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おすすめの本、マルクス・アウレリウス「自省録」

 学生時代70年安保を経験した私にとってマルクスとは資本論を書いた18世紀の哲学者カール・マルクスであった。

 「豊かな人間とは、自身が富であるような人間のことであって、富を持つ人間のことではない」

 などと言われると、そうだ!と拳を振り上げたものだ。

 やがて就職し、社会に歯車として組み込まれたころ読んだのがマルクス・アウレリウスの自省録だった。SFマニアであったが、年に数冊は教養系の本も読もうとしていて、この本もそのうちの一冊であったのだ。

 評判の本であったが、20代の若者にはあまりピンとくるものがなく、一度読み通しただけで本棚の肥やしになっていた。

 その自省録がこの4月、NHKのEテレ番組「100分で名著」で紹介されていたらしく、テキストを売っていた。2000年も前のローマ皇帝、マルクス・アウレリウスの個人的ノートがなぜ今でも読まれているかのヒントがあるかもしれないと購入した。

 このテキスト、自省録が書かれたバックグラウンドが説明されていて、またテーマごとにまとめ解説されているので理解しやすい。あっという間に読み通し、もう一度自省録を読み返すことにした。



 半世紀も前に読んだときの印象とは異なり、納得する記述が多い。頭の中にすっと入ってくるのは、NHKのテキストのおかげもあるだろうが、自分が年をとったことも大きな要素に違いないと思う。どんな本にも読む旬があるのだろう。

 マルクス・アウレリウスの「自省録」、おすすめだ。


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