[5月9日07時00分 天候:晴 沖縄県那覇市大道 沖縄ホテル・朝食会場]
朝食会場は一般客向けのレストランとは別の宴会場。
そこに修学旅行生用にバイキング形式の朝食が用意されている。
沖縄料理もあるが、さすがに朝食には本州と同じ料理、例えば魚の西京焼きとかもある。
まあ、リサなら絶対に肉中心の朝食にするだろうが。
高橋「さすがに2食続けて沖縄料理も飽きるんで、ここで東京のと同じのが出てくるといいっスね」
愛原「まあな」
朝食時間になったばかりということもあり、修学旅行生達はすぐには来ない。
昨日の疲れがまだ残っていたりすると、なかなか起きられないということもあるだろう。
だが……。
リサ「愛原先生!おはよう!」
愛原「あれ、リサ?もう起きて来たのか?」
リサ「後から来て肉が無くなってると困るから」
愛原「そういうことか……。さすがに、朝からラフテーは無いぞ」
リサ「それは残念」
レイチェル「愛原センセイ、おはようございます」
愛原「れ、レイチェル!迷わず成仏してくれ!」
レイチェル「Huh?」
リサ「レイチェル、ゾンビなの?」
レイチェル「No!私は何のウィルスにも感染してませんよ?」
リサ「だってさ」
愛原「ゴメン。夢の話だった」
私は夢の話をした。
レイチェル「心外ですね。私はTアビスのワクチンを接種していますので、今更それに感染することはありませんよ?」
愛原「そ、そうだよな。申し訳ない」
リサ「枕が変わると変な夢を見やすいもんね」
愛原「そ、そうだな。リサは大丈夫だったか?」
リサ「今回はね。その前は、男の鬼達に……何でもない!」
愛原「ん?」
淀橋「それより早く食べようよ」
リサ「それもそうだな」
小島「絵恋さんはいないんですか?」
愛原「いや、絵恋さんは一般客扱いだから、向こうのレストランで食べてるよ」
高橋「ぼっち飯だ」
愛原「急いで食べてこっちに来るらしいよ」
高橋「さっさと学校行けってんだ」
愛原「まあまあ……」
沖縄県は東京と比べて、日の出と日の入りが遅い。
その為、もしかしたら、学校が始まる時間も遅いのかもしれない。
愛原「沖縄は日の出が遅いんだよ」
高橋「何の話っスか」
淀橋「確かに、いつもより外が明るくなるのが遅かったような……」
愛原「そして、日が暮れるのは遅い」
小島「昨日、そうでしたね」
愛原「日本って案外広いってことが分かるよ」
警備会社で働いていた頃、社員旅行があった。
北は北海道、南は沖縄に行ったりした。
どちらも冬。
札幌は16時で暗くなるのに、那覇は17時になってもまだ明るかった。
小島「日本は東西に広いってことですね」
愛原「そういうことだな」
リサ「肉ゲット~♪」
リサはソーキとローストチキンを手にしていた。
淀橋「うわ……朝から胃もたれいそう……」
小島「フツーはこれだけ食べたら太るのに、リサさんは太らないね。さすがは魔王様」
リサ「むふー!」
レイチェル「食べた物は、体内のGウィルスに吸収されるからですよね」
リサ「リサ・トレヴァー大先輩から受け継いだGウィルスは食いしん坊だから」
レイチェル「リサの強さの秘訣はそこですね」
リサ「むふー!」
誇らしげな顔をするリサだったが、私は一瞬その顔が歪んだのを見逃さなかった。
知っている。
リサは現在の食生活では、これ以上強くなれないということを。
私も知っている。
これ以上強くなるには、人食いや人の生き血を啜るしかない。
だがもちろん、そんなことができるわけがない。
苦肉の策として、血中老廃物を啜るということで僅かに強化させるに留まっている状態だ。
それで、“鬼つよし”か……。
絵恋「リサさーん!おはよー!」
しばらくして、沖縄中央学園の制服に身を包んだ我那覇絵恋がやってきた。
リサ「エレン、来たー」
高橋「ここは東京中央学園関係者以外は立入禁止だ!」
高橋が絵恋の入室を阻止しようとした時だった。
絵恋「ほっ!はっ!」
高橋「うっ!?」
絵恋は空手の有段者だということは知っている。
だが、沖縄に引っ越してからは道場通いは休止中だと聞いているが……。
稽古休止中とは思えないほどの身のこなしで、高橋を軽くいなしてしまった。
絵恋「はーっ!」
高橋「がっ……!」
高橋は絵恋の突き技を受け止めたが、それでもダメージがあったようだ。
高橋「てめェ……!」
絵恋「ふっ!」
スカートの下に穿いているブルマが見えたが、絵恋は気にしていないようだ。
男子生徒A「おー!」
リサ「エレン、強いー!」
絵恋「良かった。腕は鈍ってない」
淀橋「飲み物でも飲みましょうよ。ドリンクバーだから、飲み物くらいいいでしょ」
絵恋「ありがとう」
リサ「…………」
何故かリサは訝し気な顔をしていた。
愛原「高橋、大丈夫か?」
高橋「え、ええ……。大丈夫です。……あいつ、あんなに強かったです?」
愛原「本当は空手道場に通ってるのかもな。空手の発祥って沖縄だから、ここは本場だ」
高橋は絵恋の思わぬ反撃に困惑していたが、リサもリサで訝し気にしていたのが気になった。
[同日08時00分 天候:晴 同ホテル1階ロビー]
朝食を食べ終わった後、リサ達は旅館棟に戻って行った。
絵恋は学校に行ってしまった。
私達は引率の先生方と集まって、今日の予定を話した。
坂上「バスは予定通り来るそうです。9時にホテルを出発して、今度は南城市に向かいます。そこで今度は、おきなわワールドと玉泉洞を……」
愛原「今度の宿泊先は、高級ホテルのようですね」
坂上「はい。午後はリゾートホテルの施設で、マリンアクティビティをする予定です」
三上「私にはホテル併設の海水浴場で海水浴というイメージしか湧かないが、安全性は大丈夫なのか?」
坂上「正式に海開きされている砂浜ですし、私達が監視に当たります。ホテルの施設内ですから、安全性も保障されているでしょう」
三上「うむ……」
海か……。
沖縄では、海は切っても切れない関係であるが、昨夜の夢が海洋性のウィルスに関する夢だっただけに、嫌な予感がしなくも無かった。
朝食会場は一般客向けのレストランとは別の宴会場。
そこに修学旅行生用にバイキング形式の朝食が用意されている。
沖縄料理もあるが、さすがに朝食には本州と同じ料理、例えば魚の西京焼きとかもある。
まあ、リサなら絶対に肉中心の朝食にするだろうが。
高橋「さすがに2食続けて沖縄料理も飽きるんで、ここで東京のと同じのが出てくるといいっスね」
愛原「まあな」
朝食時間になったばかりということもあり、修学旅行生達はすぐには来ない。
昨日の疲れがまだ残っていたりすると、なかなか起きられないということもあるだろう。
だが……。
リサ「愛原先生!おはよう!」
愛原「あれ、リサ?もう起きて来たのか?」
リサ「後から来て肉が無くなってると困るから」
愛原「そういうことか……。さすがに、朝からラフテーは無いぞ」
リサ「それは残念」
レイチェル「愛原センセイ、おはようございます」
愛原「れ、レイチェル!迷わず成仏してくれ!」
レイチェル「Huh?」
リサ「レイチェル、ゾンビなの?」
レイチェル「No!私は何のウィルスにも感染してませんよ?」
リサ「だってさ」
愛原「ゴメン。夢の話だった」
私は夢の話をした。
レイチェル「心外ですね。私はTアビスのワクチンを接種していますので、今更それに感染することはありませんよ?」
愛原「そ、そうだよな。申し訳ない」
リサ「枕が変わると変な夢を見やすいもんね」
愛原「そ、そうだな。リサは大丈夫だったか?」
リサ「今回はね。その前は、男の鬼達に……何でもない!」
愛原「ん?」
淀橋「それより早く食べようよ」
リサ「それもそうだな」
小島「絵恋さんはいないんですか?」
愛原「いや、絵恋さんは一般客扱いだから、向こうのレストランで食べてるよ」
高橋「ぼっち飯だ」
愛原「急いで食べてこっちに来るらしいよ」
高橋「さっさと学校行けってんだ」
愛原「まあまあ……」
沖縄県は東京と比べて、日の出と日の入りが遅い。
その為、もしかしたら、学校が始まる時間も遅いのかもしれない。
愛原「沖縄は日の出が遅いんだよ」
高橋「何の話っスか」
淀橋「確かに、いつもより外が明るくなるのが遅かったような……」
愛原「そして、日が暮れるのは遅い」
小島「昨日、そうでしたね」
愛原「日本って案外広いってことが分かるよ」
警備会社で働いていた頃、社員旅行があった。
北は北海道、南は沖縄に行ったりした。
どちらも冬。
札幌は16時で暗くなるのに、那覇は17時になってもまだ明るかった。
小島「日本は東西に広いってことですね」
愛原「そういうことだな」
リサ「肉ゲット~♪」
リサはソーキとローストチキンを手にしていた。
淀橋「うわ……朝から胃もたれいそう……」
小島「フツーはこれだけ食べたら太るのに、リサさんは太らないね。さすがは魔王様」
リサ「むふー!」
レイチェル「食べた物は、体内のGウィルスに吸収されるからですよね」
リサ「リサ・トレヴァー大先輩から受け継いだGウィルスは食いしん坊だから」
レイチェル「リサの強さの秘訣はそこですね」
リサ「むふー!」
誇らしげな顔をするリサだったが、私は一瞬その顔が歪んだのを見逃さなかった。
知っている。
リサは現在の食生活では、これ以上強くなれないということを。
私も知っている。
これ以上強くなるには、人食いや人の生き血を啜るしかない。
だがもちろん、そんなことができるわけがない。
苦肉の策として、血中老廃物を啜るということで僅かに強化させるに留まっている状態だ。
それで、“鬼つよし”か……。
絵恋「リサさーん!おはよー!」
しばらくして、沖縄中央学園の制服に身を包んだ我那覇絵恋がやってきた。
リサ「エレン、来たー」
高橋「ここは東京中央学園関係者以外は立入禁止だ!」
高橋が絵恋の入室を阻止しようとした時だった。
絵恋「ほっ!はっ!」
高橋「うっ!?」
絵恋は空手の有段者だということは知っている。
だが、沖縄に引っ越してからは道場通いは休止中だと聞いているが……。
稽古休止中とは思えないほどの身のこなしで、高橋を軽くいなしてしまった。
絵恋「はーっ!」
高橋「がっ……!」
高橋は絵恋の突き技を受け止めたが、それでもダメージがあったようだ。
高橋「てめェ……!」
絵恋「ふっ!」
スカートの下に穿いているブルマが見えたが、絵恋は気にしていないようだ。
男子生徒A「おー!」
リサ「エレン、強いー!」
絵恋「良かった。腕は鈍ってない」
淀橋「飲み物でも飲みましょうよ。ドリンクバーだから、飲み物くらいいいでしょ」
絵恋「ありがとう」
リサ「…………」
何故かリサは訝し気な顔をしていた。
愛原「高橋、大丈夫か?」
高橋「え、ええ……。大丈夫です。……あいつ、あんなに強かったです?」
愛原「本当は空手道場に通ってるのかもな。空手の発祥って沖縄だから、ここは本場だ」
高橋は絵恋の思わぬ反撃に困惑していたが、リサもリサで訝し気にしていたのが気になった。
[同日08時00分 天候:晴 同ホテル1階ロビー]
朝食を食べ終わった後、リサ達は旅館棟に戻って行った。
絵恋は学校に行ってしまった。
私達は引率の先生方と集まって、今日の予定を話した。
坂上「バスは予定通り来るそうです。9時にホテルを出発して、今度は南城市に向かいます。そこで今度は、おきなわワールドと玉泉洞を……」
愛原「今度の宿泊先は、高級ホテルのようですね」
坂上「はい。午後はリゾートホテルの施設で、マリンアクティビティをする予定です」
三上「私にはホテル併設の海水浴場で海水浴というイメージしか湧かないが、安全性は大丈夫なのか?」
坂上「正式に海開きされている砂浜ですし、私達が監視に当たります。ホテルの施設内ですから、安全性も保障されているでしょう」
三上「うむ……」
海か……。
沖縄では、海は切っても切れない関係であるが、昨夜の夢が海洋性のウィルスに関する夢だっただけに、嫌な予感がしなくも無かった。
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