[8月19日20:45.廃ホテル“シークルーズ”B3Fコントロールセンター 敷島孝夫、アリス・シキシマ、キール・ブルー、エミリー]
「鍵を2つ同時に回すのか。どれどれ……」
敷島とアリスは説明書きの通り、メイン電源再起動スイッチを回した。
「どうだ?」
監視パネルを見たが、うんともすんとも言わない。
「は?何で?」
アリスは怪訝な顔をした。
キールがパネルを操作する。
「参事、博士、そもそも電気がこのホテルに送電されてません」
と、報告した。
「そりゃそうか」
敷島、妙に納得。ポンと手を叩く。
「廃業してるんだから、電気代払ってるわけないもんな。送電止まってて当然だ」
「ちょっと!エレベーターはどうするのよ!?」
「他に動かす手段は無いかな?」
敷島はセンター内にある資料を探し回った。
「今稼働してる非常予備電源で、エレベーターが動くように設定するしかないだろ。そもそも、どうして非常予備電源じゃエレベーターが動かないんだ?」
「非常予備電源ですからね、いつ燃料が切れるか分からないので、閉じ込め防止の為かもしれません」
「めんど臭いなぁ。俺が昔いた大日本電機の本社ビルなんか、エレベーター専用の非常予備電源があったんだぞ」
敷島が文句を言うと、キールは苦笑した。
「そう言われても、このホテルはそういう方式では無いようですからね」
「あの、皆さん」
そこへ、エミリーが話し掛けた。
「何だ?」
「非常予備電源は・1基だけでは・ないようです」
「何だって!?」
「最大・4基・あります。今現在・稼働しているのは・1基だけです」
「よーし!4基全部稼働させよう!ここでできるか?」
「ちょっと待っててね」
アリスがキーボードを叩く。
「……3基は稼働できるみたい」
「残り1基は?」
「故障してるみたいね」
「まあ、でも、3基稼働でエレベーター動かせんだろ?」
「……いや、4基全部稼働させないとエレベーターが動かないみたい」
「かーっ!めんど臭ぇホテルだな!で、非常予備電源はどこにある?」
「この、更に向こうの電気室みたい」
「よし。ちょっと行ってみよう」
[同日21:00.同ホテルB3F 電気室 敷島、アリス、キール、エミリー]
電気室は施錠されていたが、当然鍵はコントロールセンター内にあった。
それで中に入ると、確かに大きな機械が4基あった。
「故障しているのは、この4号機ね」
「直せるか?」
「調べてみる」
「頼む。キールはアリスの護衛をよろしく」
「かしこまりました」
「俺とエミリーは、他にエレベーターを動かす方法が無いか調べてみるよ」
「お願い」
敷島とエミリーは電気室を出ると、再びコントロールセンターに戻った。
[同日21:15.コントロールセンター 敷島&エミリー]
「別に、全部のエレベーターを動かす必要は無い。ピンポイントに、秘密の研究所に向かうエレベーターだけ動けばいいんだよ」
「イエス」
「他にヒントが無いか探してみよう」
「それには及びません」
「! 誰だ!?」
「怪しい者ではありません。私は横田……もとい、ケンショー・グリーンと申します。先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「ケンショーだ!?テロリストか!」
エミリーは右腕をマシンガンに変形させた。
「テロリストではありません。崇高かつ高潔な仏弟子であります。あなた方こそ、アッラーというインチキ神の名の元に世界の平和を脅かすイスラムの武装テロ組織ではありませんか?」
「俺達は無宗教だ!まあ、仏教にも昔、オウムという名のテロ集団がいたからなぁ!」
「あなた達、地下の研究施設に行かれるのですか?」
「! 知ってるのか!?」
「既に、イエローとレッドが向かっております」
「エレベーターを起動させないと行けないと思ったが……」
「その通りです。それにはまず防災センターで起動させた非常予備電源の他、このコントロールセンターで更に2基を起動させ、そしてもう1基を現地で起動させねばなりません。ええ、それはもう一閻浮提広宣流布の如く、険しい道のりです」
「よく分からんが、現地で起動させる方法は!?」
「クフフフフフフフ……。ケンショーの功徳であります。この再起動キーを優しく差してあげまして、そう、まるでそれは、あの不朽の名作、『発情期ブルマ検査』の如く、嗚呼……」
「いいから、それを寄越せ!」
敷島、グリーンに突進する。
が、グリーン、見た目と裏腹に敷島の攻撃を避け、軽やかにエミリーの横に立つ。
「!?」
「お嬢さん。今夜は月がきれいですね」
「外は豪雨だし!しかも地下だから外自体見えないし!」
勢い余って、スッ転んだ敷島、その状態からツッコミを入れた。
「しかし、そのような物騒なものを持ってはいけません。確かに昔、『セーラー服と機関銃』という名作がありましたが、あなたにセーラー服は似合いません。せっかくのモデル体型が台無しです。さあ、その物騒なものをしまって……」
ナデナデ……。(←喋りながらエミリーの深いスリットに手を差し入れ、太ももや尻を撫でる)
「嗚呼……素晴らしい。しかしながら、お尻のプロテクターが邪魔です。外してしまいましょうか。その下の、さぞかしセクシーなパンティも脱いでしまってください。何なら、私が外し、そして脱がして差し上げましょお」
「…………」
エミリーにはそのような感覚は無い。
が、グリーンの突拍子も無い行動に思考が停止し、半分フリーズし掛かってる。
「おーい、オッサン、オッサン!緑のオッサン!」
「何ですか?バブル景気の恩恵にすら預かれなかった、哀れな無気力・少子化、ロスジェネ世代の青二才さん?」
「悪かったな!団塊世代のオッサン!自分達だけ好景気楽しみやがって!……って、そんなことはどうだっていいんだ!ロボットにセクハラしてんじゃねーよ!」
「クフフフフフフ……。ケンショーに怨嫉すると、頭がおかしくなる典型ですね。このような美しい女性のどこがロボットだというのですか?大きな胸、大きなお尻の……」
「……エミリー。頭痛くなってきた。とっとと感電でもさせとけ」
「……はっ。イエス!」
フリーズし掛かっていたエミリーだったが、敷島の命令を受けて、我に返る。
すぐにグリーンの肩を掴み、
「せ、積極的ですね。最近のコは……」
左手から、高圧電流を放った。
「あばばばばばばばばば!」
グリーンは頭がパンチパーマになり、眼鏡をふっ飛ばしてその場に倒れた。
「どうやら本当に、イスラムの武装テロリストではないようだな」
「イエス」
「んん?するとこのホテルには、イスラムの武装テロリストの他に、この仏教テロリストもいるってことか???」
敷島がグリーンから鍵を分捕りながら考え込んだ。
と、そこへ、
{「タカオ、タカオ。聞こえる?」}
アリスから無線が飛んできた。
敷島は右耳に付けているインカムのボタンを押した。
「ああ、聞こえる。どうした?」
{「原因が分かったわ。どうやら故障じゃなくて、起動キーが必要なだけみたい。ただ、鍵の形状がシリンダー型みたいなの。さっきコントロールセンターで使った鍵とはまた別のヤツ。探してきてくれない?」}
「ああ、それならもう見つかったよ」
{「ほんと!?」}
「ああ。今、そっちへ向かう」
敷島とエミリーは、電気室へ向かった。
「大丈夫か、エミリー?さっきのセクハラ」
「特に・ダメージは・ありません」
「あー、そうかい」
そもそも、セクハラという概念自体が無い。
キールとは、時々ハグを交わすことはあるが。
「鍵を2つ同時に回すのか。どれどれ……」
敷島とアリスは説明書きの通り、メイン電源再起動スイッチを回した。
「どうだ?」
監視パネルを見たが、うんともすんとも言わない。
「は?何で?」
アリスは怪訝な顔をした。
キールがパネルを操作する。
「参事、博士、そもそも電気がこのホテルに送電されてません」
と、報告した。
「そりゃそうか」
敷島、妙に納得。ポンと手を叩く。
「廃業してるんだから、電気代払ってるわけないもんな。送電止まってて当然だ」
「ちょっと!エレベーターはどうするのよ!?」
「他に動かす手段は無いかな?」
敷島はセンター内にある資料を探し回った。
「今稼働してる非常予備電源で、エレベーターが動くように設定するしかないだろ。そもそも、どうして非常予備電源じゃエレベーターが動かないんだ?」
「非常予備電源ですからね、いつ燃料が切れるか分からないので、閉じ込め防止の為かもしれません」
「めんど臭いなぁ。俺が昔いた大日本電機の本社ビルなんか、エレベーター専用の非常予備電源があったんだぞ」
敷島が文句を言うと、キールは苦笑した。
「そう言われても、このホテルはそういう方式では無いようですからね」
「あの、皆さん」
そこへ、エミリーが話し掛けた。
「何だ?」
「非常予備電源は・1基だけでは・ないようです」
「何だって!?」
「最大・4基・あります。今現在・稼働しているのは・1基だけです」
「よーし!4基全部稼働させよう!ここでできるか?」
「ちょっと待っててね」
アリスがキーボードを叩く。
「……3基は稼働できるみたい」
「残り1基は?」
「故障してるみたいね」
「まあ、でも、3基稼働でエレベーター動かせんだろ?」
「……いや、4基全部稼働させないとエレベーターが動かないみたい」
「かーっ!めんど臭ぇホテルだな!で、非常予備電源はどこにある?」
「この、更に向こうの電気室みたい」
「よし。ちょっと行ってみよう」
[同日21:00.同ホテルB3F 電気室 敷島、アリス、キール、エミリー]
電気室は施錠されていたが、当然鍵はコントロールセンター内にあった。
それで中に入ると、確かに大きな機械が4基あった。
「故障しているのは、この4号機ね」
「直せるか?」
「調べてみる」
「頼む。キールはアリスの護衛をよろしく」
「かしこまりました」
「俺とエミリーは、他にエレベーターを動かす方法が無いか調べてみるよ」
「お願い」
敷島とエミリーは電気室を出ると、再びコントロールセンターに戻った。
[同日21:15.コントロールセンター 敷島&エミリー]
「別に、全部のエレベーターを動かす必要は無い。ピンポイントに、秘密の研究所に向かうエレベーターだけ動けばいいんだよ」
「イエス」
「他にヒントが無いか探してみよう」
「それには及びません」
「! 誰だ!?」
「怪しい者ではありません。私は横田……もとい、ケンショー・グリーンと申します。先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります」
「ケンショーだ!?テロリストか!」
エミリーは右腕をマシンガンに変形させた。
「テロリストではありません。崇高かつ高潔な仏弟子であります。あなた方こそ、アッラーというインチキ神の名の元に世界の平和を脅かすイスラムの武装テロ組織ではありませんか?」
「俺達は無宗教だ!まあ、仏教にも昔、オウムという名のテロ集団がいたからなぁ!」
「あなた達、地下の研究施設に行かれるのですか?」
「! 知ってるのか!?」
「既に、イエローとレッドが向かっております」
「エレベーターを起動させないと行けないと思ったが……」
「その通りです。それにはまず防災センターで起動させた非常予備電源の他、このコントロールセンターで更に2基を起動させ、そしてもう1基を現地で起動させねばなりません。ええ、それはもう一閻浮提広宣流布の如く、険しい道のりです」
「よく分からんが、現地で起動させる方法は!?」
「クフフフフフフフ……。ケンショーの功徳であります。この再起動キーを優しく差してあげまして、そう、まるでそれは、あの不朽の名作、『発情期ブルマ検査』の如く、嗚呼……」
「いいから、それを寄越せ!」
敷島、グリーンに突進する。
が、グリーン、見た目と裏腹に敷島の攻撃を避け、軽やかにエミリーの横に立つ。
「!?」
「お嬢さん。今夜は月がきれいですね」
「外は豪雨だし!しかも地下だから外自体見えないし!」
勢い余って、スッ転んだ敷島、その状態からツッコミを入れた。
「しかし、そのような物騒なものを持ってはいけません。確かに昔、『セーラー服と機関銃』という名作がありましたが、あなたにセーラー服は似合いません。せっかくのモデル体型が台無しです。さあ、その物騒なものをしまって……」
ナデナデ……。(←喋りながらエミリーの深いスリットに手を差し入れ、太ももや尻を撫でる)
「嗚呼……素晴らしい。しかしながら、お尻のプロテクターが邪魔です。外してしまいましょうか。その下の、さぞかしセクシーなパンティも脱いでしまってください。何なら、私が外し、そして脱がして差し上げましょお」
「…………」
エミリーにはそのような感覚は無い。
が、グリーンの突拍子も無い行動に思考が停止し、半分フリーズし掛かってる。
「おーい、オッサン、オッサン!緑のオッサン!」
「何ですか?バブル景気の恩恵にすら預かれなかった、哀れな無気力・少子化、ロスジェネ世代の青二才さん?」
「悪かったな!団塊世代のオッサン!自分達だけ好景気楽しみやがって!……って、そんなことはどうだっていいんだ!ロボットにセクハラしてんじゃねーよ!」
「クフフフフフフ……。ケンショーに怨嫉すると、頭がおかしくなる典型ですね。このような美しい女性のどこがロボットだというのですか?大きな胸、大きなお尻の……」
「……エミリー。頭痛くなってきた。とっとと感電でもさせとけ」
「……はっ。イエス!」
フリーズし掛かっていたエミリーだったが、敷島の命令を受けて、我に返る。
すぐにグリーンの肩を掴み、
「せ、積極的ですね。最近のコは……」
左手から、高圧電流を放った。
「あばばばばばばばばば!」
グリーンは頭がパンチパーマになり、眼鏡をふっ飛ばしてその場に倒れた。
「どうやら本当に、イスラムの武装テロリストではないようだな」
「イエス」
「んん?するとこのホテルには、イスラムの武装テロリストの他に、この仏教テロリストもいるってことか???」
敷島がグリーンから鍵を分捕りながら考え込んだ。
と、そこへ、
{「タカオ、タカオ。聞こえる?」}
アリスから無線が飛んできた。
敷島は右耳に付けているインカムのボタンを押した。
「ああ、聞こえる。どうした?」
{「原因が分かったわ。どうやら故障じゃなくて、起動キーが必要なだけみたい。ただ、鍵の形状がシリンダー型みたいなの。さっきコントロールセンターで使った鍵とはまた別のヤツ。探してきてくれない?」}
「ああ、それならもう見つかったよ」
{「ほんと!?」}
「ああ。今、そっちへ向かう」
敷島とエミリーは、電気室へ向かった。
「大丈夫か、エミリー?さっきのセクハラ」
「特に・ダメージは・ありません」
「あー、そうかい」
そもそも、セクハラという概念自体が無い。
キールとは、時々ハグを交わすことはあるが。