8月20日燃料油脂新聞より
創業家に不信募らせる販売店 出光経営陣の反論にエール
昔の感覚では存続難しい
クレジット手数料増大 利用率向上で経営悪化
どの販売業者も抱えている問題とみるが、「燃料油マージンが採販ベースと呼べないなかで一体どうやって経営しているのか」と疑問視
ガソリンスタンドがガソリンを買えない
マージン不足に苦慮 「採販から3円足りない」
各地に市況劣化原因となっているPB(プライベートブランド)SSは存在するが、徐々にではあるものの供給ルートに変化が出てきている。
今春から商社系の玉流通は若干引き締まってきた。
しかしこれをコントロールしている元売さえ「売りを引き締めているのに市況が持ち上がらない」というジレンマを持っている。
業転玉を仕入れ自分の城守る 系列内仕切り格差が疲弊の根源
◎・・「誰も助けてはくれないから自分の城は自分で守る」と話す地場SS店主。
「幹線道路沿いの同系列の元売販社セルフSSのガソリン実売価格がうちの仕入れ値を下回っている。
販売店だから仕切りは高くなるが、それにしても仕入れ値より安い売価は納得できない。
仕入先と交渉しても調整に応じてくれない。
SSを続けるために背に腹は代えられないため、安い業転玉を仕入れれば、サインポールを外すと担当者が飛んでくる。
それなら安くしてと言っても聞く耳は持ち合わせていない。
競合地区のセルフ間にリットル10円以上も売価が違えば給油客は安い店を選ぶ。
それでなくとも燃費の良いクルマが増え販売量が減少していれば、適正マージンを確保した売価設定が必要不可欠ななかで、確実に給油客は減る。
そのため50%業転玉を仕入れ、競争力ある売価を設定し、何とか経営を続けている」と、系列内仕切り格差で地場SS経営は限界だ、と指摘する。
◎・・「ガソリンはじめ燃料油の低マージンでの販売は、油外販売があってのこと。
低燃費車が増えたことで来店回数は減っている。
クルマの台数が変わらなくても来店台数が減れば油外販売のチャンスは少なくなる。
ただでさえカーディーラーの新車からのメンテナンス囲い込みが強力で、SSが入り込むすきなどない。
そのため確実にマージンを確保したいが、安値セルフがそれを阻む。
運営経費を考慮するとマージン13円は必要だが、適正マージン前提の売価では給油客が減少する」と、身を削りながら何とか経営を続けていると地場SS店主は話す。
◎・・県内SSの減少は平成27年度(27年4月~28年3月)114ヵ所で47都道府県で最多。
「系列内仕切り格差が地場SSを閉鎖に追い込んでいる。自分の城を守るには安い業転玉を仕入れざるを得ないが、系列にいるメリットもある。
サインポールを外させない駆け引きも不可欠」と、不公平な系列内仕切り格差に憤りを隠さない地場SS店主は多い。
***以下masumi
>「業転玉を仕入れて自分の城を守る」
今に始まったことではない。
もう20年近くも前から何も変わっていない。
>「限界」を感じつつ、「何とか」経営を続けている。
公取委の「系列でも業転OK」という見解が出された後でも、
今現在も、何も変わっていない。
いいえ、
むしろ公取委の見解は、それまで業転玉を仕入れることで何とか経営を続けてこられた地場SSを窮地に追い込むことになったのでは?
先日の記事によると、販売量の半分を業転から仕入れていた販売店に対しての元売の警告文に、“販売量の約3分の1までが業転玉の許容範囲の「目安」”と示されていたということだから。
今まで業転玉を50%以上とっていた販売店は、“30%まで減らさなければならなくなった”、ということだから。
・・・
私は、この業種はやはり他の小売業とは違うと思うのです。
電気や水道と同じようにライフランとしてのエネルギーだと考えるなら、次世代へ引き継げるものでなくてはいけないと思います。
それがいま、どうでしょうか。
複数の店舗を運営しているような業者は別として、1SSを個人で経営しているような業者は、
例え黒字で利益をあげていても、
「子供には継がせたくない」または「継ぎたくない」・・・
業転玉を仕入れても、その城を守れるのは「その代限り」ということになるのが大勢ではないのでしょうか。
結局、全量系列仕入れの店と同じ結末を迎えるだけ...。
遅いか早いか、時期の違いだけで...
***
18年程前、「赤信号皆で渡れば怖くない」と業転玉に手を出す系列販売店が増えていったあの頃から予想できました。
「業転業は一時凌ぎにしかならない」
「業転玉で地場零細店が救われるわけではない」
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セルフ解禁直後、当店の近隣の2者店(中堅)が「赤字でこれ以上は無理」と撤退しようとしました。
別の2者店(後発で近隣に出店の大手特約店)が、フルでありながら市況より10円も安い価格看板を掲出したことが原因だと思います。
(この頃、燃料商による業転玉の売り込みが活発でした。しょっちゅう営業の方が来られて自店の系列仕切りより10円も安い価格を提示してくれました。当店も社員やアルバイト数名を雇用していた当時が一番経営が苦しく、年に何百万も赤字という状態でしたが、業転玉を取ることはしませんでした)
しかし、撤退するはずだった近隣の2者店は元売の意向でCAセルフになりました。
月に100万だか120万の運営費を貰って人件費や水道光熱費などの経費を賄い、売り値は元売が決める(仕入れは発生しない)。
その2者店の店長(当時)さんが挨拶に来られてこう話されるのを聞いた時、
地場零細店が業転玉を全量仕入れたって勝てない。
流通も価格も思いのままに出来る相手に、勝てるわけがない。
そう確信しました。
>勝てるわけがない
なのですが、
全量系列仕入れでこうして店を続けていますし、
不死身の体ならずっと続けられそうなんですけどね(^▽^;
だとしても、
流通も価格も思いのままに出来る相手に、勝てるわけがない。
因みに、セルフがない時代に10円安い価格看板を掲げていた2者店も運営者交代しています。
うちの店、ホントにしぶとい。
業転玉の功罪
PS
「他店より7円安い」がキャッチコピーのガソリンスタンド(PB-SS)があります。
地場3者店の仕入れ値より常に10円前後(時には14-5円も)安い業転玉を仕入れているのですから7円安く売ることは容易いことです。
こういうPB-SSとなら業転玉で戦えるでしょう。
PB-SSは広域大手特約店や販社やCAセルフがある地域には出店しないのではないでしょうか。
※当市にはPB-SSはありません。
(JAは別格です)
もしも、当市にコストコが出店するとなっても、ダメージを受けるとすればセルフ。
とっくの昔にセルフ比率50%を超えている当市では、セルフとフルの棲み分けは既に完了しているから。
もし影響があったとしても知れている。
だから会費で、サービスとしてガソリンを提供するコストコに出店してほしいのです。