[8月13日15:00.東京都区内 敷島孝夫、MEIKO、KAITO、巡音ルカ]
「はい、行きまーす!」
ドラマ出演の3人のボーカロイドは写真スタジオに赴き、今回出演のドラマの写真撮影に挑んでいた。
MEIKOやKAITOはウェットスーツや防弾チョッキなどを着用した、エージェントの衣装だ。
ルカは2通りあって、クリーチャーロボに破壊される前の姿。そして、クリーチャーロボに破壊されて、自身もウィルス感染し、クリーチャー化(変化途上)した姿での撮影だった。
敷島はスタジオの後ろの方で見ているだけだったが、そこへ電話が掛かって来たので席を外した。
「もしもし?」
{「タカオ、あたし」}
「ああ、何だ?」
{「大変よ。午前中、本部で暴走したメイドロボット達、全員がウィルスに感染していたの!」}
「はあ?何で?」
{「感染経路はまだ調査中。だけど昔、じー様が秘密裡に開発した空気感染タイプだったらヤバいことになるわ」}
「空気感染するコンピューター・ウィルスなんて聞いたこと……って、あれか!確か、ルカがそれに感染して、歌唱機能を破壊されたことがある」
{「突拍子も無い研究だったから、誰も見向きもしなかったけどね」}
「それがどうして本部にばら撒かれたんだ?」
{「だから今、調査中だって言ってるでしょ。幸い、エミリーやキールには感染していないみたいだけど……」}
「お前は知らないのか?ルカが感染した時、まだウィリーは生きていて、お前も一緒に行動していたんだろう?」
{「本部のメイドロボのウィルスは、アタシも知ってるタイプだった。だから一応、“ワクチン”は作れる。エミリーとキールにはそれをインストールしたから、彼らは大丈夫だね。だから、ルカ達もインストールしておいた方がいいと思う」}
「それもそうだな。雑誌の撮影が終わったら夜のテレビ出演があるんだけど、その前に本部に行っておこう」
{「OK.それじゃ、本部で待ってるわ」}
[同日16:00.財団本部 敷島、アリス、MEIKO、KAITO、ルカ]
「メイドさん達が暴走を?」
「攻撃力の大して無い連中だから良かったものの、七海みたいに若干の戦闘力のあるヤツだったら大変だ」
「確かに……」
ピンポーン!
「外で待ち構えてるかもしれん」
敷島は身構えた。
「あのねぇ……」
ドアが開く。
「キールの話によると、ドアが開いた瞬間、いきなり襲われたそうだ!」
そう言いつつ、壁側に逃げる敷島。
「誰もいないわよ」
MEIKOが呆れて言った。
「いや、分からんぞ。今度は警備ロボットが襲ってくるかもしれん」
「ここにいるロボットは全員、ワクチンを使用したんですよね?」
「まあ、そうだけど。しかし、アリスが片手間で作れるワクチンとは……」
「裏を返して言えば、アリス博士が作れるウィルスでもあるということですよね?」
ルカが聞いた。
「まあ、そういうことになるなぁ……」
そう言いつつ、研究室に向かう。
「敷島さん。お疲れさまです」
研究室の入口には、エミリーが立っていた。
「ボカロの3人を連れて来た。アリスは中に?」
「イエス」
「じゃあ、失礼します」
KAITOが先に入った。
「メイドさん達はともかく、エミリーが感染したりしたら大変なことになりますね」
「南里所長の話では、考えつく限りのアンチ・ウィルスソフトをインストールしたという話だけどな」
だから今日これまでエミリーがウィルスに感染したことは、1度も無い。
「間違い無く、ウィリーの隠し遺産捜索にはエミリーが指名されると思うな」
「イエス。お任せ・ください」
エミリーは大きく頷いた。
[同日17:00.京王プラザホテル 敷島、アリス、十条]
「夕食にはちと早いが、まあおかげでレストランは空いておるじゃろう」
と、十条。
「はい」
「先遣隊の派遣も決まったことじゃしな」
「やはりエミリーが……」
「いや、エミリーではない」
「えっ?」
「キールと同様、マルチタイプをモチーフにしたアンドロイドがおっての。そいつを、どこかの研究者が出してくれるそうじゃ。エミリーは大将じゃぞ?大将をいきなり使うわけにはいかんよ」
「そんなもんですかね」
「人間のエージェントも行くみたいじゃが、何しろウィリーのことじゃからな、ちと心配じゃ。まあ、ダメならダメでそういう時にエミリーが行けばいいだけの話」
「まあ、そうですね」
「その時には、わしのキールも出そう」
「えっ?」
「モード変更で、まるで敵基地に潜入する特殊部隊員のような行動も可能じゃ」
「あの執事ロボットがねぇ……」
敷島は意外そうな顔をした。
「ところで、ボーロカイド達のウィルス・チェックはどうじゃ?」
「幸い、ウィルスには感染していなかった。だから空気感染というよりは、誰かが意図的に本部のメイドロボット達を感染させたのよ」
「誰かが、のう……」
「そんな裏切り者……というか、テロリストみたいなのがいるのかよ?」
「分からないね」
「……本部の充電コンセントを調べてみろ」
「えっ?」
「あやつら、充電時間が決まってるはずじゃ。ウィリーのヤツ、昔、『人間は絶対に食物を取らなくてはならない。だから食中毒の脅威からは逃れられん』と言っていた。『ロボットも今現在は電気で動く者が大多数である。その電気に何か仕掛けられんか?』と、わしに振っておったな」
「後で調べてるわ」
「お、俺も!」
果たして、メイドロボット達が使用している充電コンセントの中から、ウィルスが検知された。
誰が仕掛けたのかは不明である。
今度からは、充電する時にもいちいちウィルス・チェックをしなければならないことになってしまった。
更にマズいことに、数日後、先遣隊が現地に派遣されたわけだが、全員が消息を経ってしまったとのことである。
「はい、行きまーす!」
ドラマ出演の3人のボーカロイドは写真スタジオに赴き、今回出演のドラマの写真撮影に挑んでいた。
MEIKOやKAITOはウェットスーツや防弾チョッキなどを着用した、エージェントの衣装だ。
ルカは2通りあって、クリーチャーロボに破壊される前の姿。そして、クリーチャーロボに破壊されて、自身もウィルス感染し、クリーチャー化(変化途上)した姿での撮影だった。
敷島はスタジオの後ろの方で見ているだけだったが、そこへ電話が掛かって来たので席を外した。
「もしもし?」
{「タカオ、あたし」}
「ああ、何だ?」
{「大変よ。午前中、本部で暴走したメイドロボット達、全員がウィルスに感染していたの!」}
「はあ?何で?」
{「感染経路はまだ調査中。だけど昔、じー様が秘密裡に開発した空気感染タイプだったらヤバいことになるわ」}
「空気感染するコンピューター・ウィルスなんて聞いたこと……って、あれか!確か、ルカがそれに感染して、歌唱機能を破壊されたことがある」
{「突拍子も無い研究だったから、誰も見向きもしなかったけどね」}
「それがどうして本部にばら撒かれたんだ?」
{「だから今、調査中だって言ってるでしょ。幸い、エミリーやキールには感染していないみたいだけど……」}
「お前は知らないのか?ルカが感染した時、まだウィリーは生きていて、お前も一緒に行動していたんだろう?」
{「本部のメイドロボのウィルスは、アタシも知ってるタイプだった。だから一応、“ワクチン”は作れる。エミリーとキールにはそれをインストールしたから、彼らは大丈夫だね。だから、ルカ達もインストールしておいた方がいいと思う」}
「それもそうだな。雑誌の撮影が終わったら夜のテレビ出演があるんだけど、その前に本部に行っておこう」
{「OK.それじゃ、本部で待ってるわ」}
[同日16:00.財団本部 敷島、アリス、MEIKO、KAITO、ルカ]
「メイドさん達が暴走を?」
「攻撃力の大して無い連中だから良かったものの、七海みたいに若干の戦闘力のあるヤツだったら大変だ」
「確かに……」
ピンポーン!
「外で待ち構えてるかもしれん」
敷島は身構えた。
「あのねぇ……」
ドアが開く。
「キールの話によると、ドアが開いた瞬間、いきなり襲われたそうだ!」
そう言いつつ、壁側に逃げる敷島。
「誰もいないわよ」
MEIKOが呆れて言った。
「いや、分からんぞ。今度は警備ロボットが襲ってくるかもしれん」
「ここにいるロボットは全員、ワクチンを使用したんですよね?」
「まあ、そうだけど。しかし、アリスが片手間で作れるワクチンとは……」
「裏を返して言えば、アリス博士が作れるウィルスでもあるということですよね?」
ルカが聞いた。
「まあ、そういうことになるなぁ……」
そう言いつつ、研究室に向かう。
「敷島さん。お疲れさまです」
研究室の入口には、エミリーが立っていた。
「ボカロの3人を連れて来た。アリスは中に?」
「イエス」
「じゃあ、失礼します」
KAITOが先に入った。
「メイドさん達はともかく、エミリーが感染したりしたら大変なことになりますね」
「南里所長の話では、考えつく限りのアンチ・ウィルスソフトをインストールしたという話だけどな」
だから今日これまでエミリーがウィルスに感染したことは、1度も無い。
「間違い無く、ウィリーの隠し遺産捜索にはエミリーが指名されると思うな」
「イエス。お任せ・ください」
エミリーは大きく頷いた。
[同日17:00.京王プラザホテル 敷島、アリス、十条]
「夕食にはちと早いが、まあおかげでレストランは空いておるじゃろう」
と、十条。
「はい」
「先遣隊の派遣も決まったことじゃしな」
「やはりエミリーが……」
「いや、エミリーではない」
「えっ?」
「キールと同様、マルチタイプをモチーフにしたアンドロイドがおっての。そいつを、どこかの研究者が出してくれるそうじゃ。エミリーは大将じゃぞ?大将をいきなり使うわけにはいかんよ」
「そんなもんですかね」
「人間のエージェントも行くみたいじゃが、何しろウィリーのことじゃからな、ちと心配じゃ。まあ、ダメならダメでそういう時にエミリーが行けばいいだけの話」
「まあ、そうですね」
「その時には、わしのキールも出そう」
「えっ?」
「モード変更で、まるで敵基地に潜入する特殊部隊員のような行動も可能じゃ」
「あの執事ロボットがねぇ……」
敷島は意外そうな顔をした。
「ところで、ボーロカイド達のウィルス・チェックはどうじゃ?」
「幸い、ウィルスには感染していなかった。だから空気感染というよりは、誰かが意図的に本部のメイドロボット達を感染させたのよ」
「誰かが、のう……」
「そんな裏切り者……というか、テロリストみたいなのがいるのかよ?」
「分からないね」
「……本部の充電コンセントを調べてみろ」
「えっ?」
「あやつら、充電時間が決まってるはずじゃ。ウィリーのヤツ、昔、『人間は絶対に食物を取らなくてはならない。だから食中毒の脅威からは逃れられん』と言っていた。『ロボットも今現在は電気で動く者が大多数である。その電気に何か仕掛けられんか?』と、わしに振っておったな」
「後で調べてるわ」
「お、俺も!」
果たして、メイドロボット達が使用している充電コンセントの中から、ウィルスが検知された。
誰が仕掛けたのかは不明である。
今度からは、充電する時にもいちいちウィルス・チェックをしなければならないことになってしまった。
更にマズいことに、数日後、先遣隊が現地に派遣されたわけだが、全員が消息を経ってしまったとのことである。
東方とか艦↑これ↓などのかわいいイラストと白い粉とか七味に入っている炒ってないとある種とかが好きな人のツイッターです。見てください。