[3月16日17:00.天候:晴 東京都江東区森下 ワンスターホテル]
エレーナ:「どうだ?これで私が魔法使いだって分かっただろ?」
エレーナはホウキに跨って浮遊しただけではなく、実際にホテル上空を旋回してみたりした。
鈴木:「な、何てこった……!本当に魔法使いはいたんだ……!」
エレーナ:「そういうわけだから、早いとこ報酬払って……」
鈴木:「俺も使えるようになるかな!?」
エレーナ:「は?」
鈴木:「魔法の力で、俺を騙していたケンショーをブッ潰すんだ!」
エレーナ:「いや、あのね、魔法を使うにはそれなりの素質が必要なの。あいにくだけど、あなたにはそんな素質は全く見当たらない」
鈴木:「やってみないと分かんないじゃないか!」
エレーナ:「いや、分かるって。私みたいに魔法使えるヤツってのは、大体相手が素質があるかどうかは“匂い”で分かるものなんだ。霊感と置き換えてもいい。うちの門内で1人、日本人の男がいるけど、あれは凄い才能だよ」
鈴木:「日本人の男……!?」
エレーナ:「珍しいパターンだけどね。それより、魔法見せてあげたんだから、早いとこ報酬を……」
鈴木:「それは誰なんだ!?日本人の男って誰なんだ!?」
エレーナ:「それはあなたも知ってる人間だと思うよ?何せ、あなたと同じ宗派のようだからね」
鈴木:「……!」
エレーナ:「日蓮正宗って、あんまり大きい宗派ではないんでしょ?だったら、本気で捜せば見つかるかもよ?」
鈴木:「俺のアメブロで『指名手配』してやる!」
エレーナ:(こいつアメブロガーかよ。怖ェな)
鈴木はエレーナに残りの金を渡した。
エレーナ:「おおっ、毎度あり〜!あとはゆっくりしてていいから!」
エレーナはそう言って、ホウキに跨るとどこかへ飛び去って行った。
鈴木:「さすがにホウキに乗る時は、オーバーパンツはくんだ……」
鈴木はそう呟いて、部屋に戻った。
鈴木:「そうだ!こうしちゃいられない!」
部屋に戻った後で、すぐに鈴木はある人物の所へ電話を掛けた。
藤谷:「おー、鈴木君か。どうした?折伏の相手でも見つかったのか?」
鈴木:「それどころじゃないんです!俺、本当に魔法を見たんですよ!」
藤谷:「はあ?オメー、まだそんなこと言ってるのか」
鈴木:「本当なんです!実際その魔女に会って、直接見せてもらったんですよ!」
藤谷:「どこで?誰に?」
鈴木:「今、森下のワンスターホテルって所にいます!ここのスタッフの人です!」
藤谷:「あー……。ついにお前も、そこを嗅ぎ付けたか」
鈴木:「嗅ぎ付けたというより、ちょっとアキバでピンチになっていた所をその魔女さんに助けてもらったんですよ」
藤谷:「そうか。これで満足しただろ?もうマリアンナさんを追い掛けるのはやめろ」
鈴木:「思い出した!班長、もしかしてワンスターホテルのスタッフの人とマリアンナさんは仲間らしいですが、同じ仲間に日本人の男がいるそうなんです!それって稲生先輩だったりしませんか!?」
藤谷:「何をバカなことを言ってるんだ」
鈴木:「あの魔女さんが教えてくれました!俺と同じ、日蓮正宗の者らしいです!」
藤谷:「おいおい、まさか今からそいつを捜そうってんじゃないだろうな!?」
鈴木:「もちろんです」
藤谷:「おいおい、法華講員だけで全世界に何十万人といるんだぞ?どうやって捜すんだ?」
鈴木:「何十万……。そうですか。全世界合わせても何十万人ですか」
藤谷:「そうだよ。何かあるのか?」
鈴木:「いえ。捜すのは簡単ですよ。班長が教えてくれればいいんです」
藤谷:「何だと?」
鈴木:「だって班長、別に否定しなかったじゃないですか。班長は宗門の中に魔法使いがいることを知ってるんだ。そして、しかも知り合いだったりするんだ。そうでしょう?」
藤谷:「鈴木ッ!」
鈴木:「元・顕正会謀略部隊ナメないでくださいよ。こう見えても俺は、顕正会にとって害となった者は支隊長であっても排除していたヤツですよ?もっとも、俺の組員が女と一緒に宗門へ行ってしまったことは誤算でしたが……」
藤谷:「稲生君の言っていた、宿坊のあの人達か。キミが関わっていたとはなぁ……。よし。じゃあ、こうしよう。キミが排除したという支隊長さんを救うのも、俺ら日蓮正宗法華講員の使命だ。キミ、そいつをお寺に連れて来てくれないか?そいつを折伏できたら、重大なことを教えてやる」
鈴木:「……あいにくさま、それは無理というものですね」
藤谷:「そうか。それは残念だ」
鈴木:「何せ、あの世までは行けないものでね」
藤谷:「なに!?」
鈴木:「あいつ、多分あの世に行ってますよ?とある法律違反やらかしてケーサツに捕まったんですが、その間に除名食らいやがりましてね(※)。最終的には不起訴処分となってシャバに出てきたものの、まあ不幸のどん底に落ちやがりましたので、悲観して盗んだバイクで暴走したんですよ。で、真夜中の港にやってきたら、ちょうどヤクザの闇取引を目撃してしまったもんで、そのままヤクザに捕まってあとは行方不明ですよ。ヤクザの秘密を見てしまったヤツが後でどうなるかは、【お察しください】」
藤谷:「お前はどうしてそんな深くまで知ってるんだ?」
鈴木:「なぁに、ヤクザの秘密事項を知っても生き延びる術はあるものでね」
藤谷:「それ自体が魔法じゃねーのか、おい」
※ここまではポテンヒットさん原作“ガンバレ!特盛くん”に描かれている。
鈴木:「さすがの俺も、ヤクザに知り合いはいないもんでね」
藤谷:「アキバ系オタクが、そんなのに知り合いがいたら怖いよ」
鈴木:「でも班長、やっぱり何かご存知なんですね?」
藤谷:「あー、そうだよ。時機が来たら教えてやるから、とにかくもう魔法使いを追うのやめろ。知り合いになるくらいならまだしも、怒らせるとヤクザより怖い人達だぞ?」
鈴木:「時機が来たら教える。まるで、浅井会長みたいなことを仰りますね」
藤谷:「うるせぇよ。とにかく、余計なことを嗅ぎ回るな。だいたい、どうして魔法使いにそんなに興味があるんだ?」
鈴木:「魔法の力で顕正会をブッ潰すんですよ」
藤谷:「そんなことをしなくても、顕正会は潰れるぞ?」
鈴木:「それはいつですか!?俺は自然消滅するまで待っていられませんよ!」
藤谷:「いや、ちょっと落ち着けよ」
鈴木:「とにかく、俺でも魔法が使える方法を聞き出して、直接潰す方法を身に付けるんだ!」
鈴木は興奮気味にまくしたてると、電話を切った。
鈴木:「! そうだ。確かこのホテルのレストラン、魔法薬を薬膳とした創作料理とか言ってたな……。よし」
鈴木は上着を羽織ると部屋を出た。
そして、エレベーターに向かった。
エレーナ:「どうだ?これで私が魔法使いだって分かっただろ?」
エレーナはホウキに跨って浮遊しただけではなく、実際にホテル上空を旋回してみたりした。
鈴木:「な、何てこった……!本当に魔法使いはいたんだ……!」
エレーナ:「そういうわけだから、早いとこ報酬払って……」
鈴木:「俺も使えるようになるかな!?」
エレーナ:「は?」
鈴木:「魔法の力で、俺を騙していたケンショーをブッ潰すんだ!」
エレーナ:「いや、あのね、魔法を使うにはそれなりの素質が必要なの。あいにくだけど、あなたにはそんな素質は全く見当たらない」
鈴木:「やってみないと分かんないじゃないか!」
エレーナ:「いや、分かるって。私みたいに魔法使えるヤツってのは、大体相手が素質があるかどうかは“匂い”で分かるものなんだ。霊感と置き換えてもいい。うちの門内で1人、日本人の男がいるけど、あれは凄い才能だよ」
鈴木:「日本人の男……!?」
エレーナ:「珍しいパターンだけどね。それより、魔法見せてあげたんだから、早いとこ報酬を……」
鈴木:「それは誰なんだ!?日本人の男って誰なんだ!?」
エレーナ:「それはあなたも知ってる人間だと思うよ?何せ、あなたと同じ宗派のようだからね」
鈴木:「……!」
エレーナ:「日蓮正宗って、あんまり大きい宗派ではないんでしょ?だったら、本気で捜せば見つかるかもよ?」
鈴木:「俺のアメブロで『指名手配』してやる!」
エレーナ:(こいつアメブロガーかよ。怖ェな)
鈴木はエレーナに残りの金を渡した。
エレーナ:「おおっ、毎度あり〜!あとはゆっくりしてていいから!」
エレーナはそう言って、ホウキに跨るとどこかへ飛び去って行った。
鈴木:「さすがにホウキに乗る時は、オーバーパンツはくんだ……」
鈴木はそう呟いて、部屋に戻った。
鈴木:「そうだ!こうしちゃいられない!」
部屋に戻った後で、すぐに鈴木はある人物の所へ電話を掛けた。
藤谷:「おー、鈴木君か。どうした?折伏の相手でも見つかったのか?」
鈴木:「それどころじゃないんです!俺、本当に魔法を見たんですよ!」
藤谷:「はあ?オメー、まだそんなこと言ってるのか」
鈴木:「本当なんです!実際その魔女に会って、直接見せてもらったんですよ!」
藤谷:「どこで?誰に?」
鈴木:「今、森下のワンスターホテルって所にいます!ここのスタッフの人です!」
藤谷:「あー……。ついにお前も、そこを嗅ぎ付けたか」
鈴木:「嗅ぎ付けたというより、ちょっとアキバでピンチになっていた所をその魔女さんに助けてもらったんですよ」
藤谷:「そうか。これで満足しただろ?もうマリアンナさんを追い掛けるのはやめろ」
鈴木:「思い出した!班長、もしかしてワンスターホテルのスタッフの人とマリアンナさんは仲間らしいですが、同じ仲間に日本人の男がいるそうなんです!それって稲生先輩だったりしませんか!?」
藤谷:「何をバカなことを言ってるんだ」
鈴木:「あの魔女さんが教えてくれました!俺と同じ、日蓮正宗の者らしいです!」
藤谷:「おいおい、まさか今からそいつを捜そうってんじゃないだろうな!?」
鈴木:「もちろんです」
藤谷:「おいおい、法華講員だけで全世界に何十万人といるんだぞ?どうやって捜すんだ?」
鈴木:「何十万……。そうですか。全世界合わせても何十万人ですか」
藤谷:「そうだよ。何かあるのか?」
鈴木:「いえ。捜すのは簡単ですよ。班長が教えてくれればいいんです」
藤谷:「何だと?」
鈴木:「だって班長、別に否定しなかったじゃないですか。班長は宗門の中に魔法使いがいることを知ってるんだ。そして、しかも知り合いだったりするんだ。そうでしょう?」
藤谷:「鈴木ッ!」
鈴木:「元・顕正会謀略部隊ナメないでくださいよ。こう見えても俺は、顕正会にとって害となった者は支隊長であっても排除していたヤツですよ?もっとも、俺の組員が女と一緒に宗門へ行ってしまったことは誤算でしたが……」
藤谷:「稲生君の言っていた、宿坊のあの人達か。キミが関わっていたとはなぁ……。よし。じゃあ、こうしよう。キミが排除したという支隊長さんを救うのも、俺ら日蓮正宗法華講員の使命だ。キミ、そいつをお寺に連れて来てくれないか?そいつを折伏できたら、重大なことを教えてやる」
鈴木:「……あいにくさま、それは無理というものですね」
藤谷:「そうか。それは残念だ」
鈴木:「何せ、あの世までは行けないものでね」
藤谷:「なに!?」
鈴木:「あいつ、多分あの世に行ってますよ?とある法律違反やらかしてケーサツに捕まったんですが、その間に除名食らいやがりましてね(※)。最終的には不起訴処分となってシャバに出てきたものの、まあ不幸のどん底に落ちやがりましたので、悲観して盗んだバイクで暴走したんですよ。で、真夜中の港にやってきたら、ちょうどヤクザの闇取引を目撃してしまったもんで、そのままヤクザに捕まってあとは行方不明ですよ。ヤクザの秘密を見てしまったヤツが後でどうなるかは、【お察しください】」
藤谷:「お前はどうしてそんな深くまで知ってるんだ?」
鈴木:「なぁに、ヤクザの秘密事項を知っても生き延びる術はあるものでね」
藤谷:「それ自体が魔法じゃねーのか、おい」
※ここまではポテンヒットさん原作“ガンバレ!特盛くん”に描かれている。
鈴木:「さすがの俺も、ヤクザに知り合いはいないもんでね」
藤谷:「アキバ系オタクが、そんなのに知り合いがいたら怖いよ」
鈴木:「でも班長、やっぱり何かご存知なんですね?」
藤谷:「あー、そうだよ。時機が来たら教えてやるから、とにかくもう魔法使いを追うのやめろ。知り合いになるくらいならまだしも、怒らせるとヤクザより怖い人達だぞ?」
鈴木:「時機が来たら教える。まるで、浅井会長みたいなことを仰りますね」
藤谷:「うるせぇよ。とにかく、余計なことを嗅ぎ回るな。だいたい、どうして魔法使いにそんなに興味があるんだ?」
鈴木:「魔法の力で顕正会をブッ潰すんですよ」
藤谷:「そんなことをしなくても、顕正会は潰れるぞ?」
鈴木:「それはいつですか!?俺は自然消滅するまで待っていられませんよ!」
藤谷:「いや、ちょっと落ち着けよ」
鈴木:「とにかく、俺でも魔法が使える方法を聞き出して、直接潰す方法を身に付けるんだ!」
鈴木は興奮気味にまくしたてると、電話を切った。
鈴木:「! そうだ。確かこのホテルのレストラン、魔法薬を薬膳とした創作料理とか言ってたな……。よし」
鈴木は上着を羽織ると部屋を出た。
そして、エレベーターに向かった。
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