とうとう送るぞ! 日独市民の声「浜岡原発の即時停止」

2011年04月02日 | 脱原発

「浜岡原発の即時停止」の署名活動を始めて約2週間。
日本とドイツ、500人を超える人達が「原発を必要としない世界」
への想いを、一人一人の様々な人生の中で、その声を届けてくれた。
この500人の言葉の中に一つの主旋律があると思う。一人一人の
考えや意見を読めば読むほど、そのメッセージがリフレインの
ように響いてくる。

「日本もドイツも未来は一つ。地球を壊さずに共存を求めていくこと。
子供達に良いものを残していくこと。未来を信じ、希望のある世界を
絶やさないように。」

(下記は日本に送る前の最終梱包の記念写真です。)

(写真右:高田51歳)「30年前の卒論より重みがあるなあ。
浜岡の山は、万人の力が集結すれば絶対に動かせる。
富士山に比べれば小さい、小さい!」
(写真左:和気28歳)「日本に居るときには気が付かなかった。
原子力について、初めて真正面から考えるようになった。大きな
きっかけを掴んだ。」


下記は「浜岡原発の即時停止」を求める日独市民の声の
パッケージに同封した、静岡県川勝平太知事宛ての要望書全文です。
硬い文章で申し訳ありませんが、できれば一読をお願い致します。


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静岡県庁知事室
静岡県知事 川勝平太様


2011年3月31日
ドイツ・デュッセルドルフ

「浜岡原発の即時停止」を求める
日独共同の署名活動

発起人 高田知行
(ドイツ連邦共和国公認翻訳士)



浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全号機の運転即時停止を
求めます。


2011年3月11日、東北関東大地震に伴う福島原子力発電所の原発
事故は、世界の原子力利用の歴史において最大規模の惨事となり
ました。今日3月31日の時点においても放射能汚染の危険性は更に
高まっており、同原発事故の技術的収束に関しては一切見通しが
立たない状況です。

福島原発事故による放射能災害は今後、当該震災地域のみに限らず、
関東地域、引いては日本国の自然・生態系を汚染し、国民一人一人の
生活環境・健康に甚大な影響を及ぼすものと予想されています。

この放射能汚染に関しては日本国内のみならず、ドイツを含めた
世界各国でもその汚染の広がりや影響が強く懸念されており、
ドイツの一般市民の方々の間にも大きな不安が広がっています。
日本発の食材・食品等についても具体的な規制が行政レベルで
検討され始めている次第です。

このような中で、原子力発電所の安全性自体が国際的に様々な
レベルで議論されています。世界各国で原発自体についての見直しの
気運が高まり、過去2週間の間に建設計画や運転計画の凍結など、
具体的な措置に踏み切った国々があることは御承知の通りです。
とりわけドイツ連邦共和国におきましては、老朽化した原子力
発電所の3ヶ月間におよぶ即時運転停止と共に、安全基準自体の
根本的な再検討及び現状設備の安全性の徹底的検査が政府によって
決定されております。



今回の東北関東大地震の規模及びそれに伴う福島原発事故の
重大さは、今までの一般の想像を遥かに超えるものでありました。
この非常事態の中、浜岡原子力発電所の立地する東海静岡県一帯
には、以前からM8級の東海大地震の発生が確実なこととして予想
されています。さらに浜岡原子力発電所のサイトは、この東海地震の
予想震源地内にあります。

上記のことから、「2011年3月11日迄の想定条件」を前提とした
浜岡原発の安全性の主張及びそれに伴う運転の続行は、決して
許容されるものではありません。これは私発起人個人の考えではなく、
今回の「浜岡原発の即時停止」を求める署名活動に賛同した日本と
ドイツの市民約700人の基本的考え方であります。

日本の現下の状況において、浜岡原子力発電所は運転を即時停止し、
その安全性を根本から見直し徹底的な検討を行うべきものであります。
そしてその検討過程においては中部電力、浜岡原発関係機関、管轄・
行政機関を超えて、地震学者、原子力利用の専門家、学識経験者、
市民団体等を含めた広範囲かつ詳細な議論が行われるべきであります。

来るべき東海大地震の際の原発事故予防措置、現在の非常事態下に
おける国家的安全措置として浜岡原子力発電所の運転は直ちに停止
されるべきです。このことを、私発起人及びこの署名活動に賛同した
全ての日本の市民及びドイツの市民が要請致します。

なお、この「浜岡原発の即時運転停止」を求めての署名活動の内容
及び結果は、日本語とドイツ語の二カ国語インターネットサイト
「Atomfree-eastwest」に全て公開されております。

また、ドイツの国営テレビ及びラジオ放送(WDR, ZDF)、日刊紙
(NGZ, Süddeutsche Zeitung)等においてもこの浜岡原発の問題
及びその即時停止を求める私達の活動については既に報道が行われて
おります。

浜岡原発の運転を続行すること及びそれに伴う原発震災の可能性、
危険性は今や日本のみの問題ではありません。国際的な問題で
あります。
今後ドイツにおいて、浜岡原子力発電所に関してますます関心が
高まることは必至です。私達も日本の各組織のみならず、ドイツの
各種市民団体、社会組織と協力し、浜岡原発運転中止を国際的関心事
として強力に訴えかけていきます。




この同送しました約500通に及ぶ浜岡原発の即時停止を求める
日本とドイツの市民の声及びこの要請書につきましては、御熟読
の上、真剣なる御検討をお願い申し上げます。
その上で、静岡県知事としての公式の回答を下記の宛先にEメール
及び郵送で御送付下さいます様、宜しくお願い申し上げます。なお
御回答につきましては4月20日迄に御連絡承りたくお願い致します。

御回答の有無及びその内容につきましては、日本とドイツの署名
された全ての方々、及び、浜岡原発について報道を行っている
ドイツの全ての機関、関係市民団体、社会組織に連絡し、公表
いたします。




2011年3月31日
発起人 高田 知行
(ドイツ連邦共和国公認翻訳士)
Tomoyuki TAKADA
Elisabethstr.11       Tel:0049-(0)2131-125 9477
41564 Kaarst-Büttgen      Fax:0049-(0)2131-125 9494
Germany                             Email:hamaoka.stop@googlemail.com
                                           takada916@googlemail.com



同送資料:
① 日本とドイツの署名者の見解・意見(約500件、700人の署名の複写)
② 浜岡原発の即時停止を求める独文公開趣旨書
③ 独日刊紙「Frankfurter Rundschau」 浜岡原発の地震学的背景の説明記事
④ 浜岡原発の即時停止を求める署名活動に関する記事(1):
  日刊紙「NGZ」
⑤ 浜岡原発の即時停止を求める署名活動に関する記事(2):
      日刊紙 「Süddeutsche Zeitung」


(上記写真は、静岡県知事宛に送った市民の声パッケージの
内容一覧です。)