報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「戦いの後で」

2023-09-15 20:17:13 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月14日10時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所・屋上→2階事務所]

 私はデイライトから来た善場主任に、昨夜の戦いのことについて説明していた。

 愛原「ここで高橋が火炎放射器を使ったわけです」
 善場「手製の火炎放射器ですが、外に持ち出した場合、法律違反になる恐れがありますので、注意してくださいね」
 愛原「はい、それはもう……」
 善場「アメリカ・ルイジアナ州のベイカー農場においては、ルーカス・ベイカーが火炎放射器やグレネードガンを自作していたとの報告が入っております」
 愛原「い、いや、さすがにグレネードガンまでは自作していないと思いますが……」

 ルーカスとしては玩具を自作したつもりだったのだろうが、結果的にそれが故イーサン・ウィンターズ氏の手助けになったという。

 善場「後で確認しておいてください」
 愛原「は、はい。……えーと、カラスの死体はBSAAが回収して行きました。ついでに、消毒もしてくれました」
 善場「決められた通りの処理ですね。リサの方は影響ありませんでしたか?」
 愛原「電撃を使ったことで、お腹が空いたようです。倒したカラスを食べたがりました。もちろん、全力で制止しましたが」
 善場「良い判断でした。今のリサはGウィルスと特異菌を保有しています。これに再びTウィルスを取り込もうものなら、リサはもう人間に戻れなくなるかもしれません」
 愛原「ですよね」
 善場「日本式プラーガを取り込むよりはマシですが」
 愛原「はあ……」

 そういえばリサ、特異菌に感染して大ボスとなったマーガレット・ベイカーが蟲使いになっていたことに注目し、新しい日本式プラーガを創り出そうと考えているようだ。
 そのことは……黙っておいた方がいいな。

 愛原「仕方が無いので、焼き鳥を食わせてやることにしましたよ」
 善場「焼き鳥ですか。まあ、スーパーでも売ってますからね」
 愛原「あっ、それでも良かったかー!」
 善場「えっ?ええ。スーパーの総菜コーナーで売られてますし、大型スーパーだと、たまに駐車場にキッチンカーが出ていますよね。焼き鳥の」
 愛原「そうでした!」
 善場「どうかなさったのですか?」
 愛原「いえ、実は……」

 と、そこへ、私のスマホにLINEの着信が入った。

 愛原「失礼します」

 スマホを確認すると、リサからLINEの着信が入った。
 確認すると、レイチェルの現在の居住地の最寄り駅は中目黒駅だという。
 東京メトロ日比谷線の始発駅である。

 愛原「日比谷線かぁ……」
 善場「愛原所長?」
 愛原「あっ、すいません。実は、リサには焼き鳥屋に連れて行くと約束しちゃったんです」
 善場「そうだったのですか」
 愛原「そしたら、レイチェルも興味を示しまして……」
 善場「日本の焼き鳥は、外国人にも人気だと言いますから」
 愛原「やっぱりねぇ……」
 善場「レイチェルも連れて行くというわけですか」
 愛原「そういう流れになってしまって……。善場主任も良かったらどうですか?」
 善場「お誘いはありがたいのですが、接待行為は禁止となっておりまして……。あの、報酬の1つですとか、作戦行動の1つとかでしたら構わないのですが、今回はいずれにも当てはまりませんので、今回は申し訳ありません」
 愛原「そうでしたか。これは、失礼致しました」
 善場「いえいえ。いつ、行かれる予定ですか?」
 愛原「今から予約だと、明日の方が良さそうですね。まあ、土曜日よりも日曜日の方が空いてるでしょう」
 善場「でしょうね。参加するのは……」
 愛原「うちの事務所の連中も連れて行きますよ」
 善場「すると、愛原所長に高橋助手、そして霧崎事務員ですね」
 愛原「そうです」

 これにリサとレイチェルを入れて5名となる。
 日比谷線と都営新宿線が交差するのは、秋葉原近辺であるからして、その辺の店にしようと思う。
 私達は屋内に戻った。

 善場「今日はリサの姿が見えませんが……?」
 愛原「今日は学校なんです。午前中だけですが……」
 善場「そうだったのですか。それなら、尚更日曜日の方がいいかもれませんね」
 愛原「そうですね」

 家の中に戻ってエレベーターに乗り込み、2階の事務所に向かう。

 愛原「すいませんね。変な構造の建物で」

 いちいち靴を脱いだり履いたりと忙しい。

 善場「いいえ。それでこの建物についても調べてみました」
 愛原「ほお!?」

 事務所に戻って、再び応接コーナーに向かい合って座った。
 クソが付くほど寒い屋上にいたこともあり、パールがお茶を入れ直してくれていた。

 善場「それがおかしいんです。私も暴力団関係の事務所かと思って調べたのですが、その証拠は見つかりませんでした。試しに、所轄の警察署でも確認しましたが……」
 愛原「ええっ!?じゃあ、やっぱり機械設備関係の会社?」
 善場「そのようです。その前のオーナーも、業種は不明ですが、何かの企業だったようです」
 愛原「んん?」
 高橋「何か気持ち悪いな」
 愛原「そうだねぇ……」

 まだスッパリと暴力団事務所だったとでも言われた方がマシだ。

 善場「私も気になりますので、この件は引き続き、調査して参ります」
 愛原「恐れ入ります」

 その後、退所される善場主任を1階まで見送った後で、私は再び事務所に戻った。

 愛原「取りあえず、焼き鳥屋を探そう。居酒屋のカテだと、リサ達のような未成年は断られるかもしれない」

 大人びているレイチェルは誤魔化せるかもしれないが、リサは無理だ。

 高橋「案外、チェーン店関係はOKっスよ。もちろん俺達、大人が一緒にいるのが条件っスけどね」
 愛原「なるほど。まあ、レイチェルに日本の焼き鳥を堪能してもらうのが目的だからな。あとは、リサだな」
 パール「昨夜、1番活躍した人ですからね」
 愛原「その通りだ。なので、食べ放題がある所の方がいいだろう」
 高橋「はいはい」

 高橋が自分のPCで、私が出している条件で検索して行く。

 愛原「あとは駅近だな」
 高橋「ヒットしましたよ」
 愛原「ホントか。じゃあ、5名で予約しといてくれ」
 高橋「了解っス」

 予約が完了すると、私はリサにその旨のLINEを送った。
 休み時間だったのかどうか分からないが、リサは即座に了解の旨の返信をしてきたのだった。
コメント (1)
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