Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

「THE」をつけるか否か

2017-09-29 00:10:00 | コラム
「俺たちの名前は、俺たちのバンド名は…」
「…」

「コミットメンツ?」
「(頭に)ザ、がつく」
「スペルは?」
「THE」
「…」

映画『ザ・コミットメンツ』(91…トップ画像)より




…………………………………………

だいぶ年下のライター仲間がバンドを組んだというので、バンド名を聞いたら「頭にTHEをつける」のだそうだ。

「若いのに渋いねぇ。ぎりぎり、自分の世代までだよ、THEを格好いいという感覚。Facebookのザッカーバーグも、友人の助言を受け入れてTHEを取り除いたくらいだよ」

「そうなんですよ、でも自分らは、入れたかったんです」


そう、たしかに昔の格好いいバンドたちは、みんな頭にTHEがついた。

ビートルズも正確には、「The Beatles」。
ドアーズも「The Doors」だし、ストーンズだって「The Rolling Stones」なのだった。




日本のバンドも、それに倣うひとたちが多かったはずで。

甲本ヒロトなんか、まさにその世代だからこそ「THE BLUE HEARTS」「↑THE HIGH-LOWS↓」「ザ・クロマニヨンズ」といった具合に、自らのバンドに「THE」をつけているのだろう。


けれども。
そんな彼のバンド名の「THE、よりうしろ」を聞くと、現在の流行となっている「文章のような、長い」名前なのである。

敢えては記さないが、たとえば「The ゲスの極み乙女。」「THE SEKAI NO OWARI」みたいな感じ。


うん。

すっごくビミョー。

だから、それってどうよ?

とは、もちろん突っ込んだ。

それでも彼はめげない、「アップルだってああやって売れたからOKになっているけれど、よく考えたらヘンでしょう、なんだよリンゴって、、、みたいな」などと、どこかで聞いたようなことをいう。

まぁ、本人たちが満足しているのならそれでいいのだろう。


映画のタイトル同様、バンド名や曲名は「顔」になるから、それはそれは大事なものであるし、センスも問われる。

北野武の『3-4X10月』(90)を「どう読むかも分からない。客をバカにしている」と怒った識者も居たが、

自分なんかは、L⇔Rに驚いたクチだ。



センスはあるかもしれないが、「どう読むの~??」みたいな。


そういう意味でいうと。
音楽性の好き嫌いは置いておいたとして、真逆のことばをあわせたサイレントサイレンは素晴らしいと思う。

※ベースのあいにゃん(左)が好きです




話を戻して、彼との会話から。

「じゃあ牧野さんだったら、どんな名前をつけるんです?」

「映画のプロダクション名だったら、考えたことあるんだけどね。すべて映画からの引用だけど。グッドフェローズとか、ティティナとか。バンド名かぁ…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


これが、ぜんぜん浮かばない。

プレッシャーとかでは、たぶんない。

頭のなかに、ひとつも浮かんでこなかったんだもの。


「ねぇ、難しいでしょう」


難しいということは、よく分かっている。

そこいらへんのセンスは持ち合わせていない、、、ということも分かっている。


「つまり、自分のことを、よーーく理解しているってことだよ」

「なんですか、それは」


年下に呆れられ、面目ない43歳なのだった―。

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明日のコラムは・・・

『イカレポンチでいこうぜ』
コメント (3)
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