[4月2日23:30.天候:曇 東京都台東区某所 学校法人東京中央学園上野高校]
曇り空の湿っぽい空気が漂う中、イリーナ組は稲生の母校の裏門前に着いた。
稲生:「うわ……」
今の稲生には、しっかり学校の敷地内全体に妖気や霊気が充満しているのが見えた。
稲生:「せっかく魔界の穴、塞いだのになぁ……」
イリーナ:「もちろん、ユウタ君達の努力は努力として認めるよ。でも、所詮は素人が付け焼刃でやったこと。だから、自ずと限界がある。何しろ、グランドマスターの私でさえ、完全に塞ぐことはできないんだから」
稲生:「ええっ?」
マリア:「師匠。日本人のユウタには、ちゃんとした日本語で話してください。『穴は自分の自由意志で塞ぐことができ、自由意志で開けることができる』の間違いですよね?」
イリーナ:「ウソはついてないよ。完璧に閉じれないから、開けることができるんじゃない」
稲生:「本当なんですか?」
イリーナ:「でも、ここの魔界の穴を塞いだのは私じゃないからね。とにかく、行きましょう」
裏門は施錠されていたが、こんなもの魔道師の魔法を使えば簡単に開けることができる。
昔はこの裏門の横には電話ボックスがあり、それにまつわる怪談話もあった。
アンナは何故かこの話を知っていて、聞いた稲生を罠に掛ける準備をしていたことがあった。
稲生:「ううっ……!何か出そうだなぁ……」
イリーナ:「お化けの1つや2つは出てくるかもしれないね」
因みに裏門には電話ボックスの怪の他、魔法の飴玉を生徒に渡す魔女の話もあった。
しかし後者については、その正体はダンテ一門に属する魔道師であったことが判明している。
ひねくれた性格の男子生徒が1人1個のはずの飴玉を3個も強奪して行き、復讐の為にその男子生徒の家……部屋の中にまでやってきて、その男子生徒の両目の眼球を【お察しください】。
老魔女という話だったのだが、稲生達の前ではイリーナと同じく若作りの魔法で登場している。
さすがにムカついたということだった。
イリーナ:「どこ行くの、ユウタ君?こっちだよ」
稲生:「えっ、新校舎!?姿見は旧校舎のはずじゃ?」
イリーナ:「でも新校舎にも姿見はあるでしょう?」
稲生:「ええ、まあ……」
イリーナ:「今回の魔界の穴は、こっちの方だよ」
稲生:「そうなんですか」
新校舎の昇降口に辿り着く。
さすがに施錠されていて、機械警備も入っているはずなのだが、それも魔道師の魔法で何とかなった。
そして入ろうとすると、1人の魔女がホウキで舞い降りて来た。
エレーナ:「こんばんは」
稲生:「エレーナ!」
エレーナ:「凄い妖気だね。これじゃ、ヘタすりゃ魔界からモンスターがやってくるかも」
稲生:「マジか。カンベンしてほしいなぁ」
エレーナ:「まあ、下等で愚かなザコモンスター、魔道師の私らに掛かればチョロいチョロい」
マリア:「むしろ私達の姿を見て逃げ出すかもな」
稲生:「凄いんですね、僕達……」
エレーナ:「あ、稲生氏は今のところ人間扱いだから、あなただけ襲われるかもよ」
稲生:「ええーっ!?」
マリア:「エレーナ!……あ、私達と一緒に行動すれば心配無いから」
稲生:「は、はあ……」
イリーナ:「それより、あと1人来るはずなんだけどね、どうしたのかしら?」
エレーナ:「アンナですか?もう先に来てるんじゃないっスかねー」
イリーナ:「ま、別に一緒に行く約束してるわけでもないからね。さっさと行きましょうか」
魔道師達は新校舎の中に入った。
イリーナ:「ここからの案内役はユウタ君だよ。この学校にある姿見まで案内して頂戴」
稲生:「わ、分かりました」
エレーナ:「いつ、エンカウントしてもおかしくない状態だよ。稲生氏、前からいきなり襲ってくるかもしれないからねw」
稲生:「ええ〜……!」
マリア:「エレーナ、いい加減にしろ。ユウタ、心配無いから」
稲生:「はあ……」
稲生は懐中電灯の明かりを点けて進んだ。
稲生がローブの中に仕込んでいる道具の1つだ。
稲生:「姿見は3つあるんですが、どこから行きますか?」
イリーナ:「1番近い所から行こうか」
稲生:「分かりました」
1つはすぐにあった。
それは昇降口のすぐ脇。
イリーナ:「うん。早速、フラグ立てしてくれるじゃない」
イリーナはニヤッと笑った。
鏡の中のイリーナもニヤッと笑う。
鏡の中なのだから、当たり前だ。
イリーナ:「分かってるわね、稲生君?」
稲生:「は?何がです?」
懐中電灯を持つ稲生が目を丸くしてイリーナに聞いた。
鏡の中の稲生も同じ行動をする。
エレーナ:「なるほど。これは分かりやすい」
エレーナも気づいたようだ。
エレーナ:「イリーナ先生、もうネタばらししていいっスか?」
イリーナ:「どうぞ」
稲生:「一体、何が?」
エレーナ:「コラ、いい加減にしろ。バレてんぞ」
エレーナは持っていたホウキの柄の先で、鏡の中の稲生をトントンとつついた。
稲生:「あれ!?」
鏡の中の稲生が苦笑して頭をかきながら立ち去った。
そしてしばらくすると、また稲生が現れた。
イリーナ:「今のが本当の稲生君ね。さっきのは偽者よ」
稲生:「どういうことですか?」
エレーナ:「このまま気づかずに進んでたら、稲生氏だけこの鏡の中に閉じ込められて、さっきの偽者とすり替わってしまうってことさ」
稲生:「そんなことが……」
マリア:「この姿見に纏わる怖い話は無いのか?」
稲生:「いやあ……聞いたことないですね」
イリーナ:「多分今のヤツはここ数年の間に棲みついたヤツだろうね。ユウタ君が卒業してから棲みついたヤツだったとしたら、知らないのは当然よ」
稲生:「それはそうですね」
イリーナ:「よし。ここはもうOKよ。次の姿見はどこ?」
稲生:「は、はい。今度は2階です」
稲生達は近くの階段を上がった。
懐中電灯の明かりが稲生達の行く先を照らす。
マリア:「それにしても、アンナはどこに行ったんだ?」
エレーナ:「アナスタシア先生から急に呼び出しでも食らったか、或いは先に来てここで待っているか、それともドジ踏んで奴らに捕まったか……」
稲生:「奴らって?」
エレーナ:「さっきの鏡の奴みたいなの。今、何気にエンカウント率が高いからね」
稲生:「でも、さっきから会わないよ」
マリア:「私達にビビッているんだ。もし生身の人間が入ろうものなら、とっくに捕まって何かされてるさ」
稲生:「ひえー……」
曇り空の湿っぽい空気が漂う中、イリーナ組は稲生の母校の裏門前に着いた。
稲生:「うわ……」
今の稲生には、しっかり学校の敷地内全体に妖気や霊気が充満しているのが見えた。
稲生:「せっかく魔界の穴、塞いだのになぁ……」
イリーナ:「もちろん、ユウタ君達の努力は努力として認めるよ。でも、所詮は素人が付け焼刃でやったこと。だから、自ずと限界がある。何しろ、グランドマスターの私でさえ、完全に塞ぐことはできないんだから」
稲生:「ええっ?」
マリア:「師匠。日本人のユウタには、ちゃんとした日本語で話してください。『穴は自分の自由意志で塞ぐことができ、自由意志で開けることができる』の間違いですよね?」
イリーナ:「ウソはついてないよ。完璧に閉じれないから、開けることができるんじゃない」
稲生:「本当なんですか?」
イリーナ:「でも、ここの魔界の穴を塞いだのは私じゃないからね。とにかく、行きましょう」
裏門は施錠されていたが、こんなもの魔道師の魔法を使えば簡単に開けることができる。
昔はこの裏門の横には電話ボックスがあり、それにまつわる怪談話もあった。
アンナは何故かこの話を知っていて、聞いた稲生を罠に掛ける準備をしていたことがあった。
稲生:「ううっ……!何か出そうだなぁ……」
イリーナ:「お化けの1つや2つは出てくるかもしれないね」
因みに裏門には電話ボックスの怪の他、魔法の飴玉を生徒に渡す魔女の話もあった。
しかし後者については、その正体はダンテ一門に属する魔道師であったことが判明している。
ひねくれた性格の男子生徒が1人1個のはずの飴玉を3個も強奪して行き、復讐の為にその男子生徒の家……部屋の中にまでやってきて、その男子生徒の両目の眼球を【お察しください】。
老魔女という話だったのだが、稲生達の前ではイリーナと同じく若作りの魔法で登場している。
さすがにムカついたということだった。
イリーナ:「どこ行くの、ユウタ君?こっちだよ」
稲生:「えっ、新校舎!?姿見は旧校舎のはずじゃ?」
イリーナ:「でも新校舎にも姿見はあるでしょう?」
稲生:「ええ、まあ……」
イリーナ:「今回の魔界の穴は、こっちの方だよ」
稲生:「そうなんですか」
新校舎の昇降口に辿り着く。
さすがに施錠されていて、機械警備も入っているはずなのだが、それも魔道師の魔法で何とかなった。
そして入ろうとすると、1人の魔女がホウキで舞い降りて来た。
エレーナ:「こんばんは」
稲生:「エレーナ!」
エレーナ:「凄い妖気だね。これじゃ、ヘタすりゃ魔界からモンスターがやってくるかも」
稲生:「マジか。カンベンしてほしいなぁ」
エレーナ:「まあ、下等で愚かなザコモンスター、魔道師の私らに掛かればチョロいチョロい」
マリア:「むしろ私達の姿を見て逃げ出すかもな」
稲生:「凄いんですね、僕達……」
エレーナ:「あ、稲生氏は今のところ人間扱いだから、あなただけ襲われるかもよ」
稲生:「ええーっ!?」
マリア:「エレーナ!……あ、私達と一緒に行動すれば心配無いから」
稲生:「は、はあ……」
イリーナ:「それより、あと1人来るはずなんだけどね、どうしたのかしら?」
エレーナ:「アンナですか?もう先に来てるんじゃないっスかねー」
イリーナ:「ま、別に一緒に行く約束してるわけでもないからね。さっさと行きましょうか」
魔道師達は新校舎の中に入った。
イリーナ:「ここからの案内役はユウタ君だよ。この学校にある姿見まで案内して頂戴」
稲生:「わ、分かりました」
エレーナ:「いつ、エンカウントしてもおかしくない状態だよ。稲生氏、前からいきなり襲ってくるかもしれないからねw」
稲生:「ええ〜……!」
マリア:「エレーナ、いい加減にしろ。ユウタ、心配無いから」
稲生:「はあ……」
稲生は懐中電灯の明かりを点けて進んだ。
稲生がローブの中に仕込んでいる道具の1つだ。
稲生:「姿見は3つあるんですが、どこから行きますか?」
イリーナ:「1番近い所から行こうか」
稲生:「分かりました」
1つはすぐにあった。
それは昇降口のすぐ脇。
イリーナ:「うん。早速、フラグ立てしてくれるじゃない」
イリーナはニヤッと笑った。
鏡の中のイリーナもニヤッと笑う。
鏡の中なのだから、当たり前だ。
イリーナ:「分かってるわね、稲生君?」
稲生:「は?何がです?」
懐中電灯を持つ稲生が目を丸くしてイリーナに聞いた。
鏡の中の稲生も同じ行動をする。
エレーナ:「なるほど。これは分かりやすい」
エレーナも気づいたようだ。
エレーナ:「イリーナ先生、もうネタばらししていいっスか?」
イリーナ:「どうぞ」
稲生:「一体、何が?」
エレーナ:「コラ、いい加減にしろ。バレてんぞ」
エレーナは持っていたホウキの柄の先で、鏡の中の稲生をトントンとつついた。
稲生:「あれ!?」
鏡の中の稲生が苦笑して頭をかきながら立ち去った。
そしてしばらくすると、また稲生が現れた。
イリーナ:「今のが本当の稲生君ね。さっきのは偽者よ」
稲生:「どういうことですか?」
エレーナ:「このまま気づかずに進んでたら、稲生氏だけこの鏡の中に閉じ込められて、さっきの偽者とすり替わってしまうってことさ」
稲生:「そんなことが……」
マリア:「この姿見に纏わる怖い話は無いのか?」
稲生:「いやあ……聞いたことないですね」
イリーナ:「多分今のヤツはここ数年の間に棲みついたヤツだろうね。ユウタ君が卒業してから棲みついたヤツだったとしたら、知らないのは当然よ」
稲生:「それはそうですね」
イリーナ:「よし。ここはもうOKよ。次の姿見はどこ?」
稲生:「は、はい。今度は2階です」
稲生達は近くの階段を上がった。
懐中電灯の明かりが稲生達の行く先を照らす。
マリア:「それにしても、アンナはどこに行ったんだ?」
エレーナ:「アナスタシア先生から急に呼び出しでも食らったか、或いは先に来てここで待っているか、それともドジ踏んで奴らに捕まったか……」
稲生:「奴らって?」
エレーナ:「さっきの鏡の奴みたいなの。今、何気にエンカウント率が高いからね」
稲生:「でも、さっきから会わないよ」
マリア:「私達にビビッているんだ。もし生身の人間が入ろうものなら、とっくに捕まって何かされてるさ」
稲生:「ひえー……」
覚えていらっしゃらなかったらごめんなさい・・・
山門さんのブログからここにたどり着きました!
正宗から離れられていたのですね・・・
実は私自身もここ三年ほど様々な状況の変化により活動をまったく行っておらず正直どうしようかと思っていたんです。
やっぱり勧誘なんですよね・・・
どうしましょ・・・><
うーん、申し訳ありませんが、ちょっと記憶が定かじゃないです。
でも、どこかの掲示板でお見かけしたことがあるような気がします。
気のせいでしたら申し訳ありません。
やはり折伏という名の勧誘はネックですよね。
年々そのハードルが上がって行く様は、まるで昔の顕正新聞の部数購読ノルマを彷彿とさせます。
無理しないでいいと思います。
どうしても嫌になったら辞めても良いです。
現にこうして私は辞めましたが、何の罰もありません。