日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

「作家の家 創作の現場を訪ねて 」にマーク・トゥエインの旧居訪問の頃を思い出す

2009-07-30 16:01:35 | 海外旅行・海外生活
本屋で一冊の本が目を引いた。西村書店発行の「作家の家 創作の現場を訪ねて」である。本のタイトルは日本語になっているでおやっと思ったが、表紙の写真には見覚えがある。その昔、まだ京都河原町の丸善が健在であった頃、美術書売り場で見つけた買った本の翻訳らしい。もともとはフランス語の本で英語版が1995年に25ポンドで発売され、それを購入したのである。それに比べると今年2009年2月に発売された西村書店版は2940円なので割安感がある。ビニールで密封されていたので残念ながら中身を見ることは出来なかったが、多分同じであろう。しかしサイズ28 x 22.8 x 2.4 cmで、英語版の31.6 x 25.6 x 2.2 cmに比べると小さ目である。西村書店版は鹿島茂 監訳/博多かおる 訳となっているので、おそらくフランス語版からの翻訳であろう。


私は本が好きなものだから、他の人がどのように本と向かい合っているかが気になる、というより興味津々なのである。作家ともなれば当然本に囲まれているだろうから、まず収納の仕方が気になる。家の中で本を読む時の決まり場所があるのだろうかとか、また読書用に座る椅子の好みとか、寝転がるとしたらどのようなソファーなんだろうかと、とにかく好奇心旺盛なのである。そして作家の創作現場、原稿を書くときの机周りもしっかりと目に入れたい。だからこの本を見つけた時は中身も確かめずに手を出したのである。


英語版でほぼ20人の作家の住んでいた家が紹介されている。しかし名前を知っているのは半分少し、でもマーク・トゥエインの家が出てくるのは嬉しかった。その昔、訪れたことがあるからだ。1966年に家族と渡米してコネチカット州New Havenに最初の居を構えたが、その時に親しくなったMさんご一家とある日、コネチカット州の州都であるHartfordまでMさんのVWと私のFord Futuraを連ねてドライブをしたのである。目的場所はマーク・トゥエインの旧居。何かで「トム・ソーヤの冒険」や「ハックルベリィ・フィンの冒険」を書いたマーク・トウェインの住んでいた家がそこにあることを知ったのだろう。その時の写真があった筈だと昨日からさんざん探し回って、やっと見つけ出した。


雪がうっすら積もっているから1966年から67年にかけての冬である。お互いに男女一人ずつ二人の子持ち、子供も幼く私たちも未来への希望に胸を大きく膨らませていた頃である。それから40年以上の星霜が流れ、トロント名誉市民となられたMさんご夫婦は今もトロントにお住まいである。奥様と妻は気が合うというのか、手紙をまめにやりとりしてしているものだから、ご健在の近況が伝わってくるのが嬉しい。

The Mark Twain House & Museumのホームページを見ると、このマーク・トウェイン・ハウスの修復工事が1960年代半ばから始まったとあるから、多分その直後だろうか。工事中のせいだったのかどうかほかに人影がなく、建物の中に入った記憶もない。修復工事は1974年の築100周年を記念する式典のために本格化したとのことであるので、この本でその内部を始めて見たことになる。

このような切っ掛けで昔を思い出すのはまた楽しいものである。