「原発は反民主主義」- 日独で守るべき言論・報道の自由。

2011年04月14日 | 脱原発

(4月10日「チェルノブイリ25年国際会議」の記事の続きとなります。)

4月8日から10日まで、ベルリンで開かれた核戦争防止国際医師
協会(IPPNW)の主催する「チェルノブイリ25年国際会議」に参加
してきました。参加者も500人超。ドイツの主要な反核・環境団体が
勢揃いしたような感じでした。




ヨーロッパでの原発安全性に関する第一人者、ローター・ハーン
(Lothar Hahn)さん。原子炉技術の安全評価20年以上の経験の
上に築き上げられた講演は論理明快。命の尊重を基本的価値観と
しつつ、学問的な裏付けがあり実に説得性がある。


4月9日(会議の二日目)
特別ゲストで日本から来た放射線医療の専門家、振津さん以外の
日本人は僕一人。各ワークショップや記者会見の場に参加し、
その中での質疑応答の際に「浜岡原発の即時停止」の必要性と、
原発問題を中心として現在、日本で行われている報道と言論の
自由に対する抑圧についての説明を試みました。




写真中央、日本での児童を対象とした全国原子力PRポスターを
一例として、国内でのイデオロギー的な原発教育およびマスコミでの
一方的な報道の状況を説明しました。




先日の25万人デモの際に、孫達と一緒にミュンヘンのオデオン広場に
やってきたおじいさん。孫を思う気持ちは日本もドイツも同じ。
彼我の差は国家イデオロギーの違い。そして、それを公的教育の場に
持ち込むことを許すかどうか、国民の違い。





日本の民主主義は今、足元から揺らぎ始めている。
原発は、もはやエネルギー政策の問題でも、工業社会の経済効率の
問題でもない。それは日本の戦後65年、今後、民主主義国家として
の日本が成り立つかどうかの基本的な問いかけである。

「福島の後にも日本はなお原子力政策を容認・推進していこうとする。
戦後65年の歪んだ国の発展と病的な社会が自己崩壊を起こしながら、
その終焉を迎えることに抗っている。原発を支えた体制と、それを
支えた支配的な考えを変えられなければ、日本の再生と復興はない。」

絶対に引くことはできない。
日本と、自分達の将来、子供達の未来がかかっている。





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下記はベルリンの会議から帰ってきた翌日、日本のフリージャーナリスト
の方に宛てた手紙です。日独で協力して抑圧的な力に対抗していく
ことが大切です。

福島原発震災以降、日本社会の歪みと市民への抑圧はむしろ強まった
ように感じます。この中で脱原発を進めることは日本社会の建て直し、
民主主義の確保につながることと信じています。
その為にも国内でのNPOや市民の活動、ネットを中心とした自由な
言論がとても重要だと思いますが、むしろ現状では体制側の保守的
勢力が強大で、それを押し返しつつ、社会を変革できるのか、大きな
危惧を感じています。
このような困難な状況の中、海外の脱原発団体、学者、メディアと
日本のオルタナティブな勢力が意識的に協力・連携していくことは、
一つの有効な手段ではないかと考えます。

現在、当方では「アトムフリー・イーストウェスト」
(http://atomfree-eastwest.com/jp) というイニシアチブを
もとに、ドイツの脱原発・環境団体や自由派の学者とのネットワーク
を作り始めています。また、日本で現在、言論・報道の自由を
制限する動きが高まっていることも、ドイツの市民やメディアに
伝えるべく努めています。

Iさんおよびその周囲の方々の情報の発信やインプットにおいて、
上記のドイツのネットワークを利用するメリットがありましたら、
可能な限りご協力したいと思います。また、当方のイニシアチブでも
Iさん達の行動を、ドイツ語への翻訳などで発信出来るように
準備しているところです。

何か協力出来ることがありましたら、ともかく投げかけてください。

僕自身は4月15日から一ヶ月ほど日本に戻り、京都を中心に脱原発
関係のNPOの方々や団体との協力関係を深めるとともに、福島、
宮城の被災地の方にも何日か足を運びたいと思っています。


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1 コメント

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Unknown (hitomi)
2011-04-15 15:12:12
このような状態になってもまだ原発を停止できない愚かな日本人と思いますが私のブログにこんな質問がありました。ヨーロッパでは「バカな日本人がマスクで放射能を防ごうとしている」というドイツの新聞に載ったというが本当か、≫「これほど汚染された日本から、どうして日本人は逃げ出さないのか?・・・それは日本人が放射能の危険性について無知で、バカである事が原因である」、とヨーロッパの新聞は報道している。>
これはどこの欧州の新聞記事かわからないのですか?これはこの記事主がでっち上げた言葉ではないのですか?「ヨーロッパの新聞」とは何処の新聞なのですか?この新聞情報源は何処を見れば分かるのですか?」お分かりでしょうか。
よろしくお願いします。
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