給油所が消える日
和歌山県高野町の富貴地区で8年前、農協勤めを辞め、前の経営者が高齢で廃業したGSを引き継いだ井上剛司さん(43)は毎日、お年寄りが暮らす家々を訪ねて灯油を補給してきた。
冷え切った玄関の土間に7個のポリ容器が並ぶ。一人暮らしで目の不自由な上岡一彦さん(73)は、手探りで居間から玄関にたどりつくと、ポンプを操り、容器の灯油をストーブのタンクに移し替える。雪に覆われる日でも、容器が空になる心配はない。いつでも灯油を補充してもらえるからだ。だが、そんな暮らしは間もなく終わる。
住民は今後、農機具のわずかな燃料を買うだけでも、車で橋本市まで1時間かけて往復しなければならない。外出さえ困難な上岡さんは「どうやって暮らしていけばいいんや」と不安を募らせる。
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井上剛司さんが農協勤めを辞めてGSを引き継いだのは、「GSが皆の暮らしを支えている」と思ったからだそうです。
けれども今回の改正消防法で閉鎖。
新たな職を探さなければならなくなりました。
リンク先で写真も一緒に見てください。スクロールして最後まで見てください。
(溜息)こんなことになってしまった。
こういう過疎地は、行政が動くべきだと思います。
★灯油難民はガソリンスタンド過疎地だけの問題ではありません。市内にガソリンスタンドがあっても、自分の家に配達してくれている店が廃業した場合、その家庭は灯油難民になってしまう可能性があるのです★
そうかと思えば、こんな事が。↓
偽装破産のガソリンスタンド、労組が職場占拠・自主営業
何で従業員に残業代も払わないようなこんな会社が黒字なのか!?(怒)
<2月6日 緑文字部分追記>
昨日晩御飯のときに、このニュースをこうちゃんに教えたら、
「それはだけど何となく一方的な報道のような気がする」って言ってました。
そして・・・
昨夜入浴中にmasumiさんは思い出してしまいました!
阪神淡路大震災で夜中にローリーを走らせて燃料を確保した話をこのブログでも書きましたが、
その時の、“手当て”をこうちゃんは支給してなかった(爆)
ずいぶん後になって、彼らの不満をmasumiさんは聞いたのでした。。。
こうちゃん曰く、
「あの時は油を切らしたらアカン、そればっかりで、他の事には何も頭が働かんかった」
当時、店のことに関心があれば、私が気が付いていれば、と悔やまれますが・・・
○○くんたち、・・・・ごめんね。
でも許してくれてたみたいで・・・ありがとうm(_ _)m
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今日の燃料油脂新聞に「灯油軽油は仕入れの工夫 求められる“したたかさ”」という記事。
揮発油であるガソリンはあえて系列100%仕入れにするが、元売や特約店がうるさく言わない灯油軽油は業転で粗利を回復させる系列販売店が増えているらしい。
・・・・真面目な業者が消える。 (2012年01月11日)
2月5日 燃料油脂新聞より
国、政府に「やめさせられた」 (masumiさんはここに元売も追加したいと思います)
「半世紀以上も続けてきた商いを廃業、やめなくてはならないことを一言で言えるはずがない。ただただ悔しいという思いです」(廃業した六十歳代の店主)
静岡県内でも老朽化地下タンク規制の猶予期限を迎えて廃業した地場SS業者が少なくない。
SS業者側からすれば「40年以上の地下タンクが、すべて本当に危ないのか?漏洩事故を起こしてしまうのか?」というのが本音ではないか。
山間部で営業中の有力SS業者は「1月末までにうちの地区でも数ヶ所の廃業、閉鎖があった。一般マスコミも取材に来たがそんなに簡単にコメントができるわけがない。
数十年間も続けてきた商売をやめるのである。
もっといえばSS事業を“やめた”のではなく、国、政府によって“やめさせられた”のである。
別の支部長も、
「SS業者はガソリン税の実質的な徴収など、国、政府に対してさまざまな貢献をしている。
増税、タックスオンタックスなどSS業者への負担はこれからますます増してくるだろう。
国、政府はSS業者が置かれている環境を配慮すべきだと思う」と話した。
※リストラで早期退職を促されるサラリーマンは退職金の上乗せがあったりする。
取引先の倒産で売掛金の回収が出来なくても、その税金分まで負担してきた販売業者(GS)なんだけど・・・
使い捨てどころか、身包み剥がされての切捨て御免(==+
規制緩和とは真逆の格好で進むSS業界への規制強化によってSS業者の数はどのように推移していくのだろうか。
また消費者にどのようなデメリットが生じるのだろうか。
セルフSS化を進めてきた大手はコストに見合わないと言って配達業務をバッサリ切り捨ててきた。
そのコストに見合わない配達業務を地場フルサービスSS業者がこれまで担ってきた。
今まさに、その地場フルサービスSS業者が追い詰められているのだ。
※適正利益を確保しようとすると安値店との価格差が開きすぎるためマージンを圧縮して続けてきた。
体力(資金)がなくなった頃合を見図ったような“改正消防法”に悔し涙を流しながら廃業の決断をせざるを得ないのだ。
老朽化地下タンク規制による閉鎖はこれから毎年、出てくる。
電気防食や油面計設置は抜本的な対策ではない。
国、政府はSS業界についても重要なエネルギー政策として取り扱っていく必要がある」と強調した。
※このガソリンスタンド廃業危機はこの2月だけの問題ではない。
40年目50年目を迎える給油所はこれからも毎月ある。
40年目でとりあえず油面計を設置して営業を続けることにした給油所も、10年後にはFRPか電気防食工事が必要になる。
東南海地震が早いか、過疎地のライフラインの心配が払拭されるような次世代エネルギーが確立されるのが早いか・・・・
どちらにしても、「今」、灯油難民が出現していることに違いはない。
競争社会とは弱者切捨ての社会なのだ。
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初めてご訪問くださった方へ
このブログの現在一番の目的はガソリンスタンド(昔ながらの)が置かれている現状を知ってもらうことです。
ガソリンスタンドカテゴリーの記事を全て読んで頂きたいのですが、あまり一般の方が興味を引く話題でもありませんので、
規制緩和以降のガソリンスタンドが置かれた現状を予備ブログ「masumi_iのブログ」にアップしました。
是非ご一読下さい。