ドイツ-大晦日から元旦へ

2011年01月03日 | ドイツの暮らし
明けましておめでとうございます。
正月三が日だというのに、ドイツはもう仕事始め。

今年は子供達も大きくなってドイツ流の年越しとなり、元旦も
その流れでドイツ風。僕は愉しさもあり、少しさみしさもあり。
ともかく記録しておこう。

大晦日の夜。友達夫婦に呼ばれ、ドイツ流の年越しとなる。
手作りのご馳走に呼ばれ、ワイングラスを傾けて12時を待つ。
いつもながら、ドイツの人達はホームパーティが本当に上手いと
思う。皆が談笑する中、一人で感心している。妻も水を得た魚のよう。
顔が輝き、目がくりくりしてくる。面白いなぁ。学生の頃から人が
集まるといつもこうだったなぁ。
人とのお喋りが本当に好きなのだろう。良かったね。





除夜の鐘は鳴らずとも、ゆく年来る年に区切りをつけたいのは
皆同じ。0時と共に雪の中で花火を盛大に打ち上げる。
友人や近所の人達と良い年になることを願って、シャンペンで乾杯。

30年前のドイツでの初めての大晦日。一人で床に入っていた。
夜中に突然の大音響。あちこちで爆音が響く。
第3次世界大戦が勃発したのだと思い、覚悟を決め布団をかぶり
直したことを思い出す。嘘のような本当の話。

今でも、ゆく年来る年は静かに祝うものと思う。
だから毎年、大晦日、元旦は家族の中で一人、異邦人ノ存在。
しかし、異邦人であることは哀歓を織り成しながら、人生が
愉しいことでもある。



大晦日を過ぎても宴はたけなわ。夜中の2時頃、子供達も興奮して
まだまだ寝ようとしない。
旧年を越えて新年の1月6日まで、キリスト教の信仰では一年の特別な
時間を象徴するクリスマスツリー。その蝋燭の光の下に子供達が集まり、
鉛を溶かして、お母さんと昔ながらの占いを始める。




元旦の朝。というより既にお昼。昨日の夜更かしがたたったのだろう。
寝ぼけ眼で二階から下りてくると、テーブルの上にちょこんと子ブタ達
が座っていた。 一瞬、今年の干支かと思い込む。
もちろん、それは勘違い。僕の日本での人生の記憶は、だんだん怪しく
なっている。
ブタ君は、ドイツでは昔から幸運の印。貯金箱に使われたり、プレ
ゼントのアクセサリーに使ったりする。
今年は正月の用意が全く出来ず、うつむき加減だった僕に、妻が
わざわざ気を使ってくれたのだった 。ママラインにもブタ君にも
ありがとう。



新年初の水泳の帰り。太陽が顔を覗かしている。
村の小さな墓地を一人で散歩。根雪が融け始め、墓石達も
その下で安らぐ人たちも笑みをたえているよう。
小鳥のさえずりも聞こえてくる。僕はどういう訳か突然、
冬の厳しさが過ぎた3月頃の日本の春山を想い出す。

「もう一度、日本の山に帰ろう、行こう。」
若い頃、心の支えだったふるさとの山々を再び訪ねようと思う。
30年過ぎた後、自分の中で日本とドイツがひとつになるように。
もし二つに分かれていても、横並びで手を結び合うことはあるかも
しれない。



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1 コメント

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Unknown (やよい)
2011-01-05 20:37:48
初めまして、素敵なブログですね。
私も左京区が好きなので、特に京都の記事は懐かしく読ませていただきました。
また、お邪魔させていただきます。

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