報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 「敷島エージェンシーの朝と昼」

2017-02-14 16:01:29 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月30日08:45.天候:晴 東京都江東区豊洲 敷島エージェンシー]

 敷島:「よっ、ミク。おはよう」
 初音ミク:「たかお社長、おはようございます。それと……エミリーさん!?」
 エミリー:「おはよう。そんなに・驚くことは・ない。シンディの・代わりに・来ただけ・だ」
 初音ミク:「シンディさん、どこか故障でも?」
 敷島:「アリスに付いて、北海道に行ってるよ。そういえば、首都圏とか西の方の仕事はあっても、北海道の方とかは仕事でも行かないな」
 MEIKO:「前に沖縄の方でロケの仕事があったのに、誰かさんのせいで無くなっちゃったもんね」
 エミリー:「後で・シンディに・伝えて・おく」
 MEIKO:「ウソよ、ウソ。本気にしちゃって、も〜!」
 敷島:「何がだよ」

 敷島は呆れながら社長室に向かった。
 社長室に入ろうとすると、

 鏡音リン:「山菱会会長、命もろたーっ!」

 サングラスを掛けた鏡音リンと、リーゼントのヅラを被った鏡音レンがオモチャのマシンガンを発砲してきた。
 もちろん弾は、ただの2B弾なのだが……。

 エミリー:「朝から・いい度胸・してるな?」

 弾は全弾エミリーが受け止めた。
 ギラリと両目を光らせて、ボカロ姉弟を睨みつける。

 レン:「あれ!?シンディじゃないよ!?」
 リン:「出たーっ!初代鬼軍曹!」

 慌てて逃げ出すリンとレン。

 エミリー:「待て。今日という・今日は・お尻ペンペン・だ」
 リン:「いやあーっ!」

[同日10:00.天候:曇 敷島エージェンシー]

 敷島は社長室で、リンがエミリーにお尻ペンペンされている動画を見ていた。
 因みに初音ミクはよくパンチラがあるが(白と緑の縞パンだったり、純白だったり)、リンはショートパンツということもあって、あまりそういう描写は無い。
 だが今回はエミリーに捕まって、ショートパンツを下ろされていた。
 黄色と白の縞パンであることが判明。
 レンは【お察しください】。

 敷島:「さすがにこれはお宝映像として、出すことはできないな」
 エミリー:「相変わらずですね。この姉弟は」

 エミリーは机の上にコーヒーを置いた。

 敷島:「アリスは今頃、飛行機の中か?」
 エミリー:「いえ、まだ羽田空港です。ただ、シンディは電源が落とされたので、トレスできなくなりました」
 敷島:「ま、いざとなったら、遠隔で電源を入れることが可能だからな」

 敷島はそう言って、コーヒーを口に運んだ。

 エミリー:「社長、本日は12時から田中企画の田中社長と商談が入っています」
 敷島:「ああ。番組制作会社の田中さんだな。いつも昼食を食べながらって人なんだ。本当にこの業界、変わった人間が多いよ」
 エミリー:「そうですね。敷島家の皆様方も、相当個性的であると伺っています」
 敷島:「はははっ、言ってくれるなー。まあ、確かにその通りだ」
 エミリー:「マルチタイプの新造を個人の財産で依頼し、しかも完成品を個人の財産にしてしまおうという発想は、敷島孝之亟最高顧問くらいのものではないかと」
 敷島:「だな。ま、老い先短い老害の道楽だ。DCJさんも商売だから、金さえもらえりゃいいんだよ。逆を言えば、その売上金を元手にアメリカ本体からの独立を正式に決めるかもしれない」
 エミリー:「なるほど」

 と、そこへ机の上の電話が鳴った。

 敷島:「はい、もしもし?」
 一海:「社長。都議会議員の勝又先生よりお電話ですが、お繋ぎしてよろしいですか?」
 敷島:「おー、勝っちゃんか。いいよ。繋いで」

 勝又議員は敷島の大学生時代の同級生である。
 若手議員として活動中。

 勝又:「やあ、敷島社長。先日のサーカス事件はどうも……」
 敷島:「おかげでマルチタイプの怖さと良さが世間に知れ渡っちゃったね」

 自爆テロを起こして多数の死傷者を出したのがルディというマルチタイプなら、敷島達の車をジェットエンジンで緊急避難させたのもまたシンディというマルチタイプだった。
 敷島や勝又は、使う人間の問題であって、マルチタイプ自体には何の問題も無いという主張を繰り返した。

 勝又:「今度、都事業の一環でマルチタイプを如何に活用するかのシンポジウムがあるんだけど、それにキミの所の秘書を借りれないかなぁ……と」
 敷島:「勝っちゃんの頼みなら嫌とは言えないな。幸い、もうすぐ2機体制になるから、どっちか貸してあげるよ」
 勝又:「2機体制!?」
 敷島:「姉のエミリーと妹のシンディ、どっちがいいか決めといて」
 勝又:「究極の選択だな。どっちも似たようなものなんだろう?」
 敷島:「東京決戦の際、日比谷公園をメチャクチャにしたのはシンディだけどね」
 勝又:「じゃ、エミリーさん貸して」
 敷島:「その前哨戦でブクロ(池袋)のビル1個ブッ壊したのはエミリーの方」(当作品未公表)
 勝又:「危ないな、おい!」
 敷島:「さあ、究極の選択だよ。選択肢次第で、勝っちゃんが次は国会議員になるか、はたまた議員自体を辞職するハメになるかが決まる」
 勝又:「あー、その……前向きに善処致します」
 敷島:「先延ばし決定ってことね。了解」

[同日12:00.天候:曇 江東区豊洲 某飲食店]

 田中:「ザギンでシースーもいいですが、ストヨでシースーもまた新鮮ですなぁ」
 敷島:「田中社長なら、どこでも新鮮ですよ。1つの才能です」
 田中:「はっはっはーっ。さすがは敷島社長、お上手ですね」
 敷島:(ザギンでシースーって、未だにそんなこと言うヤツいるのかよ。ってか、豊洲ってストヨっていうのかよ。初めて聞いたぞ)
 田中:「実はですね、今度フジテレビさんの方に持ち込む企画で、出演するアイドルに欠員が出ましたので、ここで敷島さんの所のボーカロイドなんか面白いんじゃないかなーなんて思いましてね」
 敷島:「フジテレビならお台場だから、ここから近いですね。で、どんな企画で?」
 田中:「これがまた他のプロダクションからは大好評でしてね。レインボーブリッジの下を泳いで渡るという企画なんですよ。いや〜、他のプロダクションからは是非うちのタレントを出させてくれって話が多くて、もう!だから敷島さん、こんなチャンス、2度と無いですよ?どうです?」
 敷島:「後で回収費用と修理費用が大変そうなのでご遠慮致します」

[同日13:00.天候:曇 敷島エージェンシー]

 敷島:「ったく!フザけた企画持ってきやがって!あれ絶対、どこのプロダクションも断ってるってオチだよ!」

 敷島は不機嫌な様子で帰社した。

 エミリー:「社長、お帰りなさいませ。アリス博士らが乗られた飛行機は、順調にフライトしているとの情報が入っております」
 敷島:「あ、そう。俺も行けば良かったな」
 エミリー:「それと井辺プロデューサーからで、来月のMEGAbyteのドームライブが決まったそうです」
 敷島:「おお、そうか!俺と違って、堅実な契約を持って来てくれるなぁ!MEGAbyteのメジャー化も近いぞ、こりゃ!」

 敷島は早速、井辺に労いの電話を入れることにした。

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