月の明かりと朝の光の間で ー「大きな区切り」

2015年07月01日 | 仕事



朝の6時。久し振りの徹夜仕事の後、4時過ぎに漸く家に戻れば、
麦畑の向こうの、大きく、大きく丸い黄色の月が目の中に飛び込むよう。
一人で残りの赤ワインを取り出し、庭に座って、朝の光を浴びながら、
眠くなるのを待って、椅子に座っている。今日は特別な日だと思う。

1999年から約15年あまり、中断した期間も含みつつ、日本の漆芸、
とりわけ蒔絵の世界に関わってきた。その中でも一昨々年から
約3年がかりの仕事となった京蒔絵師、高橋秀雄さんの作品録の
仕事が漸く終わりに近づいた今、大きな区切りがやってくると思う。

それは、この15年とこれからの15年を分けるものともなるだろう。
「月の明かりの中でぼんやりと見えていたものが、朝の光の中で輝き始めるように」
その中で遠ざけたり、離れたりするものが出てくるだろう。
それを良しとすること。求めれば、これからの15年で得るものは大きい。
その時々を全うするように。





 


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4 コメント

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Unknown (myascat)
2016-07-06 19:18:10
始めまして。
ドイツで蒔絵作家高橋秀雄さんの作品録が出版されるのですね。A1の私には難しそうで二の足を踏んでしまいますが、先細りになりがちな伝統技術がこうした形で紹介され、残っていくことは素晴らしい事だと思います。
既に他界いたしましたが、私の祖父・叔父共に蒔絵師を生業としておりました。
関東圏での職人でした。現在は従兄弟たちが後を継がなかったので、技術は途絶えてしまい、手元に彼らの蒔絵が何一つ残っていないのが残念です。
木型を作る職人さんも少なくなったと、もう30年も前の話ですが、祖父がぼやいておりました。現在では本当に数えるほどになっているのでしょうから、作家の方も大変でしょう。
筆の写真を見ていると、子どもの頃の祖父の家の記憶と漆のにおいがよみがえってきました。
ありがとうございました。
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Unknown (kulitaka)
2016-07-06 23:09:06
myascat さん、コメント有り難うございます。

蒔絵に興味をもたれる方は今では、本当に少なくなっています。
高橋秀雄さんの蒔絵は本当に素晴らしいものです。
もし興味がおありでしたら連絡先を教えて下さい。
作品の一部をお送りするように致します。ドイツ語の文章を読まずとも作品の写真だけで十分見ごたえがあると思います。
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Unknown (myascat)
2016-07-07 12:43:52
ありがとうございます。
ググってみたのですが、ネットは伝統的な物に弱いようで、上手くたどり着けませんでした。
もし、御迷惑でなかったら、お送り頂けると嬉しいです。
leo-1 ☆hotmail.co.jp
返信する
Unknown (myascat)
2016-07-25 18:55:50
こんにちわ!
こちらのを、私のブログにトラックバックさせて頂いても良いでしょうか?
OKが出ましたら、アップします。
よろしくお願い致します。
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