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映画、鑑定士と顔のない依頼人

 多分今年最後に見る映画がこの「鑑定士と顔のない依頼人」だろう。

 トルナトーレ監督の映画なので、ぜひ見たいと思っていたが余り多くの映画館で上映していない。日比谷のシャンテシネに出かけた。

 12月13日公開のこの映画、1週間たった今も満席が続いている。前日にインターネットで予約しておいたので見ることができたが、11時過ぎの時点で1時の回と3時の回は売り切れになっていた。実際最前列まで観客が入っていたから人気があるのだろう。

 映画は主人公バージル・オールドマンが高級なレストランで食事をするシーンから始まる。テーブルにセットされたワイングラスには彼のイニシャルVOが入っていて、とてつもなく裕福であることを暗示している。

 彼は美術、工芸品のオークションを主催している。貧しく生まれた彼が、その鋭い鑑識眼でオークションニストとして大成功したわけだが、自らが女性を描いた絵の膨大なコレクターでもある。



 女性との付き合いのない彼は、豪邸の隠し部屋の壁にところ狭しと飾られたこれらの絵を一人で眺めるのが唯一の楽しみであった。

 こんな少々気味の悪いバージルのところへ古い館の美術品の鑑定依頼が来た。依頼人は若い女性のようだが、精神を患っているようで館の一室にこもっていて顔をだすこともない。



 気分の浮き沈みの激しい依頼人クレアと潔癖症のバージルが、ぶつかり合いながらも次第に少しづつ変わっていく。電話の受話器を手袋の上にハンカチを巻いてとるような潔癖症の彼がどんどん変わっていったのだ。

 女性と付き合うのが怖いといっていたバージルが狂おしいほどクレアを愛してしまうことになる。クレアと出会ったことは結末はどうであれバージルにとって幸せなことだったのだろう。

 結末は予測可能なので、登場人物の細かい所作を集中して見ていたからだろうか、エンニオ・モリコーネの音楽が余り記憶に残っていないのは少々残念。おすすめの映画だ。



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