4週間の日本の旅も終わり。関空に向かう朝。
会えた友達もいれば、会えなかった友達もいる。
僕はいつも「日本に、京都に戻る」と自然に思うけど、それでも
『ドイツに帰る』と言う。かって見ず知らずだった遠い国、そこ
には自分がつくった家族がいる。
戻る場所があり、帰るところがあること。二つの場所は大きく異なり、
その日常は重なり合わない。ひとつ同じことは、どちらにも大切な人
達がいることだ。そこで僕は一人ではない。
幼い時に肉親と死に別れ、孤独を与えられた者には、一生その影が
つきまとうだろう。胸の中の寂寥は取り除くことはできない。
友人、知人、人々との一回、一回の出逢いを名残り惜しむように、
大切に。家族との日常も一日、一日とかけがいのない時間の積み重ね。
人生の4分の3あたり。今年の秋は二つの国で沢山の紅葉を見た。