夜中の2時を過ぎて、月のない夜。幾つかの星々。
そんな光と暗黒の空の下、天空の時間。僕はまだ、もうたった50年余りの人生。
それでも、日本で過ごした様々な時間とドイツでだいぶ長くなった時間の間で、
星空を眺め、永遠の歌を聴く。
過去の男と女の友情や恋愛のようなことが、知らず知らずのうちに
僕の人生にも歴史の中の繰り返しごとのようにあったのだろうと思う。
言葉の使用が、他者と自分との間で生存の確認である時、
あるいは同じ言葉が不特定多数との社会的な行為である時。
人にはその端境が、なんでそうでなければならないのか、
分からないことが本当にはあるのだと思う。
蒼空の中に浮かぶようだった月明かりの山々。