ぜんせき3月3日
“販社の実態”解明を 油外で赤字補填は「違反」
栃木 公取委にガソリン廉売で要望
全石連の河本副会長、加藤専務理事が同行する格好で、栃木石商の執行部は2月27日、公正取引委員会の菅久事務総局取引部長を訪問し、栃木県内で横行するガソリン廉売行為や系列内仕切り格差の問題について改善要望を行っでた。
同県内では、一昨年まではプライベートブランド(PB)の大手異業種・ジョイフル本田による廉売行為が問題視されていたが、ここにきて一部の系列SSが量販指向のため、PBSSより安い小売価格を打ち出すようになっており、市場の疲弊感が増している。
中でも一部元売販社が同系列・地元業者の仕入価格を下回るような水準で小売販売を行い、周辺SSが不当廉売で申告、公取委の“注意”が重なっているものの、その廉売が収束しないという
栃木石商吉澤副理事らは「不当廉売申告をしても注意ということは差別対価の疑いがあるのでは」と訴えたほか、同行した河本副会長も
「東日本大震災の経験から、災害時に頑張るのは地場SS。廉売でその地場SSがなくなってしまうと災害時のライフラインとして機能が果たせなくなる」と支援を改めて要請した。
これに対し菅久取引部長は「不当廉売は独禁法や関連のガイドラインにより考え方、執行方法が明らかになっており、
以下省略。
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真似のできない安値看板で集客され、客数(販売数量)を減少させ、苦しい経営に陥っている地場3者店にとって、差別対価とかインセンティブとか、どっちでも同じです。
油外で赤字補てんが違反か違反でないかもどっちでもいいです。
「水は低きに流れる」
近隣で10円もの安値看板を掲出されたら大多数の消費者はそちらに流れる。
実態調査でも出たようにセルフの販売数量はフルの3.4倍。
異業種PBや販社の安値に2者店が文句を言っているけど、
「自店の仕入れ値以下の安値で売る」ってそれ、
当商圏でいえば、2者店が3者店に対して行ってきたことです。
それもまだセルフがないときに。
でもその2者店も、1店は「赤字でこれ以上無理」と撤退しようとしたのを元売がCAセルフにし、別の2者店も「スタッフは女性だけで」など試行錯誤の末、今では運営者が代わっている。 (※どちらも当店の近隣店です)
だから「勝った」とか思わないけど、「負けた」とも思っていません。
でも中小特約店(2者店)が、元売CAセルフと広域大手にかわったことで、もう“将来”はないーと思いました。
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セルフより13円高く売っていた時、昔からの大事にしてきたお客さんから
「同じ値段にしろとは言わない。10円も安くしろとも言わない。気持ちだけ(2-3円)で良いから安くしてくれたら、今まで通りここに来るから」
そう言われても、その時の粗利は5円しかなかった。
(粗利が5円しかなくても窓ふきやゴミ捨てなどのサービスを行っていました。当時は、)
そして「業転」や「仕入れ値の格差」も新聞等で公にはなっていなかった。
だから「無理」としか答えられなかった。
大事なお客さんが去って行くのを見送るしかなかったし、それは業転や仕入れ値の格差が公になったからとて変わりません。
安値を好む人は安値店を選ぶ。
それを引き留めようだなんて、思い上がりだと思います。
それに皆が皆「低きに流れる」わけではなく、高値にもかかわらず、十分なサービスを提供できなくなっても尚、店を支えてくれるお客様は存在しています。
そうした顧客のお蔭で店を続けてこられたのです。
でもそれはやっぱり少数派で、セルフ主導の“市況”が続き、再投資不可能な低マージンでの経営がもう20年近く続いている。
だから、3月8日の岡山の「55年の歴史に幕」の記事のように、
お客さまにも恵まれているのに、子供さんもおられるのに、 店を畳むしかない。
施設の老朽化や店主の高齢化など、解決できない問題もあります。
こうちゃんにしても、80歳になっても90歳になってもーというわけにはいきません。
(※申し訳ないですが私は今でも「早く店を畳んでほしい」という気持ち“も”、持っています)
政府や全石連が「災害時の最後の砦」として地場のガソリンスタンドを残そうと思うのなら、
補助金よりも何よりも価格差をなくさなければいけないと思います。
「再投資してでも店を継ぎたい」と思えるような業界にしなければ、今のままでは災害時のライフラインは寸断され続けると思います。
SS廃止の底は見えない。