[5月8日09時00分 天候:晴 スカイマーク航空513便機内]
無事に羽田空港を離陸し、飛行機は安定飛行に入った。
ポーン♪というチャイムと共に、シートベルト着用サインが消える。
但し、アナウンスでは、突然の乱気流による揺れに注意する為、着席中はシートベルト着用をとあった。
あくまでも、トイレに立つなどして良いという意味のサイン消灯なのだろう。
あとは、CAによる飲み物などの配布が始まる合図とか。
CA「お飲み物は何になさいますか?」
高橋「俺は水でいい」
高橋はペットボトル入りのミネラルウォーターを所望した。
愛原「私は……」
私が何を言うのか、高橋とリサ、そして何故か周りの乗客達も固唾を飲んで見守っている。
リサは既に、攻撃の準備に入ったようだ。
ここで不用意にな発言をしようものなら、飛行機が墜落するか、或いはリサがウィルスをばら撒き、バイオハザードが起こるかもしれない。
愛原「コーヒーください」
私の発言に、周囲がホッとした。
CA「かしこまりました」
CAはUCCの紙コップに、ホットコーヒーを注いでくれた。
紙コップをもう1つくれたのは、使用済みのマドラーやシュガーの空き袋を入れる為だという。
実にきめ細やかなサービスだ。
リサ「わたし、ジュース!」
CA「ただいま、ミニッツメイドのアップルジュースを御提供させて頂いております」
リサ「リンゴジュースか。じゃあ、それで」
CA「かしこまりました」
そして、それとは別にキットカットが配布された。
リサ「おー、食後のデザート!」
リサは空弁にガッついていた。
飲み物は既にお茶のペットボトルを持ち込んでいるので、オレンジジュースと同様、食後のデザートにするつもりのようだ。
学校カメラマンも席を立って、生徒達の様子を写真に撮って回っている。
このうちの何枚かは、卒業アルバムに掲載されるのだろう。
リサの中等部の卒業アルバムは、薄いものだった。
コロナ禍で学校行事が次々と中止に追い込まれたからだ。
その分、コロナもだいぶ落ち着いて来た今年、少しずつ学校行事は再開されており、高等部の卒業アルバムは、中等部よりも厚くなると言われている。
愛原「進行方向右側だと、富士山が見えるぞ?」
リサ「そうなんだ!」
幸い今は晴れているので、本当に富士山を上から見ることは可能だろう。
これがモニタ付きの機内なら、GPSで今どこを飛んでいるのかの表示が出たりもするのだが、あいにくとスカイマークではそのようなモニタは無い。
個別はもちろん、大きなスクリーンとか、通路上のモニタなども無い。
そこはLCCと同じコストカットをしているのだろう。
では離陸前の機内安全ビデオはどのように流したのかというと、ビデオは流してないい。
安全についてのお知らせを自動放送で流し、それに合わせてCAが救命胴衣の着用などを実演してみせるという感じだ。
これが本当のLCCであるジェットスターだと、自動放送すら流れない。
CAの1人がマイクで肉声放送し、それに合わせて別のCAが実演するという方式である。
そういう意味では、スカイマークは、『厳密に言えばLCCではない』というのが分かる。
高橋「昔は機内でタバコ吸えたんスよねぇ……」
愛原「そうだよ。だが、今は禁煙だ。着くまで待て」
高橋「へーい……」
因みにキャリア航空では導入されているWiFiも、スカイマーク機内では導入されていないので念の為。
まあ、他の生徒達は、気の置けない友達同士でワイワイやっていたりしているが。
あと、朝早いということもあって、寝てる生徒もいる。
愛原「高橋、ちょっとトイレだ」
高橋「ヘイ」
私は通路に出ると、最後部にあるトイレに向かった。
当然ながらトイレは個室で、出入口のドアは折り戸である。
別の航空会社の飛行機では、トイレにも窓が付いていることがあるそうだが、この飛行機ではさすがにそれは無い。
トイレから戻り、また自分の席に座ろうとした時だった。
愛原「ん?」
高橋「先生、どうしました?」
愛原「何かさ、向こうに別の飛行機飛んでない?」
すると、レイチェルが私の方を向いて答えた。
レイチェル「あれはBSAAの飛行機です」
愛原「えっ、そうなの?飛行訓練?それにしては、少し近くないか?」
レイチェル「訓練……と言えば訓練かもしれません。リサが何もしなければ」
愛原「ん?」
レイチェル「もしもリサが暴走し、私達でも手に負えないと分かった場合、あの飛行機がこの飛行機を撃墜するプランになっています」
愛原「何それ!?そんな厳戒態勢取られてても逆に困るんだけど?!」
レイチェル「BOWを連れて歩くというのは、そういうことなンです」
愛原「……1泊2日の温泉旅行の方が良かったかなぁ……」
レイチェル「本来は、その方が良かったかもしれませンね」
尚、リサにはパスポートが発行されない為、海外にはどうしたって行けない。
愛原「何か、急に怖くなってきたよ。リサ、頼むから暴走しないでくれな?」
リサ「先生が他の女に気を取られたりしなければ大丈夫だよ?」
リサはニヤッと笑った。
人間形態であるにも関わらず、その口元からは牙が覗いていた。
愛原「す、すいません、CAさん……」
私はCAを呼んだ。
高橋「先生!?」
リサ「あっ、こら!言ったそばから!!」
CA「お客様、どうなさいました?」
愛原「お水ください」
CA「はい。お水ですね。少々お待ちください」
高橋「先生?」
リサ「先生?」
愛原「緊張して喉が渇いたんだよ!」
高橋「あー……な、何かサーセン」
リサ「せ、先生が浮気しなければ、わたしも暴れたりしないよ?」
その後、私はCAが持って来てくれた紙コップの水を一気飲みしたのだった。
無事に羽田空港を離陸し、飛行機は安定飛行に入った。
ポーン♪というチャイムと共に、シートベルト着用サインが消える。
但し、アナウンスでは、突然の乱気流による揺れに注意する為、着席中はシートベルト着用をとあった。
あくまでも、トイレに立つなどして良いという意味のサイン消灯なのだろう。
あとは、CAによる飲み物などの配布が始まる合図とか。
CA「お飲み物は何になさいますか?」
高橋「俺は水でいい」
高橋はペットボトル入りのミネラルウォーターを所望した。
愛原「私は……」
私が何を言うのか、高橋とリサ、そして何故か周りの乗客達も固唾を飲んで見守っている。
リサは既に、攻撃の準備に入ったようだ。
ここで不用意にな発言をしようものなら、飛行機が墜落するか、或いはリサがウィルスをばら撒き、バイオハザードが起こるかもしれない。
愛原「コーヒーください」
私の発言に、周囲がホッとした。
CA「かしこまりました」
CAはUCCの紙コップに、ホットコーヒーを注いでくれた。
紙コップをもう1つくれたのは、使用済みのマドラーやシュガーの空き袋を入れる為だという。
実にきめ細やかなサービスだ。
リサ「わたし、ジュース!」
CA「ただいま、ミニッツメイドのアップルジュースを御提供させて頂いております」
リサ「リンゴジュースか。じゃあ、それで」
CA「かしこまりました」
そして、それとは別にキットカットが配布された。
リサ「おー、食後のデザート!」
リサは空弁にガッついていた。
飲み物は既にお茶のペットボトルを持ち込んでいるので、オレンジジュースと同様、食後のデザートにするつもりのようだ。
学校カメラマンも席を立って、生徒達の様子を写真に撮って回っている。
このうちの何枚かは、卒業アルバムに掲載されるのだろう。
リサの中等部の卒業アルバムは、薄いものだった。
コロナ禍で学校行事が次々と中止に追い込まれたからだ。
その分、コロナもだいぶ落ち着いて来た今年、少しずつ学校行事は再開されており、高等部の卒業アルバムは、中等部よりも厚くなると言われている。
愛原「進行方向右側だと、富士山が見えるぞ?」
リサ「そうなんだ!」
幸い今は晴れているので、本当に富士山を上から見ることは可能だろう。
これがモニタ付きの機内なら、GPSで今どこを飛んでいるのかの表示が出たりもするのだが、あいにくとスカイマークではそのようなモニタは無い。
個別はもちろん、大きなスクリーンとか、通路上のモニタなども無い。
そこはLCCと同じコストカットをしているのだろう。
では離陸前の機内安全ビデオはどのように流したのかというと、ビデオは流してないい。
安全についてのお知らせを自動放送で流し、それに合わせてCAが救命胴衣の着用などを実演してみせるという感じだ。
これが本当のLCCであるジェットスターだと、自動放送すら流れない。
CAの1人がマイクで肉声放送し、それに合わせて別のCAが実演するという方式である。
そういう意味では、スカイマークは、『厳密に言えばLCCではない』というのが分かる。
高橋「昔は機内でタバコ吸えたんスよねぇ……」
愛原「そうだよ。だが、今は禁煙だ。着くまで待て」
高橋「へーい……」
因みにキャリア航空では導入されているWiFiも、スカイマーク機内では導入されていないので念の為。
まあ、他の生徒達は、気の置けない友達同士でワイワイやっていたりしているが。
あと、朝早いということもあって、寝てる生徒もいる。
愛原「高橋、ちょっとトイレだ」
高橋「ヘイ」
私は通路に出ると、最後部にあるトイレに向かった。
当然ながらトイレは個室で、出入口のドアは折り戸である。
別の航空会社の飛行機では、トイレにも窓が付いていることがあるそうだが、この飛行機ではさすがにそれは無い。
トイレから戻り、また自分の席に座ろうとした時だった。
愛原「ん?」
高橋「先生、どうしました?」
愛原「何かさ、向こうに別の飛行機飛んでない?」
すると、レイチェルが私の方を向いて答えた。
レイチェル「あれはBSAAの飛行機です」
愛原「えっ、そうなの?飛行訓練?それにしては、少し近くないか?」
レイチェル「訓練……と言えば訓練かもしれません。リサが何もしなければ」
愛原「ん?」
レイチェル「もしもリサが暴走し、私達でも手に負えないと分かった場合、あの飛行機がこの飛行機を撃墜するプランになっています」
愛原「何それ!?そんな厳戒態勢取られてても逆に困るんだけど?!」
レイチェル「BOWを連れて歩くというのは、そういうことなンです」
愛原「……1泊2日の温泉旅行の方が良かったかなぁ……」
レイチェル「本来は、その方が良かったかもしれませンね」
尚、リサにはパスポートが発行されない為、海外にはどうしたって行けない。
愛原「何か、急に怖くなってきたよ。リサ、頼むから暴走しないでくれな?」
リサ「先生が他の女に気を取られたりしなければ大丈夫だよ?」
リサはニヤッと笑った。
人間形態であるにも関わらず、その口元からは牙が覗いていた。
愛原「す、すいません、CAさん……」
私はCAを呼んだ。
高橋「先生!?」
リサ「あっ、こら!言ったそばから!!」
CA「お客様、どうなさいました?」
愛原「お水ください」
CA「はい。お水ですね。少々お待ちください」
高橋「先生?」
リサ「先生?」
愛原「緊張して喉が渇いたんだよ!」
高橋「あー……な、何かサーセン」
リサ「せ、先生が浮気しなければ、わたしも暴れたりしないよ?」
その後、私はCAが持って来てくれた紙コップの水を一気飲みしたのだった。
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