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本、パンデミック新時代 ネイサン・ウルフ著

 副題は「人類の進化とウイルスの謎に迫る」で、感染症が世界的な規模で流行するパンデミックについて書かれた本である。


 この本で、ウイルスは既知の生物の中で最も頻繁に変異をするとしている。そしてその変異の方法は2種類あって、一つは突然変異、もう一つは遺伝子再結合である。

 最近話題になったウイルスは豚インフルエンザと言われたH1N1だ。このウイルスは致死性は低いものの強力な感染力を持っている。このH1N1ウイルスの数カ所の遺伝子が変異しただけで強力な感染力を持った致死性の高いウイルスに変化するという。

 また、鳥インフルエンザウイルスと呼ばれているH5N1は毒性が非常に高いが感染性は低かった。

 このウイルス、H5N1が、豚インフルエンザウイルスH1N1ウイルスに感染した細胞に感染すると、両者の遺伝子が結合が起こることがある。これが遺伝子再結合である。この結果致死性の高い感染力の強いウイルスが出現することになる。

 未知のウイルスは動物からの感染がほとんどである。人口爆発により未開の土地が開発されていて、動物との接触が急激に増えている。そして都市部でもペットショプで輸入された動物が売られていて、新たなウイルスに感染する危険性は増えている。

 これらのようにパンデミックの可能性は日に日に拡大しているというのだ。
 
 現在拡大が続いている武漢発の新型コロナウイルス2019-nCoVについては致死性が低いと見積もられ、日本では危機感が薄い。春節の旅行者が減って観光地は大打撃を受けたという論調が多かった。武漢から遠く離れた北京市内でさえも規制により交通はまばらという状態とは大きな違いがある。新型コロナウイルスが多くの人に感染し変異を繰り返し致死性が高まっていくことを危惧しなければならないのである。
 
 ウイルスによるパンデミックについて初歩的な知識を得るのにおすすめの本だ。


本、新型インフルエンザとの戦い 私たちにできること
本、ウイルス 大感染時代

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