パリ17区「ル・ビストラル」にて

2010年09月03日 | ドイツ・ヨーロッパの「食」
パリ北駅に着いた。大伽藍の中を行き来する、多国籍、無数の人達。
夕刻8時。外に出ると 19世紀からの石造りの建物に、明るい光が降り注ぐ。
秋のドイツから約4時間。 バリはまだ夏の名残を惜しむかのようである。

正面出口からすぐのブラッセリーでまずはビールを一杯。ああ美味しい。
それからホテルに着いて、窓を開けると風景は初秋の蒼い空になっていた。





ビオの自然派ワインと個性的な料理で長く親しんできた17区のビストロ、
「ル・ビストラル」で食事。オーナーのアレックスさんは相変わらずの
笑顔で迎えてくれたが、シェフのティエリーさんが故郷のボルドーに帰り、
料理はすっかり変わってしまっていた。
変わっていなかったのは、フランスのオーガニックの本物「自然派ワイン」
の豊富な取り揃え。最初に飲んだのは数年前、その骨太な造り、独特の
香りや味わいに最初はびっくりしたが、今はちょっと愛好家になっている。
日本酒で言えば、有機無農薬、生もとか山廃づくりの熟成純米酒、その上
自家酵母のような感じだろうか。

ティエリーさんの現代フランス料理談義や、真夜中の日仏料理セッション
を懐かしく思い出す。自分の英語は棚上げにして、
僕にいつもフランス語を習え、習えと笑いながら言っていた。
本当に良い人だった。まさに、料理は人なりと思う。
なんとか時間をつくって、彼の大好きな本物の醤油、干し椎茸、
ワカメを持って、故郷のボルドーに会いに行こう 。




オーナーでソムリエのアレックスさん。
前回、南アフリカから南仏に移って来た幼年時代、
少年時代の苦労話を聞いた。今、新しいシェフと再スタート。
うまくいってほしい。





「ル・ビストラル」のベテランスタッフ、ジェラールさん。
スイスやフランスの一流レストランで、
働いていたこともある。「今の方がずっと楽しいし
やりがいもある。」とのこと。
アレックスさんと同じく、フランスの自然派ワインに
とても詳しい。どれだけの本数を飲んできたのだろうか。





ティエリーさんの頃からいる、パリ娘のレッチさん。
少しマッチョ系の、男性ばかりのスタッフの中で
紅一点。物静かでいつでもニコニコしている。
前菜、サラダ、スープ、デザート等が彼女の担当。
いつもバンダナを巻いている。





客が引けたのは、夜の12時過ぎ。料理人仲間が
集まってくる。仕事が終わっても、話題は料理と
ワインのことが多そうだ。僕にはほとんど分からない。
何を話しているのだろう。


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