Kuni Takahashi Photo Blog

フォトグラファー高橋邦典
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腎臓結石

2009-07-22 13:58:42 | 報道写真考・たわ言
数時間前、一ヶ月ぶりにシカゴに戻ってきた。

3週間のベトナム取材を終えてから、メルボルンに住んでいる僕の従姉妹一家を訪ねる機会も兼ねてオーストラリアで数日を過ごしてきたのだが、なんとそこで腎臓結石になってしまった。

何の予兆もなくいきなり腹部の激痛に襲われ、床に臥せったまま立ち上がる事もできなくなった。幸い知人の家を訪れている時だったので、そこから病院に運んでもらい一夜を過ごす事に。

腎臓結石は相当痛い、と聞いていたので、できれば生きているうちはご免被りたいものだと思っていたのだが、どうやらそんな願いは天に聞き入れてもらえなかったようだ。右腹の痛みだったので、はじめは盲腸が破裂でもしたかと思い、病院に向かう車の中で、「俺もここまでか。。。」などと縁起でもない思いも脳裏をよぎったが、その半端ではない痛みはこれまで経験したなかで最悪だったんじゃないかと思う。

一旦痛みが襲ってくるともう横になってうんうんと唸ることしかできなくなるのだが、病院では強力なモルヒネを射ってもらいなんとか痛みをしのぐ事ができた。このモルヒネだが、あとで医療関係の人と話したところ、日本では病院でも使用が認められていないらしい。

確かにモルヒネというと日本人の感覚では「麻薬」というイメージが強いので、僕も実際に痛み止めとして射ってもらっているときも、このまま中毒になってしまうのでは、などと頭の片隅で少し心配してしまったが、西洋の病院では普通に使われているようだ。

ところでこのモルヒネの語源が、ギリシャ神話に登場する夢の神モルフィスだということを今回初めて知った。痛みを鎮め夢心地にするその効用から、この夢の神にちなんで名付けられたらしい。確かにこの夢の神の薬のおかげで、激痛に襲われてもすぐに微睡んでよく眠る事ができたなあ。

腎臓結石とモルヒネ。。。初めて訪れたオーストラリアでの、忘れられない思い出になりそうだ。