ごじらいく

足跡の先に・・・

母が子供だった頃

2018年04月29日 | あの頃
たぶん、私が小学生の中頃だったと思います。
母と、弟と話をしていたんですが、会話の中に、「お母さんが子度だった頃・・・。」と言うのが出てきました。
私は不審に思いました。
「お母さんに子度の頃があったん?」と、聞いたのです。
今から思えば、普通の会話だったんですが、当時の私からしたら、母が、私が生まれたときから大人で、子度の頃を想像することが出来なかったんです。
たぶん、父のことも、子供だったことを認識できていなかったような気がします。

母は、「お母さんにだって、子供の頃があったわよ。」と、言います。
生まれたときから大人だった人なんて、この世にいるわけないのです。
今なら、母と、母の子供だった頃の話を普通にすることが出来ます。
しかし、まだ、違和感があることはあるんです。
時代背景は、戦後食糧難の時代で、今ではふっくらしている母も、ガリガリに痩せていたそうです。
そういう時代も、私からしたら思い浮かべることが出来ないのです。

ガリガリの子供だった母は、一人で自分の母、私の祖母の帰りを電気をつけずに待っていたらしいのです。
電気をつけないのは、子供過ぎて電気のスイッチに手が届かないことなんです。
いつもひもじい思いをしていて、母のお兄さんのおさがりの服を着ていたらしいのです。

裕福な時代に育った私たち姉弟には、全く意味不明の話をしてくれたことを思い出します。
今でも、母は、大人で、子供だった頃のことは想像することが出来ません。
もし、私に子供がいたら、きっと、私と同じように、「お母さんに子供の頃があったなんて信じられない。」と、言うに決まっています。
私が生まれたときから、もうすでに大人だった人もみんな、子供時代を経て、今に至るんです。
そのことに気付くまで長い時間が必要でした。


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