85)

わらわらと増殖していくゾンビに対処することが出来ず、爆弾で町そのものを破壊する。

恐ろしいが、それが最も適切な処置と思ってしまうのだった。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(27)石原真理』
コメント (1)
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