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この情報をどう使いますか?

 「電気で言うなら、原子力もありますが、首都圏から離れすぎているため、発電量の半分くらいしか使えません。これは結構知られていないのですが、電気は発電所から家庭に送られるまでも減り続けているのです。例えば福井の原発から東京に送電すると、約半分になるとも言われます。」

 これはある人気blogの一節です。全体の論旨はCO2の排出を削減すべきということの様ですから、特に目くじら立てる必要がないと思いましたのでコメントでの指摘も控えていますが、半分になるというのは間違いじゃないかと思ってます。

 インターネットを検索すると損失は10%以下に制御されている、実際は5%前後であると説明してありますし、50%の損失といっている人たちが何をどう勘違いしたのかも説明されています。ただ、インターネットには上のblog以外にも送電中に半分がロスになるという記述が多く発見できるのも事実です。誤った情報がインターネット上で高速増殖していったのでしょう。

 さて、このように相反する情報がある場合、どちらが正しいのかを、どう判断すれば良いのでしょう。電気工学の知識がないと判断できないというのは事実ですが、世の中には電気工学を知らない人の方が多く、そういう人達に、自分の理解していないことを喋るんじゃない、と言い切ってしまって良いとは思えません。理由を理解していないある事実をベースにして、論旨を組み立てていく作業というのは当然あってしかるべきだと思うからです。

 そうなるとどう判断すればよいのかです。自分の理解していない事柄に対し、何が事実であるかを100%正確に判断することが無理なのは当たり前です。それでも、より正確に判断するという努力は可能です。

 私はまず原典を探します。原典が分かればどういう立場の人の意見か明確になるからです。医学に素養の無い私が「サッカリンとタバコ」で「ヘビースモーカーの子供の肺がんの発症率が明らかに低いというレポートが出てきた」と書きました。これは週刊ポストの記事を見、JNCIのサイトを探し出し、半ページの、結果しか書いていない元論文を読み、同じ結論の他の論文が無い限り冗談ネタにしか使えないと判断し、あの文になっています。

 常識でも考えます。私に電気工学の知識がないとしても、「距離が遠いため発電量の半分くらいしか使えない」というのはおかしいなと考えます。そんな不経済な事するかなあ。距離が問題になるのなら福島や東海村を増強するのではないかという疑問が湧きます。疑問が湧いた情報については使うのを慎重にしています。福井の敦賀発電所は東電でもないし、比喩としても東電の新潟柏崎刈羽原子力発電所のほうがいいのじゃないか、と思えばますますこの情報は使えないと判断します。

 可能ならば、そのことを良く知っている人に相談します。ちゃんと分かっている人でしたら分かりやすく理由を説明しながら正誤を教えてくれるはずです。もし、電子工学に関して分からないことがあったら質問してください。無償でお答えします。何しろコメントが少なくてモチベーション下がりっぱなしなもんですから。写真は福井へ行った時に撮った美浜発電所の写真です。ズワイガニ食ってきました。



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