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映画、ビル・カニンガム&ニューヨーク

 世界報道写真展2013を見に恵比寿にある東京都写真美術館に出かけた。この美術館のホールでビル・カニンガム&ニューヨークを上映していたので、あらかじめこの映画のチケットを購入してから写真展会場に入った。

 世界報道写真展はインパクトの大きい写真が多く、特に中東の現実が心に重く響き、連れとの会話も少なく会場を出ることになった。

 30分ほど近くのスターバックスで心のリハビリをしてからビル・カニンガム&ニューヨークを見た。平日の午後だと言うのに若い人を中心に半分以上の席が埋まっている。

 この2010年の映画は、ニューヨークタイムスのファッションのコラムを担当している、当時82歳の写真家ビル・カニンガム追ったドキュメンタリー映画である。

 自転車でニューヨークを走りまわり、気に入ったファッションを見つけると頭の先から靴底まで写真を取りまくる。



 そして撮られる人たちの鼻高々な様子。ビル・カニンガムに写真を撮られるのはニューヨーカーにとって最高のステータスなのだ。

 そんな有名な彼だから経済的にも恵まれ優雅な生活をしているのだろうと思うと、台所もない小さなアパートに住んでいて、部屋の中はネガを入れたファイルキャビネットでいっぱいだ。金を貰うと自分の撮りたい写真が撮れないと、小切手を貰っても破って捨ててしまうと言うのだ。

 セレブ達のパーティで取材するときも事前に粗末な食事を取ってから出かけ、どんなに薦められても、豪華な食事どころか水でさえ口にしないという彼の姿勢はすがすがしい。

 写真家ビル・カニンガムが被写体になったこの映画、その彼の魅力が十分に捉えられたお勧めの映画だ。

 写真美術館ホールでの上映は8月2日まで。



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