[5月8日20時00分 天候:晴 沖縄県那覇市大道 沖縄ホテル1階ロビー]
私と高橋、そしてリサと我那覇絵恋はロビーのソファに座った。
愛原「聞きたいことは、ただ1つ。斉藤早苗の居場所だ」
リサ「先生にウソ付いたらコロス!」
リサは瞳を赤く光らせて、牙を覗かせた。
絵恋「リサさんに殺されるなら本望ですぅうふんうふん」
絵恋にはリサの警告も逆効果だったようだ。
愛原「斉藤絵恋は、山手学苑が開催した合宿に参加したはずだ。それは知ってる?」
絵恋「いえ、知りません」
愛原「斉藤早苗は、いつから学校に来てない?」
絵恋「かれこれ、1ヶ月くらにいになります」
愛原「1ヶ月か。その間、キミは1度も早苗には会っていない?」
絵恋「何回か会いました」
愛原「なにっ!?どこで!?」
絵恋「塾です。私と同じ、沖縄山手学苑に通い始めて……。それで、家まで一緒に帰ったりしたんです」
愛原「斉藤早苗の家!?」
絵恋「いえ、私の家です。何故だか、私の事を心配して、家まで送ってくれたりですとか……」
愛原「その時、何か変わった話とかはした?」
絵恋「いいえ。私も心配して、早く学校に来るように言ったんですけど……。『気が向いたら行く』の一点張りで……」
愛原「ふむふむ」
私は絵恋の証言をメモしていた。
愛原「他には?」
絵恋「私のお母さんを説得してあげるとのことでした。私が……東京中央学園大学に行けるように……」
絵恋はリサに恍惚とした表情を見せた。
愛原「説得って……そんなこと、本当にできるのか?」
絵恋「分かりませんけど、早苗さんはそう言ってました」
愛原「うーむ……。今でも、キミの家に来る?」
絵恋「そうですね。たまに来ます」
愛原「お母さんを説得しに?」
絵恋「それもありますけど、私の悩み相談に乗ってくれたりとか、あと、頭がいいので、私に勉強教えてくれたりもするんです」
高橋「それ、塾行ってる意味無くね?」
絵恋「塾は、お母さんに無理やり行かされてるの!」
愛原「国立大学の琉球大学に合格できるようにする為だよな?」
絵恋「そうです」
愛原「それなのに、説得できると斉藤絵恋は思ってるんだ」
絵恋「そのようです」
愛原「分かったよ。また、キミの家に行くかね?斉藤早苗は……」
絵恋「来ると思います」
愛原「分かったよ。ちょっと、善場係長に電話してくる」
私は席を立ち、誰もいないソファの所に向かった。
その間、3人は談笑している。
何だかんだ言って仲の良い連中だ。
リサ「何か、お菓子とかジュースとか持って来るの?」
絵恋「ええ、そうよ。早苗さん、お菓子焼くの得意みたいでね。クッキーとかブリオッシュとか、手作りの物を持って来てくれるの」
リサ「聞くだけなら、食べてみたい気はする」
絵恋「是非とも、リサさんにも食べてもらいたいわ」
高橋「『どくいり きけん たべたら しぬで』じゃねーだろうなw」
絵恋「だったら私、とっくに死んでるじゃない!」
高橋「オメーも殺しても死なねぇ感じだもんなぁw」
絵恋「どうして知ってるのよ!?」
高橋「そりゃ、オメーともなかなかの腐れ縁だからだよ。なぁ、リサ?こいつも頭撃ち抜いても死にそうにねーよなぁ?」
リサ「いやぁ~、やめといた方がいいと思うよ。少なくともここでは」
絵恋「あんリサさん、優しーっ」
絵恋はリサに抱き着いた。
リサ「……!?」
愛原「おい、ちょっと静かにしてくれ。電話中だ」
絵恋「あ、はい……」
高橋「怒られてやんのw」
絵恋「うるっさいわね!」
愛原「……あ、すいません、うるさくて。そういうわけですから、今後、絵恋の家に斉藤早苗が訪れる可能性があります。……分かりました。少々お待ちください」
私は手帳を取り出すと、1枚白紙を取り出した。
愛原「絵恋さん、悪いんだけど、ここに君の家の住所書いてもらえるかな?」
絵恋「いいですよ」
絵恋はすらすらとボールペンを走らせた。
愛原「ありがとう。……あ、もしもし、お待たせしました。沖縄県那覇市……です。……はい。確かに、沖縄ホテルの近くですね」
リサ「家からホテルまで何で来たの?」
絵恋「自転車よ」
高橋「チャリで行ける距離なのかよw」
絵恋「そうよ。ねぇ、リサさん。那覇市には、今夜だけ泊まるの?」
リサ「いや、確か最後の夜も那覇市だったと思う。このホテルかどうかは、ちょっと栞を見ないと……」
絵恋「この近く、他にもホテルがあるから、また私の家の近くだといいね」
リサ「まあね」
愛原「……分かりました。それでは、また……はい。失礼します」
私は電話を切った。
愛原「有力な情報、ありがとう。今後、デイライトの関係者が、キミの家の周りを見張るらしい。なるべく、迷惑は掛けないようにする。申し訳ないが、斉藤早苗を捕まえる為だ。そして、この事は本人には内緒にして欲しい」
絵恋「分かりました」
愛原「協力してくれたら、デイライトの方から謝礼があるよ」
絵恋「それは助かりますぅ!……で、お話はもういいですか?」
愛原「ああ。今のところは。御協力どうもありがとう」
絵恋「いえいえ」
リサ「エレン、わたしの部屋に行こう!お風呂一緒に入ろう!」
絵恋「ぼへへへ……ま、待ってましたぁ~……」
リサは絵恋を引っ張って、旅館棟へと向かって行った。
大浴場もそこにある。
高橋「先生!俺達も入りましょう!」
愛原「バカ、今は入れねーだろ。俺達引率者は、生徒達の就寝時間になってからだ」
就寝時間は22時となっている。
朝食は7時からであるが、出発は翌日9時なので、それまでに食べて、バスの中に集合すれば良い。
明日、またバスが迎えに来る。
小学校や中学校では無いのだから、ホテルの中で点呼を取って……ではなく、各自バスに乗り込んで、その中で点呼を取るといった形になっている。
私と高橋、そしてリサと我那覇絵恋はロビーのソファに座った。
愛原「聞きたいことは、ただ1つ。斉藤早苗の居場所だ」
リサ「先生にウソ付いたらコロス!」
リサは瞳を赤く光らせて、牙を覗かせた。
絵恋「リサさんに殺されるなら本望ですぅうふんうふん」
絵恋にはリサの警告も逆効果だったようだ。
愛原「斉藤絵恋は、山手学苑が開催した合宿に参加したはずだ。それは知ってる?」
絵恋「いえ、知りません」
愛原「斉藤早苗は、いつから学校に来てない?」
絵恋「かれこれ、1ヶ月くらにいになります」
愛原「1ヶ月か。その間、キミは1度も早苗には会っていない?」
絵恋「何回か会いました」
愛原「なにっ!?どこで!?」
絵恋「塾です。私と同じ、沖縄山手学苑に通い始めて……。それで、家まで一緒に帰ったりしたんです」
愛原「斉藤早苗の家!?」
絵恋「いえ、私の家です。何故だか、私の事を心配して、家まで送ってくれたりですとか……」
愛原「その時、何か変わった話とかはした?」
絵恋「いいえ。私も心配して、早く学校に来るように言ったんですけど……。『気が向いたら行く』の一点張りで……」
愛原「ふむふむ」
私は絵恋の証言をメモしていた。
愛原「他には?」
絵恋「私のお母さんを説得してあげるとのことでした。私が……東京中央学園大学に行けるように……」
絵恋はリサに恍惚とした表情を見せた。
愛原「説得って……そんなこと、本当にできるのか?」
絵恋「分かりませんけど、早苗さんはそう言ってました」
愛原「うーむ……。今でも、キミの家に来る?」
絵恋「そうですね。たまに来ます」
愛原「お母さんを説得しに?」
絵恋「それもありますけど、私の悩み相談に乗ってくれたりとか、あと、頭がいいので、私に勉強教えてくれたりもするんです」
高橋「それ、塾行ってる意味無くね?」
絵恋「塾は、お母さんに無理やり行かされてるの!」
愛原「国立大学の琉球大学に合格できるようにする為だよな?」
絵恋「そうです」
愛原「それなのに、説得できると斉藤絵恋は思ってるんだ」
絵恋「そのようです」
愛原「分かったよ。また、キミの家に行くかね?斉藤早苗は……」
絵恋「来ると思います」
愛原「分かったよ。ちょっと、善場係長に電話してくる」
私は席を立ち、誰もいないソファの所に向かった。
その間、3人は談笑している。
何だかんだ言って仲の良い連中だ。
リサ「何か、お菓子とかジュースとか持って来るの?」
絵恋「ええ、そうよ。早苗さん、お菓子焼くの得意みたいでね。クッキーとかブリオッシュとか、手作りの物を持って来てくれるの」
リサ「聞くだけなら、食べてみたい気はする」
絵恋「是非とも、リサさんにも食べてもらいたいわ」
高橋「『どくいり きけん たべたら しぬで』じゃねーだろうなw」
絵恋「だったら私、とっくに死んでるじゃない!」
高橋「オメーも殺しても死なねぇ感じだもんなぁw」
絵恋「どうして知ってるのよ!?」
高橋「そりゃ、オメーともなかなかの腐れ縁だからだよ。なぁ、リサ?こいつも頭撃ち抜いても死にそうにねーよなぁ?」
リサ「いやぁ~、やめといた方がいいと思うよ。少なくともここでは」
絵恋「あんリサさん、優しーっ」
絵恋はリサに抱き着いた。
リサ「……!?」
愛原「おい、ちょっと静かにしてくれ。電話中だ」
絵恋「あ、はい……」
高橋「怒られてやんのw」
絵恋「うるっさいわね!」
愛原「……あ、すいません、うるさくて。そういうわけですから、今後、絵恋の家に斉藤早苗が訪れる可能性があります。……分かりました。少々お待ちください」
私は手帳を取り出すと、1枚白紙を取り出した。
愛原「絵恋さん、悪いんだけど、ここに君の家の住所書いてもらえるかな?」
絵恋「いいですよ」
絵恋はすらすらとボールペンを走らせた。
愛原「ありがとう。……あ、もしもし、お待たせしました。沖縄県那覇市……です。……はい。確かに、沖縄ホテルの近くですね」
リサ「家からホテルまで何で来たの?」
絵恋「自転車よ」
高橋「チャリで行ける距離なのかよw」
絵恋「そうよ。ねぇ、リサさん。那覇市には、今夜だけ泊まるの?」
リサ「いや、確か最後の夜も那覇市だったと思う。このホテルかどうかは、ちょっと栞を見ないと……」
絵恋「この近く、他にもホテルがあるから、また私の家の近くだといいね」
リサ「まあね」
愛原「……分かりました。それでは、また……はい。失礼します」
私は電話を切った。
愛原「有力な情報、ありがとう。今後、デイライトの関係者が、キミの家の周りを見張るらしい。なるべく、迷惑は掛けないようにする。申し訳ないが、斉藤早苗を捕まえる為だ。そして、この事は本人には内緒にして欲しい」
絵恋「分かりました」
愛原「協力してくれたら、デイライトの方から謝礼があるよ」
絵恋「それは助かりますぅ!……で、お話はもういいですか?」
愛原「ああ。今のところは。御協力どうもありがとう」
絵恋「いえいえ」
リサ「エレン、わたしの部屋に行こう!お風呂一緒に入ろう!」
絵恋「ぼへへへ……ま、待ってましたぁ~……」
リサは絵恋を引っ張って、旅館棟へと向かって行った。
大浴場もそこにある。
高橋「先生!俺達も入りましょう!」
愛原「バカ、今は入れねーだろ。俺達引率者は、生徒達の就寝時間になってからだ」
就寝時間は22時となっている。
朝食は7時からであるが、出発は翌日9時なので、それまでに食べて、バスの中に集合すれば良い。
明日、またバスが迎えに来る。
小学校や中学校では無いのだから、ホテルの中で点呼を取って……ではなく、各自バスに乗り込んで、その中で点呼を取るといった形になっている。
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