報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「沖縄に到着」

2024-08-21 16:36:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月8日11時25分 天候:晴 沖縄県那覇市字鏡水 スカイマーク航空513便機内→那覇空港]

 ポーン♪というチャイムの音と共に、シートベルト着用サインが点灯する。
 機内の肉声放送でも、まもなく着陸態勢に入る為、着席してシートベルトを着用するようにと呼び掛けている。
 眼下には沖縄の海と島が広がり、リサは窓に張り付いた。

 リサ「おー……。ここがエレンのいる所……」

 手持ちのスマホなどで写真を撮る修学旅行生も。

 レイチェル「……Thank you so much!」

 レイチェルはインカムで、どこかと交信している。
 それと同時に、追随していたBSAAのハリアーが離脱していった。
 BSAAの戦闘機がどうしてハリアーなのかというと、2013年、香港で起きたバイオハザード事件において、BSAAのクリス・レッドフィールドがハリアーでもって、ネオ・アンブレラに乗っ取られた中国海軍の空母に大ダメージを与えたからである。
 ハリアー1機で空母に立ち向かうなど、狂気の沙汰としか言いようが無いが、当の空母はネオ・アンブレラに乗っ取られていたとはいえ、クリス達の猛攻による大火災を起こし、航行不能に陥ったという。
 さすがに沈没まではしなかったようだが。

 レイチェル「BSAAによる空中警備はここまでです」
 リサ「すると今が暴れ時?」

 リサは悪戯っぽく笑った。

 レイチェル「ハリアーはすぐに引き返して来ますし、今度は沖縄駐留アメリカ軍出向隊が地上から攻撃を始めます」
 愛原「ここは那覇市内上空だが、既に米軍の射程距離に入ってるって?」
 レイチェル「はい。あくまでこれはBSAAの案件ですので、攻撃はBSAAが行います」

 BSAAには外国によっては専用の基地を構えている所もあるが、日本には無い。
 日本地区本部隊は自衛隊の駐屯地に、北米支部派遣隊は米軍基地に駐屯するのである。

 愛原「リサぁ、余計なことするなよ~?」
 リサ「はーい」

 飛行機はグングン高度を落とす。
 これがANAやJALの飛行機なら、モニターやスクリーンで離陸するところをカメラで見せるのだが、スカイマーク機にはそのようなものはない。
 そして、ドスンという衝撃と共にタイヤが軋む音が響いた。

 愛原「……どうやら、無事に着陸したようだな」
 リサ「飛行機って、いつもこんな着陸なの?」
 愛原「そうだよ」
 レイチェル「そうですよ」
 リサ「うへー……」

 飛行機は滑走路からターミナルの方に移動して行く。
 そして、止まると、ポーン♪というチャイムと共にシートベルト着用サインが消えた。

 愛原「どうやら、完全に到着だな」

 まだ5月だというのに、外の気温は既に25~26度あるらしい。
 これでも那覇市では、5月としては平均的な気温であるという。
 なるほど。
 これで平均ということは、日によってはもっと暑い日もあるというわけだ。
 ……海にも入れるわけだ。

 高橋「先生、荷物下ろします」
 愛原「ああ、悪いな。皆さんも、忘れ物の無いように」
 レイチェル「Yes,sir!」
 淀橋「イエッサー!」
 小島「大丈夫です」

 乗る時は先に乗った修学旅行生達も、降りる時は一般客が先に降りてから。
 降り口は進行方向左側の最前部と決まっている。
 この飛行機に限らず、基本的に航空機は進行方向左側から乗り降りすることになっている。
 これは船舶時代の名残。
 なので船舶の方も、基本的には進行方向左側から乗り降りしている。
 そして、ようやく列が進み、修学旅行生は降り口に進んで行く。
 PTA会長と助手の高橋は、1番後から降りる。
 修学旅行生達が忘れ物や落とし物をしていないか確認する為だ。
 もちろん、トイレの中なども見る。

 愛原「どうやら、大丈夫みたいだな」
 高橋「帰り際の方がヤバそうですね。気が抜けるでしょうから」
 愛原「確かにな」

 那覇空港でもタラップではなく、ちゃんと航空機に接続された通路でもって、ターミナルに入る。
 BGMで沖縄民謡が流れている。

 

 愛原「俺が荷物取ってるから、オマエは一服でもしてこいよ」
 高橋「あざっス!」

 荷物受取所の所に喫煙室とトイレがある。
 ここでトイレ休憩の後、整列して、チャーターしておいた観光バスに向かうのである。
 私は私で、ここで善場係長に定時連絡。
 リサもリサで、絵恋さんにLINEを送っているようだ。
 しかし、沖縄中央学園は授業中のはず。
 すぐには返信できまい。

 三上「荷物を受け取ったら、到着ロビーに出て集合しろー!」

 『精神注入棒』と書かれた竹刀を無事に回収できた三上先生は、俄然元気が出て来た。

 愛原「三上先生、トイレに行ってるコとかもいるようですが?」
 三上「私は先に行って整列場所を確保しておくので、愛原会長はトイレの方の確認をお願いします」
 愛原「分かりました」
 三上「というか、坂上先生と倉田先生は何をしているのやら……」
 愛原「坂上先生はうちの助手と一緒にタバコ、倉田先生もトイレです」
 三上「……そうですか。では、私は先に行っています」
 愛原「あ、はい」

 学年主任兼生活指導の三上先生も、かつては喫煙者。
 トイレは生理現象だからしょうがないということもあり、竹刀……もとい、拳を振り上げられなかったか。

 愛原「リサ、トイレから戻ったら、速やかに到着ロビーへ。『魔王軍』だけでも、ピシッとやっていれば、取りあえず三上先生は爆発しないだろう」
 リサ「分かったー」

 こういう時、リサの特異菌や寄生虫は役に立つな。
 もっとも、今はもう寄生虫は無く、リサが操れるのは特異菌のみ。

 愛原「やっと来た」

 私はベルトコンベアーから流れて来た自分の荷物と高橋の荷物を取った。

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